海に囲まれているわりにはオーストラリア生活で苦労するのが魚の入手。でも強い味方があるんです。それはバラエティー豊富な「ツナ缶」。その魅力をオーストラリアのアデレード在住、海外書き人クラブ会員の小林歩がお伝えします。
オーストラリアではたとえ海沿いの街でも、スーパーでは日本のように多様な種類の魚は売られていません。スーパーによっては魚コーナーすらないところもあります。そしてサーモン4切れ14ドル(約1300円)などと日本では考えられないほどの高値で、なかなか手が出しにくいです。
そんな中重宝するのが「ツナ缶」です。1缶約90セントから2ドルと日本と同じくらいの価格で購入できるうえ、日本で定番のオイル漬けや水煮だけでなく、味や具材のバリエーションがびっくりするくらい豊富なんです!
自炊が苦手な方や忙しくて時間がない方なら、「毎日ツナ缶がメインでいいかも⁉」と思えるほど(?)クオリティの高い、オーストラリアのツナ缶をご紹介します!
燻製味
高級ベーコンの香りのような、いぶされたフレーバーがついています。これを料理に使用すると味に深みが出ます。サンドイッチの具にするとコクが出ておいしいです。
タイグリーンカレー味
日本でも数年前に「いなばのグリーンカレーツナ缶」が流行りましたね。こちらのタイグリーンカレー味ツナ缶も、結構本格的なグリーンカレーの風味、ココナッツのマイルドさがあって、タイ人じきじきにグリーンカレーの作り方を教わったことのある筆者も納得のおいしさです。タイカレーによく入っているコブミカンの葉らしきハーブまで入っています。
ナスなどの野菜と炒めてもおいしいですよ!もちろんご飯と合わせて食べてもおいしいです。
メキシカンスタイル味
最初に食べた味付きツナ缶がこれだったんですが、缶を開けてびっくり! 野菜やハーブそのものがごろごろ入っています。「オーストラリアのツナ缶って、こんなに具材入ってんの? 完全にこれで一品やん!」と驚きました。
メキシカンスタイル味はブランドによって多少中身が違うものの、トマトの角切り、玉ねぎ、コーン、赤パプリカ、キドニービーンズなどの具材がたっぷり入っており、トマトとハラペーニョのメキシコ風の味がついています。
そのまま食べても十分おかずになりますし、クリームチーズやトルティーヤとあわせれば、もうメキシコ料理店の前菜レベルです。
ティッカマサラ味
聞きなれない言葉に見えますが、日本でいうカレー味です。オーストラリアの飲食店のメニューでも「マサラ」という言葉をよく目にします。
2大スーパーマーケットチェーンWoolworth(ウールワース)ブランドのツナ缶は「ティッカマサラ」という商品名になっていますが、ブランドによっては「マイルドカレー」「インドカレー」などという名前で売られています。
ご飯と食べてもおいしいんですが、ツナの魚臭さがちょっと目立つ商品もあるので、野菜と炒めて食べるのもおすすめです。
トマト&バジル味
トマトとバジルを刻んだものが入っており、オリーブオイルの効いたイタリアンな味になっています。そのままでもおいしいですが、パンやクラッカーと合わせてワインのおつまみにしたり、パスタと和えてもよさそうです。
ラクサ味
筆者(と主人)のイチオシです! ツナ缶は様々なメーカーから販売されていますが、このラクサ味はWoolworthのプライベートブランドのみでしか販売されていないです。
東南アジアの麺料理「ラクサ」をイメージした味なんですが、日本人からすると「そもそもラクサって何?」という感じの方もきっと多いですよね。そんなおもしろフレーバーのツナ缶を見つけるのも楽しいです。
肝心のラクサツナ缶のお味ですが、ラクサらしくココナッツミルクやサンバル(インドネシア料理やマレーシア料理で使われるチリソースの一種)の風味がして、めちゃくちゃおいいしいです。
ツナ缶単体で食べてもおいしいですが、このツナ缶は具材が入っていないので、野菜と炒めて食べるのもおすすめです。シンガポールのラクサのようなエビの匂いがしないのも食べやすいです(個人的にエビ臭いのが苦手です)。
レモン&ペッパー味
シンプルながらもレモンの酸味とブラックペッパーのピリッとした辛みが効いた、留学生やワーホリ勢にもファンの多い味です。サラダチキン的な感覚でそのまま食べたり、サラダの上に乗せたり、マヨネーズと和えてサンドイッチの具にしてもよさそうです!
他にもチリ味、スイートチリ味、トマト&オニオン味、マヨネーズ&コーン味、イタリアンスタイル味、サンドイッチ用、ピリ辛ビネガー味、マスタード味、テリヤキ味、マンゴーチリ味などなど、とにかく色々な味があります! もう1ヵ月間、様々なツナ缶を食べて生きていけるのではないかというほどです(それはおおげさ)!
オーストラリアに旅行で来る方も、住む方も、貴重なお魚のタンパク源であるツナ缶を楽しんでみてはいかがでしょうか?
(文・写真(料理を除く) 小林歩)