記事を執筆するにしても、ブログに載せるにしても「料理の写真」って重要ですよね。どれだけ文章の描写がうまくても、一枚の「おいしそうな写真」にはかなわなかったりしますから。というわけで、今回はプロカメラマンではなくても、ライターやブロガーが「カンタンにきれいな料理写真を撮る方法」をお伝えします。
こんにちは。海外書き人クラブ会員、オーストラリア在住の柳沢有紀夫です。
最初にお断りしておきますが、私がお伝えするのはあくまでも「カンタンに撮る方法」です。プロ並みに凝って撮りたい方は、そういうサイトなり本なりを探してご覧ください。
ではまず、まずは「ライティング」……というと大げさですが、どこから光を当てるか(どこに料理を置くか)から見てみましょう。
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ライティング1 できるだけ「自然光」で撮る
もうこれは基本中の基本です。光が足りないと暗くなったり、手ぶれしたりします。極力「撮影は昼間」にしてください。
ちなみに夜、店内の照明だけで写真を撮るとこんな感じになってしまいます。ダメな例です。
ライティング2 「窓際」で「逆光」が基本
これは意外と知られていないテクニック。人物撮影のときの基本は「順光」、つまり撮影者側から被写体に光が当たる向きなので、料理のときもつい同じように撮りがちです。でも「順光」で撮ると料理の表面がのっぺりしてしまうのと、撮影者自身の影が入りがちです。
ということで「料理は逆光」、つまり被写体の向こう側から光が当たるように撮ってみましょう。
ライティング3 ただし「垂直の断面」を見せたい場合は「斜光」が効果的
ただしなんでもかんでも「逆光」にすればいいわけではありません。たとえば下記の写真を「逆光」で撮ると、チョコレートケーキの断面が暗くなってしまい、おいしそうではなくなります。こういうときには「斜光」、つまり被写体の横からの光で撮るのが効果的です。
ライティング4 三脚を立てて「露出補正機能」を使う
料理の撮影は基本的にはアップなので、手ぶれしがちです。だから三脚を立てるのが基本です。そして三脚を立てれは「露出補正機能」を使って明るめに撮ることができます。
「露出補正」に関してはここで説明したので、ご覧になってください。
ライティング5 「自然光」で撮れない場合は「フラッシュに半透明のカバー」をする
さきほど「撮影は昼間が基本」と書きましたが、取材スケジュールの関係でどうしても昼間に撮れないこともあるでしょう。そういうときにはフラッシュの出番なのですが、明るくなりすぎて立体感がないというか、全然おいしそうじゃなく撮れてしまいます。
そういうときは「外付けのフラッシュ」の上に「デヒューザー」という半透明のキャップをつけて光を和らげるのですが……この記事は【超カンタンカメラ術】ですから、そういう追加機材を使わないでもなんとなく撮影できる方法を紹介します。
その方法とは……「内蔵のフラッシュに半透明のカバーをする」です。はい、原理は「外付けのフラッシュにデヒューザーをつける」のとまったく同じです。
で、デヒューザー代わりにできるものはいくつかあります。
a)トレーシングペーパー(文房具店でお店の人に聞けば出してきてもらえるはずです)
b)100円ショップにある半透明のビニールの文庫カバー
a)トレーシングペーパー
私はa)とb)を併用しています。
a)トレーシングペーパーとa)トレーシングペーパーはテープで貼り付けて、ずっとその状態で撮影するときに便利(といってもあとできれいにはがせるように「ドラフティングテープ」がオススメ。これも文房具店で売っています)。
一方、b)の「文庫カバー」は折り返しの部分も含めて4枚重ねになっているので、フラッシュの前に1枚だけ置いてみたり、2枚にしてみたり、3枚や4枚にしてみたりと、いろいろ変えて試せるのがポイントです。
a)トレーシングペーパーをつけるとこんな感じになります。
裏はこんな感じですね。「フラッシュあり」と「フラッシュなし」の両方を撮る場合も、切り替えが簡単です。
実際に「フラッシュをトレーシングペーパーでカバー」して撮った写真が下記。ソースの質感がいいですよね。もしもフラッシュだけだとソースのところがてかてかに光ってしまうと思います。
この「フラッシュに半透明のカバーをする」という手法は、室内で人物を撮りたいのだけどちょっと光が足りないときにも使えて便利です。
さて、次は「アングル」についてです。
アングル1 基本は斜め45度から
いちばんおいしそうに見えやすい角度は「斜め45度」です。なぜこれがおいしそうなのかというと、人間が普通に料理を見るときの角度だからです。確かに料理を真上からとか真横から見ることはあまりないですよね。
アングル2 被写体が多い場合は「真俯瞰(真上)」からも効果的
とはいえ「絶対に斜め45度でなければダメ」というわけではありません。たとえば下記のように料理があれこれたくさんある場合は、「真俯瞰(真上)」からも幾何学的でたのしいですよね。なんとなく幾何学模様といった感じで。
また具だくさんのハンバーガーとかサンドウィッチなどは、真横から撮るのも手です(そのときは「逆光」だと暗くなるので、「斜光」または「順光」にするなど工夫してください)。
アングル3 料理はど真ん中に置かなくてもいい(すこしカットされているくらいがいい)
お皿なんか切れても全然いいというか、切れたほうが迫力が出ます。場合によっては料理が切れていたほうが良かったりします。
下記の写真はある青空マーケットで撮った直径1メートルくらいのフライパンに盛られたパエリアですが、こうして横にずらしたほうが迫力が出ます。
アングル4 「小道具」を入れるのも効果的
メインの料理(たとえばトンカツ)の背景に、「ほかほかのごはんやアツアツの味噌汁」が写っていると「臨場感」が出るというか、写真を見た人は「自分が今から食べるところ」という気分になって、おいしそうに感じるものです。
また刺身なら「升酒」、洋食なら「ワイン」が背景に写っていると、これまたおいしく見えるものです。
ただし気をつけなければいけないのは、そうした小道具はあくまでも「背景」にするべきだということ。フォーカスがあっている必要はない……というよりもあっていないほうがいいです。フォーカスはあくまでもメインに写すものだけにあててください。
アングル5 背景はできるだけすっきり。またはぼかす
理想は「テーブルだけ」です。余分なお皿とかナイフとかフォークは入らないように。つまり下記の写真だと左手前のタバスコの瓶だとか、右側の紙ナプキンやフォークが邪魔ですから、移動させてから撮りましょう。
またはグッと寄って撮るかです。
下記のように遠くの風景を入れるのも雰囲気が出ていいですが、重要なのは「ぼかす」ことです。あくまでも「主役は料理」です。
アングル6 接写にチャレンジ
接写にすれば背景は写らないですよね。そして実際の料理より大きく見えて、迫力も出ます。ただしレンズによってはピントがあいにくくなるので注意が必要です。
ちょっと上級編 「シズル感」を出す
アツアツのものは湯気が出ているとおいしそうに感じます。
冷たい飲み物は、グラスに水滴がついていたすると冷え冷えでおいしそうに見えます。プロの撮影だと霧吹きで水滴をつけたりするのですが、我々初心者ではそんな技は使えないので、しばらく待ってグラスが汗をかいてから撮影するのがいいでしょう。
お箸でつまんだり、フォークに乗せるのも手です。
下の写真はシェフが盛り付けている最中に撮ったもの。「繊細さ」が強調されたのではないかと思います。
以上、「カンタンにおいしく見せる料理写真の撮影方法」でした。ライターのみなさん、ブロガーのみなさん。ご参考にしていただければ幸いです。
【文:海外書き人クラブ 柳沢有紀夫】
(「海外在住ライターを使ってみたい」と思われている方。「海外在住ライターになりたいと思われている方。耳寄りな情報があります。ぜひこのページの下のほうまでご覧ください)
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