世界各地のクリスマスツリーや飾りつけはどんな感じなのでしょう? 本場では? 亜熱帯や南半球では? 海外書き人クラブのメンバーに世界各地のツリーや飾りつけを集めてもらいました。
こんにちは。海外書き人クラブお世話係の柳沢有紀夫です。
まずはクリスマスの本場・欧米から見てみましょう! まずはツリーやリースの話題です。
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アメリカ・シアトルでは「生ツリー」
針葉樹林の森が広がるシアトル近郊には、クリスマスツリー用のもみの木を植樹するファームが点在しています。 ツリーの買い出しをクリスマスの恒例行事にしているという家庭は多く、家族総出でファームを散策しながら、これぞという好みのツリーを探し出し、自分たちでのこぎりを使って切り倒し、でこぼこの山道をドライブして運び出すという一連の作業は、ちょっとした楽しいアクティビティー。ツリーはリビングルームの特等席、暖炉近くに設置して、オーナメントや電飾の飾り付けを担当するのは主に子どもたちです。そしてクリスマスイブまでに、ツリーの下には中身のあるなし問わず(?)、できる限りたくさんのプレゼントの箱や袋を準備します。
こうしたツリーはファーム直売なだけに、街で買うよりかなり割安。フレッシュな森の香りがリビングルームいっぱいに広がり、贅沢な気分を味わえます。(Noriko)
生の木を自分たちで切り倒して、運び出す! う~ん。「ワイルドだろ~」という感じですね。スギちゃんでなく、モミの木ですが。……すみません、すみません。「うまいこと言った」みたいなコメントをして。
スウェーデンでも「生ツリー」「生リース」
スウェーデンでは今でも生(天然)のモミの木のクリスマスツリーが主流。リースももちろん天然植物性。寒い気候にもめげず野外で行われるクリスマスマーケットでの様子。
アメリカ式から比べるとずっとおとなしくピカピカ点滅するライトは敬遠されます。第一アドベントから各家庭は窓にアドベントスターを飾ります。(中妻美奈子)
イギリスではキリスト誕生の人形「クリブ」
クリスマスの飾りつけは屋内だとクリスマスツリー、キリスト誕生の様子を表す人形「クリブ」(馬小屋)から始まり、天井から窓までクリスマシーなデコレーションで溢れています。家もお店も屋外はもちろんライトアップ。夜の街を歩いていると目に美しく、気持ちも華やかになります。やる過ぎにも思えるクリスマスデコレーションもしばしばお目にかかりますが、思うにこの時期のイギリスは夕方4時半には暗くなってくるので、いきすぎにも見えるクリスマシーなデコレーションで暗さを吹き飛ばそうとする人間の知恵なのかもしれません。(ボッティング大田朋子)
カンボジア・シェムリアップではサンタとツーショット撮影が人気
仏教徒が国民の約95%を占めるカンボジアでも、観光客の増加に伴い、ここ数年で急速に「クリスマス」をイベントとして楽しむ流れができています。
そのイベントとして最たるものは、街中に林立するホテルのクリスマスデコレーションと「記念撮影」をすることです。12月も中旬頃から、各ホテルが入り口付近を趣向を凝らした電飾とサンタクロースの人形などで飾り付け始めます。それらをはしご撮影したり、最もすてきだと思うホテルの前で撮影を楽しむのです。カップルはもちろんの事、おばあちゃんも一張羅を着て孫と一緒に、また家族揃っての集合写真を撮ったりと、カンボジアのクリスマスは恋人同士の、というよりも家族で楽しむほっこりしたイベントにもなっています。
その飾りの中のサンタクロースですが、素敵なオジサマというよりは、強面のおっちゃんという風貌なのは、これまたカンボジアらしさなのかもしれません。年々と華美になる電飾に、「また停電になるね」という諦めの溜息をつくのは、私だけではないハズですが。(青山直子)
確かに街で会ったら、思わず目をそらしたくなるかもしれません、この風貌。あと、涼しげでいいですけど、ペンギンはなぜ?
同じくカンボジアの別のメンバーもこんな写真を送ってくれました。
フィリピン・マニラでは「巨大化するクリスマスツリー」
巨大化するクリスマス・ツリー。ほんの5年程前のマニラでは、やはり発展途上国の悲しさでクリスマス・ツリーは慎ましく、大きくてもまず3メートルほどが限界で、メインストリートのランドマークでも電飾でなんとか誤魔化したツリーがあるばかりでしたが、ここ2~3年のクリスマス・ツリーの派手化・巨大化は目覚しく、吹き抜けのアトリウムがあれば天井に届けとばかりに、高層ビルがあれば負けじと背伸びをしたツリーが、マニラのちょっとしたバブル景気を象徴するばかりに聳えるのであります……。(Okada M. A.)
フィリピン・マニラでは派手派手「パロール」
フィリピン名物のクリスマス飾りといえばなんといっても「パロール」をおいて他にはありません。日本でいうとパチンコ台が大当たりした時のような、はたまたトラック野郎の深夜の暴走時のような、目まぐるしい電飾の大騒ぎが延々と続く直径70cmぐらいの円形のデコレーションが街中に夜中の間中、時には昼行灯もいとわずに続くのであります。(Okada M. A.)
これは軒先に飾るものなのか、持ち歩くものなのか、車につけるものなのか。いずれにせよ、派手そうですね。
オーストラリアの「涼しげなクリスマスツリー」
季節が北半球と逆転するオーストラリアでは、真夏のクリスマスです。というわけで、カンボジアやフィリピン同様、鮮やかな青空を背景にしたクリスマスツリーです。ツリーやその他の飾りつけも、北半球だと「寒さの中のあたたかさ」といったイメージですが、こちらはやはり夏。ひたすら「涼しさ」を演出して、白や銀、水色をモチーフにすることが多いです。
夜になるとこんな感じで……。
天使もこんな感じで涼しげです。
オーストラリアの「ライトアップハウス」
また、家々がライトアップすることが昔から人気で、近年ますますエスカレートしている感じです。12月に入ってからつけ始める家も多く、いったい電気代はどうなるんだろうと他人事ながら心配になります。ただみんなを楽しませようという気持ちはうれしいですね。こちらの家では「わが家で屋外シアター」を楽しんでいて、そのあたりもまさに夏ですね。
この記事は海外在住者も多く読んでくれていると思うので、最後は東京の電飾で締めたいと思います。もともとは阪神淡路大震災の鎮魂と追悼、それから街の復興を祈って行われた「神戸ルミナリエ」がはじまりなのではないかと思いますが、今ではすっかり全国のクリスマス風物詩になりましたね。
東京の「イルミネーション」
渋谷の公園通りを上ると代々木公園に至る全長約750mのケヤキ並木が青色のLED約55万球でライトアップ。その名も青の洞窟。この洞窟をくぐり抜けて原宿に向かうと、表参道には黄金の並木が待っています。クリスマスディナーの後のテッパンお散歩コース!(大塚智美)
- 青の洞窟:2016年11月22日(火)~2017年1月9日(月・祝)17:00~23:00 ※点灯時間が変更になる場合あり。
- 表参道イルミネーション:2016年12月1日(木)~ 25日(日) 日没〜22:00
う~ん、やっぱりクリスマスは日本で過ごしたいなあと思う私でした。
【文:海外書き人クラブ 柳沢有紀夫】
(「海外在住ライターを使ってみたい」と思われている方。「海外在住ライターになりたいと思われている方。耳寄りな情報があります。ぜひこのページの下のほうまでご覧ください)
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