バリ島に行ったら、絶対に本場の絶品ナシチャンプルを食べた~い! そんなあなたにバリ島在住23年の筆者が、とっておきの3店をご紹介します。
はじめまして。インドネシア・バリ島在住の田尾蓮果(田尾たんぼ改め)です。海外書き人クラブに所属しています。
今回は、バリ島で食べられる本当に安くておいしいナシチャンプルのお店をご紹介しましょう。
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ナシチャンプルというのは、ごはんと数種類のおかずが一皿に盛られたワンディッシュプレートのこと。バリの人たちが日常的に食べているもので、島内にも数え切れないほどたくさんの専門店があります。レストランでもメニューに入れているところが多いので、手軽にいただくことができるでしょう。メニューを見てどれにしようか迷ったら、いろいろなおかずが一度に楽しめるナシチャンプルがオススメです。
ただ、ナシチャンプルを出す店が多いということは、裏を返せば玉石混合ということ。せっかく注文したのにおいしくなかったらガッカリですよね。そこで、オススメ店をご紹介しますので、この記事を参考にしてお気に入りの一皿を探してみてください。
今回紹介するのはすべて「ワルン」。町や村のあちこちにある「庶民的な食堂」とか「小さな万屋」のことを指します。気取ったところは全然ないですが、味は絶品! しかもこういうところでそよ風や扇風機の風に当たりながら頬張るのが、まさに「本場でのナシャンプル経験」だと思うのです!
1 豚肉系ナシチャンプルなら「ワルンバリ」
世界一を誇るイスラム教国インドネシアの中で、バリ島だけは住民のほとんどがバリヒンドゥー教を信仰しています。ご存知のとおり、イスラム教徒は豚肉を食べません。ですが、バリヒンドゥー教徒にとっては大好物。ガルンガン(お盆)の時には豚の丸焼きを作るのが習わしになっていて、ハレの日のご馳走としてふるまわれているほどです。日本で言ったら、さしずめ「鯛の尾頭付き」といったところでしょうか。
さて、そんな豚肉好きのバリニーズ(バリっ子)がこよなく愛する「豚肉系ナシチャンプル」が最高においしいのがクロボカン地区にある「ワルンバリ」です。私は個人的にバリでいちばんおいしいナシチャンプル屋だと思っています。いえ、私だけでなく、私の周りの在住日本人の多くが同じことを言っています。
お米の味にうるさい日本人にとって、パサパサしたおいしくないごはんは最悪ですが、地元のワルンのほとんどがしっとり感の少ない現地米を使い、炊き方も下手くそなので、悲しい思いをすることもしばしば。ところがここワルンバリは、ごはんの味もなかなかなうえ、豚肉をメインに鶏肉や野菜などが上手に味付けされていて、シアワセな気分に浸れます。
ただし全体的に少々辛めなので、辛いものが絶対ダメという人には難しいかもしれません。辛いものが好きな人にはたまらない一皿なのですが、もっと辛くしたい場合は、「サンバルマタ」という生サンバル(唐辛子やレモングラス、シャロットなどを炒めずに作ったチリソース)をもらってごはんと一緒にいただきましょう。これがまた絶品なのです。
この店のいちばん良いところは、家族経営のため、料理人の入れ替わりがなく、何年も同じ味を保っているところですね。バリの飲食店は一回食べておいしくても、しばらくすると味がガタ落ちするところもけっこうあるので、こういう店は貴重なのです。お昼時には毎日のように大勢のお客さんが詰めかけるのも、うなずけます。
場所はラヤ・クロボカン通り(クロボカンのメインストリート)の交番がある交差点をスミニャック方面から来たら右に曲がってすぐ。右手にある市場の斜め前(つまり左手)になります。クタやヌサドゥアに宿泊する場合はちょっと遠いかもしれませんが、ショッピングの中心地スミニャックから近いので、買い物がてらに立ち寄ってみてください。タクシーに乗ってでも行くべきワルンです。地元の人たちに混じってのおいしいナシチャンプル体験は、きっと忘れられない思い出になるでしょう。
Warung Bali(ワルンバリ)
- 住所:Jl.Tangkuban Perahu, Kerobokan, Bali, Indonesia
- 営業時間:11:00〜16:00くらい(この『くらい』というのがまたバリらしいですね)。日曜・宗教行事のある日は休み。
- メニュー&料金:ナシチャンプルのほか、数種類のインドネシア料理があります。私がいつも頼む「ナシチャンプル スペシャル(つまり大盛り)」はRp.20,000(約170円)です。
2 鶏肉系ナシチャンプルなら「ナシアヤム クデワタン イブ マンクー」
バリの人たちは豚肉の次に鶏肉が好きです。それに鶏肉ならイスラム教の人たちも食べられるため、鶏肉と卵、野菜だけを使ったナシチャンプルも人気になっています。それが「ナシアヤム」。ナシは「ごはん」で、アヤムは「にわとり、鶏肉」を意味するインドネシア語です。ちなみに、チャンプルは「混ぜる」とか「いろいろなものがひとつになっている」とかいうような意味ですが、ナシチャンプルは「まぜごはん」ではありません。ビビンパのようにグチャグチャに混ぜて食べるのも間違いで、お行儀が悪いと思われるのでやめましょう。
さて、そのナシアヤムですが、専門店があちこちにあります。と言っても、普通のナシチャンプル屋ほどの数はありませんが……。そのなかから私がオススメしたいのは、ウブド、デンパサール、スミニャックと3店舗を構える「ナシアヤム クデワタン イブ マンクー」です。クデワタンはウブド本店のある地名で、イブ マンクーは「マンクー母さん」とか「マンクーおばさん」とかいう意味になります。
おかずは、鶏肉を細かく裂いてピリ辛に味付けしたもの、つくね、ゆで卵、野菜、揚げたピーナッツなど。こちらも辛めの味付けですが、サンバルをつけなければそんなには辛くないと思います。どれをとっても、しっかりと染みたバリ風スパイスが南国を感じさせてくれるはず。一度食べたらもう一度食べたくなる人続出のおいしさなんですよ。
Nasi Ayam Kedewatan Ibu Mangku(ナシアヤム クデワタン イブ マンクー)
ウブド本店
- 住所:Jl.Kedewatan Raya No.18, Ubud, Bali, Indonesia
- 営業時間:10:00〜16:00 宗教行事のある日は休み。
- メニュー&料金:メニューはナシアヤムのみ。大盛りの「ナシアヤム コンプリット」はRp.35,000(約300円/普通盛りは量がとても少ないので大盛りがオススメ)。
デンパサール店
- 住所:Jl.Tukad Badung No.11, Denpasar, Bali, Indonesia
- 営業時間:8:00〜21:00 宗教行事のある日は休み。
- メニュー&料金:ウブド本店と同じ。
スミニャック店
- 住所:Jl.Kayu Jati No.12, Seminyak, Bali, Indonesia
- 営業時間:9:00〜23:00 宗教行事のある日は休み。
- メニュー&料金:ウブド本店と同じ。
3 初心者でも食べやすい、リピーターの多い「ワルンワルン」
上記の2軒が地元のバリ人が客層の中心なのに対して、ジンバラン地区にある「ワルンワルン」は外国人や華僑客の多い店。店内もかわいらしい感じのペインティングがされていたり、インテリアがおしゃれだったりします。ちょっとだけハイクラスなワルンと言えるかもしれません。
このワルンワルン、旅行者でも入りやすい店構えで、居心地の良さもなかなかのもの。ワルンとレストランの中間といったところでしょうか。私もジンバラン方面に行った時は、結構な頻度で立ち寄ります。今回紹介した3軒のうち唯一、エアコンルームもあるため、暑い日中でも気持ち良く過ごせるんですよ。入り口のところにはテラス席、奥には中庭席もあって、エアコンが苦手な人や涼しい日にはこちらもオススメですね。
味の方も、もちろんイケます。ナシチャンプルのほかにも数種類のインドネシア料理がありますが、オススメはやっぱりナシチャンプル。ここはジャワ系の店なので豚肉はなく、代わりに牛肉と鶏肉の料理があります。野菜もいろいろ揃っています。辛さはほとんどなくマイルドなので、初心者にも食べやすい味と言えるでしょう。かと言って、味気がないわけではなく、スパイスも適度に効いています。
この店のいちばん良いところは、白ごはん(ナシプティ)だけでなく、白米をターメリックで炊いた黄色いごはん(ナシクニン)と赤米のごはん(ナシメラ)の3種類があり、好きなものを選べるということ。オススメはナシクニンで、私はいつもこれをいただいています。独特の旨味が魅力なのですが、ターメリックはボケ防止にもなるうえ、マイルドなのでどなたにも食べやすいと思いますよ。
店内に入るとショーケースがあって、ここにおかずがズラリと並んでいます。注文はとても簡単です。お店の人に「ナシチャンプル」と言ったら、まずごはんの種類を選び、後は食べたいおかずを指差していくだけで、おいしいナシチャンプルにありつけるでしょう。辛いものが好きな人はサンバルもお忘れなく。
席も好きなところに座ってください。レジ横にあるクルプッ(軽い感じのおせんべい)は無料サービスなので、横に置いてある小皿に盛っていき、ナシチャンプルと一緒にいただきましょう。スラマット マカン!(召し上がれ)
Warung Warung(ワルンワルン)
- 住所:Jl.Uluwatu2 No.33X, Jimbaran, Bali, Indonesia
- 営業時間:10:00〜22:00 宗教行事のある日は休み。
- メニュー&料金:ナシチャンプルのほか、数種類のインドネシア料理があります。料金は頼んだおかずにもよりますが、だいたいRp.40,000〜Rp.50,000(約340円〜430円)くらいです。
【文:海外書き人クラブ 田尾蓮果】
(「海外在住ライターを使ってみたい」と思われている方。「海外在住ライターになりたいと思われている方。耳寄りな情報があります。ぜひこのページの下のほうまでご覧ください)
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