あなたが「こう読む」と思い込んでいる英語の名前。じつは間違っているかもしれませんよ。それから日本で一般的に使われている英語名のカタカナ表記にも、実際の発音とはかけ離れているものがかなりあります。そんな「読みにくい英語名」の中から10個を挙げてみます。みなさんはいくつ読めますか? また読み方がわからない名前に出くわしたときの解決策もお伝えしましょう。
こんにちは。海外書き人クラブ所属、オーストラリア在住の国際比較文化ジャーナリスト柳沢有紀夫です。
比較的簡単なのからスタートして、徐々に難しくなっていきます。また今回はあくまでも「英語での発音」です。他の言語では別の発音になることはあります。
- 1 Mike
- 2 Michael
- 3 Mary
- 4 Chloe
- 5 Zoe
- 6 Ryan
- 7 Nathan
- 8 Sarah
- 9 Stephen
- 10 Christ
さて、いくつ読めましたか?
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1 Mike
よく「ミケ」と読む人がいますが……いないですね。はい、正解は「マイク」です。でも私が中学二年のときの英語の授業で、”Mike is 50 years old.”を「ミケは50歳です」と、いきなり化け猫レベルの長寿話にして、教室内を爆笑の渦に巻き込んだ男がいました。……はい、私です。
2 Michael
「マイケル」と読んでしまいますが、実際の発音は「マイコー」に近いです。これはMichael Jacksonで有名かもしれませんね。
3 Mary
「マリー」ではなく「メアリー」です。ただカクテルでBloody Maryと書かれていたら、思わず習慣で「ブラディー・マリー」と読んでしまいそう。Bloody Maryとはそもそもイギリスの女王メアリー1世が300名ものプロテスタントを処刑したことから「血まみれのメアリー」という意味でこう呼ばれたことから由来します。ウォッカとトマトジュースのカクテルですが、血の色に似ているということですね。
4 Chloe
英語圏では「クロエ」ではなく「クロイ」または「クローイ」という感じになります。女優のクロエ・グレース・モレッツも、英語らしい発音ではクロイ・グレース・モレッツになります。
5 Zoe
これも「ゾエ」ではなく「ゾーイ」ですね。ただイタリア語ではゾエだとか。
ちなみによく似たつづりの Joeは「ジョエ」でも「ジョーイ」でもなく、「ジョー」です。ちなみにjoeyと書くと「ジョーイ」という発音になって、カンガルーやコアラなどの「有袋類の子ども」という意味になります。最初にカンガルーの赤ちゃんの写真が使われていた謎が今、ようやく解き明かされたと思います。
6 Ryan
思わず「リャーン」とか読みたくなりますが、「ライアン」ですね。
7 Nathan
20年くらい前までは某有名ガイドブックでも平気で「ネザン」と書かれていましたが、直っているのかな? 正解は「ネイサン」です。男性の名前で、”Nathan is my brother.”とか楽しい事件が起こりやすいです。訳すと「ネイサンは兄さんです」と。
ちなみに短縮する前のそもそもの名前(「クリス」にとっての「クリストファー」や、「ボブ」にとっての「ロバート」にあるもの)のNathanielは「ナサニエル」になります。
8 Sarah
他の言語圏の出身者だと「サラ」という読み方もあるようですが、英語では「セイラ」です。
9 Stephen
「ステフェン」とかではなく、「スティーブン」です。Stevenというつづり方もあります。ホラー作家のスティーブン・キングはStephen King、ロックバンド「エアロスミス」のスティーブン・タイラーはSteven Tylerです。
10 Christ
すみません。これは名前ではないですが……読み方は「クライスト」です。「キリスト」のことですね。Chrisと書くと「クリス」なのに、Christは「クライスト」でちょっとトリッキーです。
余談ですが、スペイン語圏の人には”Jesus”と書いて「ヘスス」と読むファーストネームの人が結構います。ヨーロッパのサッカー好きの人ならご存知のヘスス・ナバスとか。この”Jesus”とは英語だと「ジーザス・クライスト」の「ジーザス」、日本語にすると「イエス・キリスト」の「イエス」です。「そんなものを名前にするなんてなんて恐れ多いんだ」とか、「つまりは『神の子』って名づけたわけだろ? 英語版のキラキラネームか?」と思われるかもしれませんが、もともとは普通のファーストネームなんですね。
ただし英語圏では”Jesus”というファーストネームは聞きません。「神の子や神の名前をみだらに口にするのは恐れ多い」という理由からです。びっくりしたときに”Jesus!”という表現がありますが、婉曲的な”Gee!”とか”Jee!”(発音は「ジー」)にしたり、”Oh, my God!”も避けて”Oh, my goodness!”や”Oh, my gosh!”にするのと同じですね。
ちなみにChristのほうは「選ばれし者」くらいの意味で、苗字ではないです。
さて、あなたはいくつ読めましたか?
- 10問正解 大いに自慢できます
- 9~7問正解 かなり自慢できます
- 6~4問正解 それなりに自慢できます
- 3~1問正解 なんとか自慢できます
- 0問正解 いつか自慢できます
……すみません。さりげなく「いい人アピール」してしまいました。
読み方がわからない名前に出くわしたときの解決策
さて、こんな「ちょっと読み方がわからないな」という名前に遭遇したとき。発音記号を調べればいいのですが、珍しい名前だと辞書でも見つからないこともあります。そういうときは「社内のネイティブに訊く」という人もいるようですが、そうそう捕まえられるものではないですし、そもそも英語がネイティブの社員がいない会社もありますよね。いても偉くて聞きづらいとか。
もっと簡単な解決策があります。それはグーグル検索のページで、その「名前」と「pronunciation」(「発音」の意味)と打ち込けこと。すると、どう発音するかのサイトが見つかります。
ただ最近ではYou Tubeチャンネルが上位に表示されることが多いです。You Tubeチャンネルの場合、どこの国の人が発音しているのか、一発ではわかりづらいのがほとんどです。「アメリカではどう発音するのか?」「イギリスでは?」「オーストラリアでは?」と国を限定して知りたい場合(その国ならではの訛りがあったりしますからね)、下記のサイトがオススメです。特に” Forvo”は使いやすいです。
Pronounce Names http://www.pronouncenames.com/
これらのサイトは英語の名前だけでなく、他の国の名前をどうカタカナ表記すればいいのか迷ったときにも役立ちます。
以上、海外ライターや翻訳家だけでなく、社内資料などを翻訳をする際などにも役立つ豆知識でした。
【文:海外書き人クラブ 柳沢有紀夫】
(「海外在住ライターを使ってみたい」と思われている方。「海外在住ライターになりたいと思われている方。耳寄りな情報があります。ぜひこのページの下のほうまでご覧ください)
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6番目の設問と答えが、全く関連の無いものになってますよ!
…ハッ。ここまでを予測できたら天才…そ、そういう事か
冗談はさておき、記事もクイズも面白かったです。
通りすがり様。どうやら質問と回答の間でRyanに改名したようです。……冗談はさておき、ご指摘ありがとうございます。改訂しておきました。引き続き、「世界のコトなら」をお楽しみいただければ幸いです。今後ともよろしくお願いします。
オーストラリア訛りはtodayをトゥダイと発音すると聞きますが、sarahという名前もセイラではなくサラと発音したりするのでしょうか?
人によってだと思います。「トゥダイ」と発音する人も最近では減っていますし。
私のまわりの話だけですが、sarahを「サイラ」と発音している人は聞いたことがないです。
とはいえイタリア系の人とかで、その国の名前のとおり発音して「サラ」になることはあると思います。
今後とも「世界のコトなら」をよろしくお願いします。
そうなんですね!非常に参考になりました。
ありがとうございます。