みなさん、「ネパール」と聞いて何を思い浮かべますか?
こんにちは。海外書き人クラブ新会員、ネパールのポカラ在住ライターの宮本ちか子です。
こんな風に自己紹介すると、ネパールってインドだよねと聞かれれたり、チベットでしょと言われたりすることもありますが、ネパールは一応、独立国家。「エベレストのある国ですよ」と答えると、なんとなくどのあたりかイメージしてもらえるようです。
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ネパールはインドと中国に挟まれ、ヒマラヤ山脈に沿って東西に細長い国。日本の3分の1程度の小さな国ではありますが、世界中の登山家や山歩き愛好家にとっては憧れの国です。
でも、ネパールの魅力はヒマラヤだけではありません。
2つの世界文化遺産サイトと2つの世界自然遺産サイトを有し、多種多様の民族が共存し、それぞれの文化を維持しつつも万華鏡のような様々な顔を持つのがネパールの魅力。そんな魅力あふれるネパールですが、その中でもネパールに来たら、絶対に見たい7つのスポットをご紹介したいと思います。
1 カトマンズのシンボル、ブッダアイを持つストゥーパ
アジアにはいろいろな仏塔が残されていますが、ネパールの首都カトマンズの仏塔はブッダアイ(ブッダの目)が描かれているのが特徴的です。
「ストゥーパ」と呼ばれるこの仏塔、代表的なのはスワヤンブナートとボウダナート。ユネスコの世界文化遺産に登録されてるカトマンズ盆地内の史跡の中でも特に観光客に人気で、どちらか一つは絶対に見たいスポット。
それぞれに趣が少し違うので、時間のある方はぜひ両方見てほしいと思います。
1-1 丘の上の仏塔、スワヤンブナート
スワヤンブナートは、カトマンズの北西に位置する丘の上の寺院。まだカトマンズ盆地が湖の底だったはるか昔から丘の上に建っていたという伝説が残されています。
裏門まで車で行くことも可能ですが、私としては、正面の長い階段を歩いて登ってみることをおすすめします。
登り切ったところで、無知の暗闇を切り開く知恵の光を象徴するバジュラの巨大な置物がどんと現れ、その向こうにブッダアイが描かれたストゥーパが出迎えてれます。そして、振り返れば、眼下にカトマンズの町並みが広がります。
スワヤンブナートの敷地内には、ヒンズー教寺院もあり、チベット仏教とネワール仏教、ヒンズー教の文化が融合し、その不思議な空気感も魅力です。
1-2 チベット文化が感じられるボダナート
カトマンズの東側に位置するボダナートは、古くからチベット人の巡礼者や交易商人の信仰の地でした。カトマンズ盆地内で最もチベット文化が感じられるエリアであり、ネパール最大のストゥーパがあるので有名です。
60年代から、亡命チベット人が住み着くようになり、ストゥーパの周辺には、土産物屋やレストランに混じり様々な宗派のチベット仏教寺院が点在しています。
ストゥーパの周りはいつも、マニ車を回したり、念仏を唱えながら歩く現地の人々の姿が見られます。ボダナートを訪れたなら、ぜひ彼らに混じってストゥーパの周りを歩いてみたいものです。
2 中世のネワール王国の文化が今も息づく王宮前広場
13世紀から18世紀にかけてカトマンズ盆地ではマッラ3王国が栄えていました。
その3王国があったのが、現在のカトマンズ、パタン、バクタプールで、世界文化遺産として登録されています。
カトマンズ盆地はもともとネワールという民族が住んでいた場所で、マッラ王国の時代には数多くの寺院が建立され、ネワール独特の絵画や芸術が開花しました。
残念なことに2015年の大地震でいくつかの寺院が全壊、あるいは一部崩壊してしまいましたが(現在も一部復旧作業中)、それでもなお、かつての王宮文化の面影は今も色濃く残されています。
カトマンズ、パタン、バクタプールそれぞれ見所が違いますので、時間があれば、全部回って欲しいところ。時間がないという方にも、絶対にどれかひとつは見てほしいスポットです。
2-1 生き神クマリが住むカトマンズダルバールスクエア
かつてのカトマンズ王国の中心だったのが、カトマンズダルバールスクエア。ダルバールとは王宮を意味するネパール語で、ダルバールスクエアは王宮前広場のことです。
広場の一角には、寺院に混じり、生き神クマリの住む館があります。クマリのお世話係の人にお布施を渡せば、クマリが2階の窓から顔を覗かせてくれます。
2-2 パタンダルバールスクエアとパタンミュージアム
パタンは、絵画や彫刻に秀でた職人が昔から多く住む街で、アートと工芸の町としても知られています。
パタンダルバールスクエアの寺院も見事な装飾が施され、それだけでも見応えがありますが、ここまできたらぜひ訪れて欲しいのがパタンミュージアム。王宮の一部を改装してつくられており、仏像や神像、神具や装飾品を中心としたコレクションは質の高さでネパール一を誇ります。
2-3 街全体が世界文化遺産 バクタプール
カトマンズから東に12キロに位置するバクタプール。ネパールの首都として急激に変化してしまったカトマンズ市に比べ、開発の波に乗り遅れた感のあるバクタプールですが、その代わりに古きよきネワール文化が今も街全体に息づいています。
映画「リトル・ブッダ」のロケ地として使われたことも有名です。
時間があれば、ぜひバクタプールに宿泊してみてください。いにしえの古都の雰囲気が存分に味わえることでしょう。
3 ヒンズー教の聖地パシュパティナート寺院
ネパールは多民族国家で、様々な宗教が混在していますが、最も信仰されているのはヒンズー教です。
そのヒンズー教におけるネパール最大の聖地が、カトマンズにあるパシュパティナート寺院。シヴァ神の化身であるパシュパティが祀られています。
ガンジス川の支流であるバグマティ川の川岸に建てられたこの寺院は、インド亜大陸にある4大シヴァ寺院のひとつでもあり、多くの観光客を集めています。
シヴァ神が降臨するとされるシヴァラトリという祭りの日には、ネパールはもちろんインドからも多くの参拝者が集まり、寺院の周りまで大勢の人で溢れかえるほどです。
寺院の中はヒンズー教徒以外は立ち入り禁止なのですが、対岸から沐浴場や火葬場を眺めることができます。
火葬のために立ち上る煙を眺めながら、人生について、命について、思わず考えさせられる場所です。
4 ヒマラヤと湖の町ポカラ
さて、やっと我が町、ポカラの順番が回ってきました。
ポカラはカトマンズから西へ約200キロのところにあるネパール第2の観光都市。売りは、湖と町中のいたるところから見えるヒマラヤです。
ポカラの北側に広がるのはアンナプルナ山域(アンナプルナ1峰は8091m)。天気の良い日は、マチャプチャレ(6993m)を中心に、西はダウラギリから東はマナスルまでツラツラと連なる白峰を一望できます。
トレッキングに行く時間がない、歩くのはちょっと苦手という人には、町中全てがヒマラヤビューポイントのポカラがオススメです。
古いものと新しいものがカオスのように渦巻く喧騒の町カトマンズを逃れて、ただただ、ヒマラヤを見ながらまったりのんびりとポカラで過ごすのもいいものです。
またアンナプルナ山域は、トレッキング初心者にオススメの標高2800m以下のコーも充実しています。初心者の方は、ポカラを拠点に1泊〜3泊程度のトレッキングを楽しんでみてはいかがでしょうか。
5 チトワン国立公園でエレファントサファリ
ヒマラヤと寺院以外にもネパールの魅力はあります。
動物好きな人や子連れのファミリー旅行者にオススメなのが、世界自然遺産に登録されているチトワン国立公園。ネパールの南側、インドとの国境沿いに広がるタライ平原に位置する亜熱帯気候の野生の王国です。
公園内には、絶滅寸前のベンガルタイガーを始め、インドサイ、ヒョウ、クマ、ハヌマンラングーン(白い猿)といった哺乳類や、ヌマワニ、淡水イルカなどの爬虫類が生息しています。
また、公園内の野鳥の種類はなんと500種以上で、世界一を誇ります。
公園内では、ゾウの背中に乗って動物を探索するエレファントサファリを始め、ジープサファリ、カヌーライド、バードウォッチングなどのアクティビティも充実しています。
公園に隣接するソウラハ村には、たくさんのゲストハウスやホテルがあり、アクティビティ込みのパッケージもあるので、ぜひ、利用してみてください。
6 ブッダ生誕の地、ルンビニ
ネパールとインドの国境近くに位置するルンビニは、お釈迦様の生まれた地。インド亜大陸にあるブッダ4大聖地のひとつであり、世界文化遺産に登録されています。
ルンビニ園内の聖園エリアには、マーヤー聖堂はじめ、紀元前3世紀にアショーカ王がブッダ生誕の地を巡礼した記念に建てたといわれる石柱や、ブッダの産湯として使われたというプスカリニ池などブッダゆかりの史跡が集まっています。
聖園エリアの北側は、ネパール寺をはじめ、日本寺、タイ寺、ベトナム寺、中国寺、ドイツ寺など世界各国の寺院が点在する寺院エリア。
ルンビニ園の周辺にはゲストハウやホテルもありますが、巡礼者の宿坊がある寺院に宿泊することも可能。お坊さんに混じって朝晩のお勤めに参加するのも、いい旅の思い出になりそうです。
7 世界の屋根、エベレストを見る遊覧飛行
最後に、忘れてはならないのは、世界最高峰であるエベレスト。
とはいえ、その標高は8848m、気軽に行ける場所ではありません。カトマンズ近郊から見えなくはないのですが、直線距離で100キロ以上も離れているため、その姿は豆粒程度。
もっと近くでエベレストが見られないものか。
そういう方のためにあるのが、マウンテンフライトと呼ばれるエベレスト遊覧飛行です。
小型飛行機でヒマラヤに沿って東へ飛び、エベレストの前でUターンして戻ってくるというもので、飛行時間は約1時間程度。出発はカトマンズ空港からで、数社の航空会社によって毎朝数便が運行されています。
エベレストをはじめとするローツェ、マカルーなど8000m級の山々が連なる山岳地帯はサガルマータ国立公園で、世界自然遺産として登録されています。
高度6000mから眺める神々しいヒマラヤの勇姿は、一生心に残る絶景であること間違いなしです。
【まとめ】
ネパールは初めてという方のために、ベーシックだけど、絶対見ておきたい観光スポットをご紹介させていただきました。この記事を読んで、ネパールに興味を持ってもらえたり、ネパールに足を運んでいただければ、最高に嬉しく思います。
【文 : 宮本ちか子】
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