「マラクジャ」「クプアス」「カスターニャ・ド・パラー」。さてどこの国で人気のフルーツでしょう?

ブラジルのフルーツショップ

たぶんフルーツ専門店の方でもなかなかわからないのではないでしょうか? でもこれに「ガラナ」と「アサイー」を加えるとどうでしょう? はい、そうです。ブラジルです!

朝ごはんには必ずフルーツを食べるのがブラジル流。我が子が通う幼稚園ではなんと1日3度もフルーツの時間があります。

そんなフルーツ大国ブラジルで食べられるおすすめの南国フルーツ5選を海外書き人クラブ新会員のブラジル在住ライターokaがご紹介します!

ブラジルは「フルーツの宝庫」と呼ばれるほど果物の種類が豊富で、ブラジル北部に広がるアマゾン地域では200種類におよぶ熱帯果実が存在すると言われています。

そしてそれは驚くほどブラジル人の生活に根付いています。その証拠にブラジルの家庭では白物家電の中でもミキサーの普及率が極めて高いというデータがあるのだとか。

筆者もこの国に住み始めてから朝ごはんに自家製スムージーを飲んだり、外出中にのどが乾いたら露店のジューススタンドにふらっと立ち寄ったりすることが増え、改めてフルーツがいかに身近な存在であるかを思い知らされています。

更にフルーツの進化は食べる、飲むにとどまらず、大手化粧品ブランドが果実の成分や香りを活用し、フルーツコスメなるものがブランドショップにも並ぶようになってきています。

ブラジル人の心も身体も美しく保ってくれるフルーツ。

日本でも一時期ブームを巻き起こしたあのフルーツから、「何これ、食べ物なの!?」と一瞬目を疑ってしまうようなビジュアルを持つフルーツ、「1粒食べるだけで美肌になれる!?」絶対試してみたいスーパーフードまで、さまざまなフルーツを紹介していきますので、ぜひ最後までご覧ください!

 

1 言わずと知れたスーパーフード「アサイー」

アサイー

日本でも一時期ブームになっていたので、日本人にもおなじみ♪と言っても良いフルーツではないでしょうか。

アサイーは、ポリフェノールがブルーベリーの約18倍、食物繊維がごぼうの約3倍、カルシウムが牛乳の約3倍含まれていると言われています。その他にも鉄分、ミネラル、アミノ酸、ビタミンなどを多く含む、栄養たっぷりのスーパーフードです。朝食にこれさえ食べておけば、あとは毎日呑んだくれても健康を保てそうなほどの栄養価の高さですね(笑)。

アサイーはアマゾン原産のヤシ科の植物で、もともとはアマゾンの先住民の食料でした。実際に現地でも「アサイーを食べてさえいれば元気になる!」と言われていたそうです。

アサイーはブルーベリーのような見た目の紫色の果実ですが、ほとんどが種で可食部は全体の2~3%ほど。他のフルーツのように手で皮をむいて種を取るという作業が難しいので、実を取り出すには専用のプロセッサーが必要になります。なので、ブラジルに住んでいてもアサイーの果実そのものがスーパーで売られているのを見たことはありません。

専用プロセッサーを使って作られたアサイーの生ピューレを砂糖で甘く味付けし、それに他のフルーツやグラノーラを添えて完成するのが日本でも一時期ブームとなったいわゆるアサイーボウル。筆者の住むリオデジャネイロやブラジル最大の都市サンパウロで食べられるアサイーも基本的にはこのスタイルです。ジュースやスムージー、ときにはアイスなど、デザートとしてアサイーを食べています。

一方、原産地のブラジル北部の州では、アサイーの生ピューレをそのまま食べるのが一般的。砂糖を使っていないので甘くなく、魚のフライや肉料理の付け合わせ、主食のひとつとして食べられています。

地元の人にとってのアサイーは、日本人の白米のような存在なのかもしれません。甘くない味のアサイーは筆者もまだ試したことがありませんが、先住民から愛されるアサイーそのものの味をいつか試してみたいです。

 

2 種ごと食べられるフルーツ「マラクジャ」

マラクジャ

マラクジャは日本でいうパッションフルーツです。パッションフルーツというと聞いたことがある、知っているという人も多いと思いますが、食べたことがある!パッションフルーツ大好き!という人にはあまり会ったことがありません(笑)。

そういう意味では日本人にとってはあまりなじみのないフルーツかもしれません。

マラクジャはブラジルで最もポピュラーなフルーツのひとつで、特にジェラートやケーキなどのお菓子にもよく使われています。ジェラート屋さんには必ずある味のひとつです。

日本の沖縄などで見られるパッションフルーツは皮があずき色のものが一般的ですが、ブラジルで流通するマラクジャは黄色いタイプ。一見すると何の変哲もない果実ですが、中は少々インパクトのある見た目をしています。半分に割ると食用の種子が無数に詰まっているので、集合体恐怖症の人は注意しましょう……。

見た目とは裏腹に、中には柔らかくてジューシーな果肉が入っており、独特な風味と酸味でとてもおいしいです。そのまま果肉をスプーンですくって生で食べてもよし、バナナなどの甘い果物と一緒にジュースにしてもよし、お菓子づくりが好きな人ならタルトやムースにもおすすめです。

種ごと食べられるので、ジュースにすると種がパリパリとアクセントになって、食感も楽しめるフルーツなんです。

日本でもデパートなどで手に入るパッションフルーツ、ぜひお試しあれ!

 

3 ブラジルの国民的飲料「ガラナ」

ガラナ入りの缶飲料

ガラナは果物でありながら、ブラジル人にとっては清涼飲料水として広く愛されています。アメリカ人にとってのコーラ、日本人にとっての緑茶といったところでしょうか。ガラナ飲料は、疲労回復や滋養強壮などの効果があると言われている炭酸飲料で、ブラジル国内のスーパーではもちろん、レストランでもガラナ飲料を置いていないところはありません。

ガラナもマラクジャと同じく、少しインパクトの強い見た目をしています。苦手な人もいると思うので、ここに写真を貼ることはしませんが、その見た目を一言でいうなら「目玉おやじ」そのもの!

実際にガラナの語源になっている「ウァラナン」という先住民の言語は、「人間の目」を意味し、人間の目が飛び出したように見えることが由来になっています。見た目が気になる人はぜひ覚悟して調べてみてくださいね(笑)。

そしてその見た目のインパクトからか、スーパーや八百屋さんで果物として実が売られているのは見たことがありません。アマゾンで採れるガラナの約70%が清涼飲料水に加工されているというので、ほとんどが飲料加工されてブラジル国内外に輸送されています。

日本でも一部の輸入スーパーで手に入るこのガラナ飲料。フルーツ炭酸飲料とエナジードリンクをかけあわせたような爽快さがあるので、筆者も愛飲しています。ただしコーヒーの5倍以上ともいわれるカフェインが含まれているので、妊娠中や授乳中、就寝前には飲まないように注意しましょう。

 

4 学名は「神の食べ物」である「クプアス」

クプアス

クプアスは「Theobroma grandiflorum」(ギリシャ語で“神の食べ物”)という学名をもつアマゾン原産の植物で、同じテオブロマ(Theobroma)科の植物には、チョコレートの主原料であるカカオがあります。そのため、“カカオの親戚”や“白カカオ”(果肉が白いため)などとも呼ばれ、クプアスの種からもチョコレートを生産することができます。

クプアスの見た目は、カカオ豆に似てゴツゴツとしていて、その堅くて厚い外皮を剥くと白い果肉があらわれます。この果肉をピューレ状にしたものが、スムージーやアイスクリームなどに加工されて食べられていますが、おすすめは何といってもチョコレート! カカオの仲間とだけあって、チョコレートとの相性が抜群なんです。

チョコレートと合うその甘酸っぱい独特な味わいが癖になるだけでなく、注目すべきはその栄養価の高さ。クプアスには、抗酸化物質やビタミン、ミネラル、鉄分などの豊富な栄養源の他に、アミノ酸の成分であるGABAを含んでいることからストレス軽減やリラックス効果も期待されています。

最近ではアサイーを超えるスーパーフードとして日本でも注目を浴びているクプアス。クプアスの種からつくられるチョコレートはカフェインの含有量が少ないとも言われているので、就寝前や妊娠中にも食べられるチョコレートとして日本のお菓子メーカーさんにぜひ注目していただきたいなぁ、と地球の裏側から密かに願っております(笑)。

 

5 食べすぎ注意! 「カスターニャ・ド・パラー」

カスターニャ・ド・パラー

最後にご紹介するのは「カスターニャ・ド・パラー」(パラ州のナッツ)と呼ばれる大型のナッツです。これはブラジルのアマゾン地域に自生する木(Bertholletia excelsa)から収穫されます。果実の中には通常3つから6つの実が含まれており、この実を乾燥させローストしたものが、カスターニャ・ド・パラーです。あまりポピュラーではないものの、日本でも「ブラジルナッツ」の名で流通しています

カスターニャ・ド・パラーには、女性に嬉しいアンチエイジング効果やダイエット効果、美肌効果、デトックス効果があるといわれています。さらに生活習慣病予防をはじめ、がんや脳卒中、心臓発作などのリスクを軽減する効果も期待されており、まさにメリットだらけ。味もマカダミアナッツに似ていてクリーミーな味わいで食べやすいので、もしこれが簡単に手に入るなら毎日でも摂取したいですよね。

ところがどっこい! このナッツが恐ろしいのはミネラルが豊富すぎるところ!

カスターニャ・ド・パラーが美容・健康に良いとされる一番の理由は「セレン」というミネラルが豊富に含まれているからなのですが、このセレンを過剰に摂取するとセレニウム中毒を引き起こし、頭痛、食欲不振、嘔吐下痢、爪の異常などの症状があらわれる危険性があると言われています。

そして一体どのくらいその成分が含まれているのかというと、1日あたりの摂取目安量が約60㎍とされているセレンが、なんとカスターニャ・ド・パラー1粒で100㎍摂取できてしまうんです。したがって1日に食べてもいいとされているのは、たった1粒だけ!

そのおいしさから、つい「やめられない止まらない~♪」と食べていると大変なことになってしまうので、くれぐれも食べ方には気を付けましょう。

 

ブラジルのアマゾン地域を主に原産地とするフルーツ5つを紹介しましたが、気になるものはあったでしょうか?

日本の真裏に位置するブラジルですが、アマゾンの原生林から数々の工程を経て、遠いとおい日本でもその輸入されたフルーツや加工品が手に入る時代です。気になるものがあれば、ぜひお近くのデパートや輸入食品店で探してみて、アマゾンの自然の恵みを手に取って味わってみてくださいね!

(文・写真 oka)

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