オーストラリアで生活したいと思っているあなた。いいところですよ~、ここは。17年も居座りつづけている私が言うのだから、間違いありません。
ただし世の中、表と裏があります。光もあれば、影もあります。そこで今回は、オーストラリア生活でマジで大問題な4つの事柄を紹介したいと思います。
こんにちは。海外書き人クラブ所属、オーストラリア在住ライターの柳沢有紀夫です。今回は「なんとなく?マークに似ている」という安直な理由で、ペリカンくんに登場してもらいました。
じつはこのブログで【3分でわかるオーストラリア生活の10の注意点(家屋編)】と【3分でわかるオーストラリア生活の10の注意点(外出編)】を書いたあと、「次はいよいよオーストラリア生活の素晴らしい点」を書こうと思っていたんです。だけど、「いや、待てよ。注意点は書いたけど、もっと大きな問題点はまだあるじゃないか。まずそれを書くべきなんじゃないのか。小者はやっつけたにしても、ラスボスを倒す前に勝利宣言するのはどうかと思うぞ」。私の中のリトルエンジェルのそんな言葉に耳を傾けて、オーストラリアで生活する上での大問題をとりあげることにしました。
結構小ネタが多かった「注意点」とは違い、今回はもっと大局的な話をします!
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1 不動産が無茶苦茶高い
バブル期を知っている方にしてみたら、「そんなのウソだろ」と思われるかもしれません。当時は「東京の不動産をすべて売ればニューヨークが買える」とかなんて言われていましたよね。あと、「日本の不動産を全部売ればアメリカ全土が買える」とも。
でも今、オーストラリアの不動産価格は異常です。2016年の第1四半期(つまり1月~3月)のデータによると、シドニーの一軒家の「平均価格」は99万5894ドル(約8400万円)。メルボルンは72万6962ドル(約6100万円)。私が住むブリスベンは51万2809ドル(約4400万円)。
シドニーは約8400万円ですよ、約8400万円。しかも平均ですよ、平均。こんな値段誰が払えるのかと思いそうですが……結構払えるんですね。
というのは、じつはオーストラリアはこのところリッチな国の仲間入りをしているのです。一人当たりのGDPは為替の関係もあってちょっと順位を下げましたが、世界第10位で約5万1180アメリカドル。第26位で約3万2479アメリカドルの日本の1.6倍です。当然給与水準も高いので、それだけ購買力があるのです。
そのシドニーの約8400万円に比べると、約4400万円のブリスベンは安くていいですね~。そんな声が聞こえてきそうですが、私の家のまわりにある中古住宅は90万ドル(約7600万円)を下回る価格で売れることなんて滅多にありません。まあ、夫婦でオーストラリアの会社に勤めれば買えない額ではないのですが。
間違っても日本円で収入を得て、オーストラリアで暮らそうなんて思ったらいけません、私みたいに。
いや、私が家を買ったのはちょうど2000年で、そのころはまだ日本とオーストラリア立場は逆だったのです。当時はオーストラリア人たちから「いいなあ、日本で稼げて」と羨ましがられたものでしたが、今では憐れまれています。
こんな状態なので、当然家賃も高いです。移住やロングステイを希望される方は、そのあたりもきちんと理解しておくことを強くお勧めします。
また駐在員も会社が全額出してくれる場合はいいですが、「月額いくらまで出す。それを超える額は自己負担」みたいな話の場合、日本で地方に赴任するのと同じ感覚でいたらひどい目に遭います。まあ、敷地面積400~600平方メートル、延床面積250平方メートルといった感じで、日本の都市部の一般的な住宅と比べて比較にならないほど広いですが。
2 教育費がやたらめったら高い
私立のハイスクール(中学と高校をあわせたもの)の学費はべらぼうに高いです。名門とされるところでは授業料やその他あわせて、年間約2万ドル(約176万円)なんてザラ。毎年これです。ハイスクールの5年間で840万円。子どもが3人いて全員を私立のハイスクールに通わせたら、それだけで2500万円を超えます。小学校から私立なら同じような額が余分にかかります。
だったら公立でいいじゃないかという方もいるかもしれませんが、地域によってかなりレベルに差があり、「ちょっとここは通わさせられないな」と感じるところもあります。
ただそれがすべてではなく、生活レベルの高い地域の公立校は、教育レベルもそれなりに高いと言われています。そしてオーストラリアのハイスクールは日本の一般的な公立中学と同様、校区内に住んでいれば無試験で入れます。だから「私立の学費を払うよりも、いい学校のある校区に引っ越したほうが結局は安上がり」という人もいます。一種の孟母三遷ですね。
3 運動不足になる条件が完璧にそろっている
オーストラリアでは、どこへ行くのでも自家用車という生活になりがちです。というのはシドニーを除くと、郊外と郊外を結ぶ環状線的な鉄道(東京西部でいうと南武線とか横浜線)がなく、すべて市の中心部から郊外へと延びる放射線状の路線ばかりなのです、メルボルンでもブリスベンでも。
もちろん鉄道の代わりにバス路線が郊外と郊外を結んではいるのですが、やはりバスは遅いし、時間通りに来ないこともしばしば。だから自然と自家用車での生活になっていくんですね。
「いや、電車通勤なら歩くだろう」とおっしゃる方がいるかもしれませんが、ここにも魔の手が。
じつは駅に無料駐車場があったり、駅前で路上駐車し放題だったりします。だから多くの人はついつい自家用車で駅まで行って、そこから電車に乗ります。もちろん市の中心部は無理ですが、私が使っている路線ではブリスベンのセントラル駅(中央駅)から4つ目で、もう無料駐車場があります。
じつはこれ、パークアンドライド(park & ride。「駐車して乗車」くらいの意味ですね)と称して、行政でも推奨しているのです。というのはみんなが市の中心部に車で来たら、渋滞がものすごいことになるから。一種の渋滞緩和策なんですね。
朝や夕方ウォーキングとかロードレーサーで走っている人が多いのも、わざわざ運動しないと太るからかもしれません。それより駅まで歩けと思いますが、汗だくで通勤するのは嫌なのかもしれませんね。とにかく日本の都会で生活しているときと比べても、歩く機会がグッと減ります。運動不足にならないように気をつけてください。
4 紫外線があきれるほど強い
特にブリスベンやゴールドコーストあたりに悪名高きオゾンホールがあるとかで、紫外線量は東京あたりの6~7倍と言われています。
紫外線で一番怖いのは、皮膚ガンになりやすくなること。特に18歳までの紫外線摂取量で、その率は大きく変わるそうです。小学校で「ノーハット、ノープレイ(No hat, no play。帽子をかぶらなければ外で遊んでたダメ)」というルールがあるのも、男の子でも泳ぐときには海水パンツだけでなく、同様の素材のTシャツを着ることが多いのも、そうした理由からです。
18歳までの紫外線摂取量が問題だとしたら、大人になれば浴び放題かというともちろんそんなことはありません。シミやソバカスの問題が……。
それと外に洗濯物を干すと、色落ちしたり、黄ばんだり、傷んで穴が開きやすくなったり……。というわけで特に春から夏にかけては、室内干しにすることを強くオススメします!
あっ、「大局的な話をする」と大風呂敷を広げたのに、最後はせこい話になってしまうのは……やっぱり私の性格かなあ。
【まとめ】
オーストラリア生活の大問題は……。
- 不動産が高い
- 教育費が高い
- 歩かなくなるので、運動不足になりやすい
- 紫外線が強いので対策をしっかり
もぜひご覧ください。
【文:海外書き人クラブ 柳沢有紀夫】
(「海外在住ライターを使ってみたい」と思われている方。「海外在住ライターになりたいと思われている方。耳寄りな情報があります。ぜひこのページの下のほうまでご覧ください)
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