世界で最も多くのコアラを飼育している「ローンパインコアラサンクチャリー」。その名称からコアラしかいないと思われることもありますが、そんなことはありません!
それからここではあの「コアラ抱っこ」ができます! えっ、「そんなのあたりまえだろ」ですって? いえいえ、できない動物園のほうがむしろ多いくらいかもしれません。
こんにちは。海外書き人クラブ所属、オーストラリア在住ライターの柳沢有紀夫です。
そうなんです。じつは「コアラ抱っこ」はどこでもできるわけではないのです。ただコアラの話はあとにして、とりあえず他の楽しみから見ていきましょう。
スポンサーリンク
第5位 ウォンバットにいやされる!
はい。この写真がウォンバットです。なんともまあ愛嬌があるというか、とぼけた顔をしていますね。
このウォンバット、コアラやカンガルーと同じ有袋類の一種。胎児を子宮の中で育てるのではなく、未成熟の状態で産み落して、おなかの袋の中で育てる動物たちです。
ちなみに袋の中に乳首があります。それとその袋の中、無茶苦茶臭いそうです。……嗅いだことはないですが。……嗅ぎたくもないですし。
ウォンバットは有袋類の中でもコアラと近い種族。というわけで、こちらもものすごいのんびり屋さんです。彼らが絶滅せずに生きながらえたのは、オーストラリアには大型の肉食獣が北部のワニ以外にいなかったからでしょうね。
尻尾を除いた体長は70~110センチ。体重は20~33キログラム程度。
普段は小屋の中にいたり、土管の中で休んでいたり……。
はい、こんな感じですね。
積極的に(でもないんですけど。なんたってのんびり屋さんですから)、歩きまわることは少ないんです。私もかれこれ10回は訪れていますが、傾向として朝早くまたは夕方のほうが歩きまわる姿を見られることが多いと思います。
第4位 タスマニアンデビルに目を回される!
尻尾を除いた体長は50~60センチ。体重はオスが10~12キログラム、メスはその半分の5~6キログラム程度。こちらも有袋類の仲間です。
本来は夜行性ですが、昼でもときどき動く姿を見かけます。こちらはウォンバットと違って、ちっちゃな体でちょこまか動き回るので、本当に写真に撮りにくい!
さて、こんなにかわいいタスマニアンデビルですが、なぜ「デビル(悪魔)」なんていう名前がついているかというと、いくつかの理由があります。
まずは「死肉をあさる」こと。ハイエナみたいなイメージなんですね。しかも顎が強く、肉だけを選り分けるのではなく、動物の骨もバリバリ噛み砕きます。そのあたりがまさに「デビル」という感じなのでしょう。
それと鳴き声。カタカナにすると「グーーーグワッ!」とかそんな感じなのですが、喉の奥から絞り出す声はしわがれていて、ひとことで表現するなら「おぞましい」んですね。
それともう一つ。牙をむいた姿はまさにデビルなんですけど……これはなかなか実物を目にすることは難しいと思います。
第3位 カンガルーとたわむれる!
オーストラリアを代表する動物といえばコアラとともにこのカンガルーですね。いやむしろオーストラリア人にしてみたら、こちらのほうを推すかもしれません。
ナショナルフラッグシップ、つまりオーストラリアを代表する航空会社「カンタス航空」のマークがカンガルーですし、ラグビーのオーストラリア代表チームの名称である「ワラビーズ」というのは小型のカンガルーのことです。国章にも描かれています。
後足だけで立ったり、ぴょんぴょん跳ねて移動したり、テレビの前のオヤジのようにだらりと寝転がったり、動きに妙に愛嬌があるのが特徴ですね。
ローンパインではカンガルーを放し飼いにしているエリアがあります。そこでは餌やりができます。といっても適当になんでもあげていいわけではなく、園内で売っている餌だけです。手の上に乗せて、カンガルーの目の前に差し出すスタイルです。
とはいえあまり遅い時間になるとカンガルーも食べ飽きていたりするので……餌やりは朝いちばんがいいかもしれません。
それから「餌やり」とともに人気があるのが、「カンガルーといっしょにオヤジの昼寝スタイルで写真を撮ること」ですが、そこらじゅうに長径1センチくらいのコロコロのウンチが転がっているので気をつけてください。歩きまわっていて踏んでしまうのはもう仕方がないことなので、それはもう諦めてください。
あと「カンガルーと競走する」もしてみたいアクティビティーだと思いますが、追いかけることは禁止されています。
第2位 エミューにビビる!
追いかけるといえば……逆に追いかけられると怖いのがこれ。エミューというオーストラリア固有の鳥です。
カンガルーと同じエリア内で放し飼いになっています。
体高が1.6~2メートル、体重が40~60キログラム。ダチョウについで背の高い鳥です。
1.6~2メートルですよ、1.6~2メートル! これが放し飼いでそばに来たりすると、結構ビビります。しかもこの顔つき! ただし性格は温厚なので、安心してください。
第1位 コアラ抱っこで幸せになる!
そしていよいよコアラです。
「ローンパイン動物園」の正式名称は「ローンパインコアラサンクチャリー(Lone Pine Koala Sanctuary)」。Sanctuaryというのはそもそも「聖なる場所」「聖域」を指し、そこから転じて「禁漁区」「保護区域」という意味です。で、「ローンパインコアラ保護区」のように訳されることもありますが、ここでは野生のものを保護するのが主目的ではないので、「コアラの楽園」くらいのニュアンスですね。
さて「サンクチュアリ」というだけあって、ここでは130頭ものコアラを飼育しています。もちろん世界最多です。
ただ眺めていてももちろん癒されますが、やはりオーストラリアまで来たら「コアラ抱っこ」をしたいですよね。見るだけなら日本の動物園でもできますから。
とはいえ、ここでひとつご注意を! ローンパインではコアラ抱っこができますが、たとえばシドニーやメルボルンの動物園ではできません。理由は州によって法律が違うからです。だから「コアラ抱っこするぞーっ」と意気込んでシドニーなどに行っても、肩透かしを食います。行き先をちゃんとチェックしてくださいね。
ブリスベンのあるクイーンズランド州は法律でコアラ抱っこOK。ゴールドコーストやケアンズもこのクイーンズランド州に含まれるので、たいていの動物園でできます。
とはいえ注意しなければいけないのが、時間が限られているところが多いということ。というのもコアラはナイーブな動物なので、「勤務時間(「人間に抱っこされる時間)」は1日30分以内に定められているのです。というわけで、動物園の中には「コアラ抱っこは○時から○時まで」と定められているところあります。
でも安心してください。ローンパインはなんたって世界最多の飼育頭数。だから開園直後から閉演30分前の4時30分まで、1日中コアラ抱っこができます。
また飼育係の方に聞いたところによると、ストレス耐性の高い、つまり人間に抱っこされてもストレスをあまり感じないコアラばかりを選んでいるそうです。
実際抱いた感触はというと……なんともあったかいです。それからむんぎゅとつかまれる感覚に母性本能がくすぐられます。……あっ、私は男か。
他にも「羊の毛刈りショー」とか「猛禽類のショー」などもあります。2~3時間の滞在ならコアラ抱っこやカンガルーの餌やりなどだけ、丸1日いられるのならそうしたショーも予定に入れるといいでしょう。
ローンパインへの行き方
最後に市の中心部からローンパインへの行き方をお知らせしておきましょう。
東京の上野動物園とか大阪の天王寺動物園のように市の中心部にあって、駅から歩いて徒歩圏内ということはないですが、バスで一本で行けます。
クイーンストリートモールというブリスベンでいちばんの繁華街(終日歩行者天国です)の地下にある巨大バス発着場、その名も「クイーンストリートバスステーション」。そこから430番のバスに乗ると着きます。
入り口はこんな感じですね。
また乗り場はちょっと違うのですが445番というバスでも乗り換えなしで行けます。
いずれも乗車時間は35分程度。詳しくは下記のJourney plannerというサイトで、「start location」の欄にお泊りのホテル、「end location」の欄に「Lone Pine Koala Sanctuary」と入力してチェックしてみてください。
Journey planner
ローンパインコアラサンクチャリー(Lone Pine Koala Sanctuary)
ご存知のようにオーストラリアは固有の動物たちの宝庫。ぜひ楽しんでいってください。
【文:海外書き人クラブ 柳沢有紀夫】
(「海外在住ライターを使ってみたい」と思われている方。「海外在住ライターになりたいと思われている方。耳寄りな情報があります。ぜひこのページの下のほうまでご覧ください)
スポンサーリンク
スポンサーリンク