南国の楽園フィジー。
とはいえ、のんびりするのが苦手な日本人にとって、南の島での旅行は「めちゃくちゃ暇や…」「何をしたらいいのかわからん」となりがちです。そんな日本人にとってもフィジーを楽しめる3つのスポットを、海外書き人クラブ新会員の永崎裕麻(フィジー在住 14年目)がお伝えします。
まずはフィジーの基本情報から。
フィジーは、南太平洋(オーストラリアの東、ニュージーランドの北)に浮かぶ島国です。約330の島から成り立ち、国土面積は日本の四国くらい。人口は90万人程度で、佐賀県や世田谷区の人口と同程度。
観光客の約7割はオーストラリアとニュージーランドから来ています。彼らにとって、フィジーのリゾートでバカンスをのんびり過ごすのが最高の贅沢です。
1 サンベト泥温泉
フィジーといえば「海」がまず想起されますが、期待を裏切って「山」の中にある泥温泉をまずはご紹介します。天然の泥パックができる「サンベト泥温泉」です。
脱衣所で持参した水着に着替え、スタッフが準備した泥を体全体に塗り込みます。泥が乾くまで15分ほど待ちます。待っている間、地元の人たちが作ったハンディークラフトの土産物をチェックしつつ、販売員たちと談笑。泥が乾いたら、池で泥を洗い流します。
すると肌はスベスベに! 美肌効果だけでなく、皮膚病にも効果があるそうです。スタッフによると、「インスタ映え」という言葉が流行してから、日本人観光客の訪問数がかなり増えているとのこと。みなさんも童心に返って、泥んこになってみるのはいかがでしょうか?
ナンディ国際空港から車で15分ほどの場所にあり、料金は2021年4月現在30フィジードル(約1,500円)です。
2 デナラウ地区
観光立国フィジーの心臓部にあたる場所が「デナラウ地区」です。このエリアにはシェラトン、ヒルトン、ソフィテル、ウェスティンなどの高級ホテルが林立しており、宿泊するもよし、レストランやプールなどの施設を利用するだけでもよし。ここにいるだけで南国の雰囲気が堪能でき、セレブ感も味わえます。
また、デナラウ港からは美しい島々へクルーズが発着しており、フィジーの極上リゾートへのエントランスのような場所でもあります。ナンディ国際空港から車で15分ほどの所にあります。
3 カヴァ・サロン
最後にご紹介するのは、日本でいう「居酒屋」のような場所である「カヴァ・サロン」です。
「カヴァ」といわれる、フィジーの伝統的な飲み物(見た目は泥水、味は漢方薬)をココナッツの殻をコップにして、みんなでまわし飲みしながら、ネットワークを広げ、談笑を楽しむところです。
カヴァはコショウ科の木の根っこを乾燥させ、粉状に砕いたものを布で包み、洗面器に入れた水の中でしぼり出して作ります。カヴァはアルコールではありません。
飲めば飲むほどテンションが上がるお酒と違って、カヴァは飲めば飲むほど落ち着いてきて、リラックスした状態になります。だから、飲み会の終盤はもはや誰も話していません。
夕方頃からカヴァ・サロンに人が集まってきて、知り合いであろうがなかろうが話しかけ合い、つながりが量産されていきます。外国人である私たちも簡単にその輪に入ることができます。
おつまみとカヴァで3時間くらい歓談していても、ひとり300円くらいしかかからないので、非常にリーズナブルに人脈を広げていける「出会いの場」なので、フィジーにお越しの際はぜひご活用ください。飲みすぎると、肌がガサガサになるので飲みすぎ注意ですが(笑)
フィジーの公用語は英語です。しかも、簡単な英単語で聞き取りやすい発音で話してくれるので、英語初心者にとっても会話を楽しみやすい国です。
世界でいちばん幸福度が高いとも言われるフィジー人との交流をぜひ楽しんでみてください。
(文・写真 永崎裕麻)