普段私たちがなにげなく食べているものでも、食生活が違う外国人にとっては仰天するものがあるはず。というわけで【ニッポン見聞録】の2回目は、海外書き人クラブのメンバーが【外国人がのけぞった日本の食べもの】を集めてみました。
こんにちは。海外書き人クラブお世話係の柳沢有紀夫です。
じつは以前、【世界のゲテモノ料理】の記事で載せたところ大好評!? でも私たちがゲテモノと思うものを一方的に紹介するのはいかがなものか。外国の人たちにとったら、私たちの日本食にもたくさんのゲテモノが含まれているのではないか。それも紹介するのがフェアな態度ではないか。……いや、まあ【世界のゲテモノ料理】の好評に、味をしめたとも言えますが……。
では【外国人がのけぞった日本の食べもの】。予想通り、生食は根強い人気(「不人気」か?)です。
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1 活造り
フランス人の友達が日本に遊びに来た時、居酒屋で「活け造り」が出て来たときに、「信じられない!動いてるーーー!!! かわいそう!見てられない!!! こんなの食べられないーーー!!!」と叫んでました。
→結局食べず。
(バレンタ愛・カナダ在住)
ドイツ人の夫。アジの活け造りを見たときに、まだ動いているのに大変驚いたらしく、動画を撮影していました。「素早くさばいたからまだ筋肉が動いているだけだよ」と説明しても、原理は頭ではわかっていても不思議で不思議でしょうがなかったようです。
(塚田沙羅・イギリス在住)
2と3 ウニとナマコ
海に行ったときにウニがたくさんいるのを見て、「日本人はこれを食べるの?」と訊いてきたので、「食べるよ、高級食だよ」と教えました。すると今度はナマコを指差し、「これも食べるの…?」と訊いてきたので、「あまりメジャーではないけど、食べるよ」と答えると、「Oh…日本人は海のものはなんでも食べるんだね…ここに散らばっている草(ワカメ)も食べるんでしょ…?」と衝撃を受けていました。
ドイツ人特有と言うわけではないかもしれませんが…ドイツ人は特に海の幸にうといので、衝撃も大きかったようです。
(塚田沙羅・イギリス在住)
4 鶏わさ
カナダ人のパートナーと共に日本に行き、和風懐石レストランで「鶏わさ」が出て来たときに「何これ?」から始まり「鶏肉」と言ったら「鶏肉って生で食べられないでしょ? 大丈夫なの? ホントに大丈夫?」とかなり聞いてきた割にはペロッっと食べて「おいしい」と言ってました。……が、その日はずぅーーーーーっと「あの鶏、生で食べたの大丈夫かなー?」と言ってました(笑)
(バレンタ愛・カナダ在住)
5 ふぐ
日本の見本市に出展していたスペイン人たちと、新鮮な魚がおいしい大人の居酒屋に行った時のこと。せっかくだからスペインでは食べない珍しいものを…と思って注文したのが、ふぐの唐揚げです。
ふぐに毒があることはスペインでも知られており、「大丈夫だから!」と言ってもなかなか手が出ないスペインチーム。口にしたのは、5人いたうちの1人だけ。それも、恐る恐る……。ほかのスペイン人にしてもそうですが、日本を案内している時にふぐ料理屋さんの店頭にある水槽でふぐが泳ぐ様子を喜んで動画や写真におさめるのに、「食べてみる?」と聞くとみんな「NO」と答えるんです。次回は何も言わずに食べさせてから、「それ、ふぐだったんだよ」と教えてあげようと目論んでいます。
(田川敬子・スペイン在住)
6 白子
今から約25年以上前、まだ日本で若手の会社員だった私。就業時間後に会社の会議室で行われる英語レッスンに通っていたのですが、3ヵ月のコースを終える日、「打ち上げ」と称して講師の若いアメリカ人女性を囲んで居酒屋で祝杯をあげることになりました。
彼女はふだんからトンカツや唐揚げは食べていると言っていましたが、揚げ物だけで日本食を語ってもらうわけにもいきません。というわけで「国際交流」という名目で、彼女が普段は食べなそうなさまざまな食材にチャレンジしてもらうことにしました。幸いなことにその居酒屋はいわゆる「オヤジ御用達」で、純日本風のメニューが揃っています。
まずは焼き鳥で小手調べ。皮どころからレバーもハツも「おいしい」というので、一気に難易度を高めることにしました。
1品目のいくらの醤油漬けにはこんな反応。「キャビアよりもおいしい」
2品目は生うに。「味は微妙だけど、食べられないことはない」
次になまこ酢。「コリコリしていておいしい。これ、どんな生き物?」幸か不幸か誰もなまこの英語を知らないし、スマホでサクッと画像検索できる時代ではなかったので、彼女が輪切りになる前のあの姿を見ることはありませんでした。
こうサクサクとディープな日本食をクリアされては、日本人の沽券にかかわる。焦った私たちはついにラスボス・最終兵器にご登場願うことにしたのです。それは……白子。そう、タラの精巣です。
「これは……無理」
蒼ざめる彼女を尻目に、嬉々として白子で勝利の祝杯を挙げたのは言うまでもありません。
(柳沢有紀夫・オーストラリア在住)
7 生たまご
ニュージーランド人の夫は、たまごを生でごはんにかけて食べるのにも最初は抵抗があったが、日本の旅館で朝ごはんに出てくるものは食べるようになった。
(りんみゆき・香港在住)
8 ひじき
オーストリア人の元夫が大好きなひじきをウィーンの職場にお弁当として持って行った時のことです。同僚が「クモの足を食べている」とのけぞりました。彼はお茶目な性格だったので
「そうだよ、クモの足、おいしいぞ。食べてみるかい?」
以後、変な人というレッテルを貼られましたが、本人は楽しんでいました。
(パッハー眞理・元インド在住)
9 いなご
オーストラリア人の友人に写真を見せただけで悶絶しました。今流行の「昆虫食」の話なのに……。
(オーストラリア・柳沢有紀夫)
「匂い」が強烈はあれも忘れちゃいけませんね。
10 納豆
ニュージーランド人の夫は納豆の臭いとねばねばが耐えられないらしい。
インドネシア人のお手伝いさんはインドネシアにも納豆に似たテンペという食べ物があるが揚げて食べるもので、ねばねばはしないそう。ねばねばのお茶椀を洗うのは気持ち悪いようです。
(りんみゆき・香港在住)
そして最後は妙な勘違いで締めくくりましょう。
11 わさび
中南米料理には欠かせないアボカドのペースト、「ワカモレ」。そのワカモレとそっくりで、多分グアテマラ人に限らないと思うのですが一目見た時にパクリとやってしまう日本の食べ物があります。それがわさび。黄緑色のトーンが、良く似ているからなのでしょう。
実際に、ワカモレと信じてワサビをたっぷり取るとパクリ! とやったところであまりの辛さに目を白黒させてしまったという話を聞いたことがあります。辛くて辛くて汗と涙が噴き出てきたとか。気の毒ではあるのですが、プッと吹き出さずにはいられない話でもありました。
(草野あずき・グアテマラ在住)
完全な「罰ゲーム」ですね。「激辛ロシアンルーレットコロッケ」的な楽しみ方もできそうです。
以上、【外国人がのけぞった日本の食べもの】でした。
【構成:海外書き人クラブ 柳沢有紀夫】
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