美術館に収蔵されている作品だと、日本と比べて見劣りするオーストラリア。だけどパブリックアートは見ごたえがある作品が目白押しです。その代表がブリスベン生まれで、現在も近郊に住んでいるクリストファー・トロッター氏です。今回はブリスベン中心部で彼の作品を見ることができる場所を紹介しましょう。
こんにちは。海外書き人クラブ会員、オーストラリア在住の柳沢有紀夫です。
じつは私、クリストファー・トロッター氏とは古いつきあいで……。なんか「氏」とつけるのも奇妙な感じです。普段は「クリス」って呼んでいますから。
彼と知り合ったのは移住してまだ3ヵ月くらいのころだったと思います。ある日本の雑誌に書くネタを探していたとき、偶然オーストラリアの新聞(確か無料で配られるコミュニティーだったと思います)で彼の作品を見つけて感激。電話帳で名前を探して、「ええっと、もしかしたらアーティストのクリストファー・トロッターですか?」と話したところからつきあいが始まって、そのあととんとん拍子で東京・青山スパイラルホールでの個展までコーディネートすることになって……。
まあ、そんな昔話はいいですね。とにかく作品を見ていきましょう。
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ジョージストリートの「カンガルー」
クリスの作品の特徴は、スクラップ場などに持ち込まれた鉄の部品をそのままの形で用いること。小さいものはネジとかベアリング、少し大きいものだとバイクのタンクとか飛行機のプロペラとか。私が見た中でいちばん巨大な部品は、なんと「小型飛行機の胴体」。クジラの作品に使ったりしています。
彼の作品にはそんな風にして「あっ、これは〇〇〇〇〇〇〇のあの部分かな?」とか想像する楽しみがあるんですね。本人も「お客さんにそうやって楽しんでもらいたい」と言っています。
そんなクリスの作品が間近で見られるのが、ここ。間近で見るというか、触ることもできます。
カンガルーってこんな感じのポーズをよくしますよね。
ここには何個かのカンガルーの作品があります。ポーズはいろいろです。
最初の写真でカンガルーがそばだてていた耳は、「オートバイのハンドルについたブレーキじゃないかな?」と本人は言っていたように思いますが、こちらの耳はなんでしょう?
さて、場所は「ジョージストリート(George Street)とバーネットレーン(Burnett Lane)」のコーナーです。地図でいうとこのあたりです。
場所 Corner George Street & Burnett Lane, Brisbane
クリフボードウォークから見る「ペリカン」
ブリスベン川に浮かぶ台の上で羽を休めるペリカンです。この台はクリスの説明によると、もともと船着き場か何かの支柱で、本体のほうがお役御免になって撤去されたあとも、取り除くのが大変でそのままになっているとのことです。
遠目で見るとこんな感じです。過ぎ行く日々を懐かしんでいる風でもありますね。
場所は「ザクリフスボードウォーク(The Cliffs Boardwalk)」です。地図でいうとこの辺ですね。「海洋博物館(Maritime Museum)」のフェリーターミナルのそばです。
場所 The Cliffs Boardwalk, Kangaroo Point
ロウアーリバーテラスの「魚の化石」
その「ザクリフスボードウォーク(The Cliffs Boardwalk)」をどんどん進んでいくと、いつしか「ロウアーリバーテラス(Lower River Terrace)」と名前が変わっているのですが、あまり気にしないでください。1キロちょっと歩くと上記ような魚の化石のアートが見えてきます。これもクリスの作品です。
ちょうどここは川が蛇行していて、浸食されて崖になっているところです。で、「地層がむき出しになっているところだと、よく化石がみつかるでしょ?」というのが、ここにこの作品を置いた理由だそうです。
高さ2.5メートル、幅5メートルくらいのコンクリートに鉄を打ち付けてあり……。
近寄るとこの迫力です。
地図でいうと、この「リバーライフ(Riverlife)」よりも30メートルくらい南に下ったところです(一般車両進入禁止のためかきちんと表示できず……すみません)。
場所 Lower River Terrace, Kangaroo Point
以上、ブリスベン中心部で見られるクリストファー・トロッター氏(最後くらいきちんと「氏」をつけます)の作品紹介でした。今回の記事が好評なら、そのうち近郊で見られる作品も紹介したいと思います。
【文:海外書き人クラブ 柳沢有紀夫】
(「海外在住ライターを使ってみたい」と思われている方。「海外在住ライターになりたいと思われている方。耳寄りな情報があります。ぜひこのページの下のほうまでご覧ください)
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