こんにちは。生きていることだけが取り柄、海外書き人クラブ所属のアウトドアドアライターのユッキーです。今日の「オーストラリアアウトドア部」ではコースの紹介ではなく、この国での登山が日本と違う点を挙げてみたいと思います。
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1 山小屋・避難小屋がない
日本だとちょっとした山には、山小屋がありますよ。そして雷雨などのときに逃れられる避難小屋も。ところがオーストラリアには(少なくとも私が住むブリスベン周辺には)、まったく見当たりません。
世界遺産「オーストラリアのゴンドワナ多雨林群」の一部「オライリーズ国立公園」の中には、「オライリーズレインフォレストリトリート」(O’reilly’s Rainforest Retreat)と「ビンナブラロッジ」(Binna Burra Lodge)という宿泊施設があって、両者をつなぐ22キロの登山ルートもあるのですが、いずれも「山小屋」というよりは「高原リゾート」。
じゃあ、宿泊しないといけないルートはどうやっていくのかというと、キャンプ場でテント泊の一択です。まだ私は経験していないのですが、そうしたキャンプ場は水道がなく、「飲み水持参」のところがほとんどのようです。というか……。
2 登山口を過ぎると水場がない
登山道の途中で「水場」を見たことは一度もないです。きれいな川が流れていても、州政府のパンフレットなどでは「飲用に適さず」となっているところばかりです。登山ルートや頂上に水道があるのは、私が経験した限り、「マウントクーサ」と「マウントグラバット」のみ。いずれもプリスベンの街中、住宅街に囲まれた山です。
登山口には水道が設置されている場所もあります。ただ「蛇口がある!」と思ったら「雨水タンク」で溜めた水で「飲用不可」だったりすることも。同様に売店や自販機などもありません。スポーツドリンクが必要な人は、事前にスーパーまたはガソリンスタンド併設のコンビニなどで。
3 登山口を過ぎるとトイレがない
山小屋がないことからおわかりいただけると思いますが、登山ルートにはトイレもないです。
というか登山口にもないことが多いので要注意です。
4 階段や鎖場はほとんど設置されていない
「それだけルトがラクなのか」と思われるかもしれませんが、「登山者数が少ないから」という理由だと思います。「マウントマルーン」とか「フリンダース・ピーク」とか「ホワイトロック」とか、「ここ、どうやって登るんだろう」と頭を悩ますことも。岩登りのスキルが必要ですし、足場が確保できない女性などは引き返したりすることもあります。
「ギラウィーン国立公園」の「ザ・ピラミッド」なんかは、山そのものがすべりやすい一枚岩で、何度登っても「日本だと立ち入り禁止だろうなあ」と思ったりします。「マウントミッチェル」の頂上の「登山道以外は断崖絶壁」という状況でも、柵なしですし。
5 道に迷いやすい
オレンジの三角点が岩に打ちつけられていたり、紐が枝に結ばれていたりすることがほとんとですが、これがなかなか見つけにくいことも。山好きの集まる掲示板などで「降り口がわからなかった」といったコメントもしょっちゅうです。
6 コースタイムが書かれたような地図がない
「ヤマケイオンライン」内の「ヤマタイム」みたいなの便利なものはないです。日本で登山すると「ヤマタイム」は本当に神に見えます。
7 紫外線が強い
ブリスベン周辺にはオゾンホールがあるとかで、紫外線がかなり強いです。日焼け止めをお忘れなく。
8 公共交通機関から登れる山がほとんどない
ブリスベン市内の低山のマウントクーサとマウントグラバットはバスで登山口のすぐそばまで行きます。そしてサンシャインコーストにも駅からすぐ登山口の山が一部あり。でもゴールドコースト内陸部の世界遺産「オーストラリアのゴンドワナ多雨林群」内にある登山口はどれも自家用車やレンタカーなど、車でアプローチする必要があります。
9 夏場は特に藪漕ぎのスキルも
登山者が少ない分、整備が行き届かないのは仕方がないかもしれません。いずれにせよ、低山が多くて暑いので、夏はオススメのシーズンでないです。
10 軽装の登山者が多い
夏なのに、標準タイム4時間半のコースを水も持たずに登る若者などがいて……もちろん真似する必要はありません。
以上、日本とオーストラリアの登山、10の違いでした。こうしてみるとないものばかりですが、まあ、登山者数が少ないので仕方がないですね。その分、手つかずの自然が楽しめるのかも。
【文:海外書き人クラブ ユッキー】
(海外書き人クラブ所属の作家が書いた胸キュン小説の告知が一番下にあります。ぜひご覧ください)
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