今までヨーロッパ20カ国を巡り沢山のペットとして飼われている犬や猫を見てきました。今回は僕が住んでいたボルドーと現在住んでいるポーで出会った個性的な猫たちについてゆる〜く書いてみたいと思います。
初めまして。海外書き人クラブ会員でフランス在住の黒川です。
1. 器用なツンデレ猫のくろみちゃん
ボルドーに約3年間住んでいて初めて仲良くなった(と、勝手に思っている)猫友達のくろみちゃん。当時住んでいたアパートの近くの小さな公園にあるベンチにいつもひょこっと座っていました。ある時、アラフォーと思われる男性(自分)がくろみちゃんに触りたい!という欲望を垂れ流しながら近づくと警戒される事も無く隣に座りお触りに成功したのです。
それから度々落ち合って(?)は餌をあげるようになり、いつしか餌をくれる人間として認知してくれるようになりました(多分)。ベンチにいなくても餌の袋をカサカサ鳴らすとどこからかやってきてある程度スリスリして(猫が自分に!)、餌の袋を開けて差し出すと袋に手を入れて器用に餌を取って食べるのです。
そんなくろみちゃん、餌をあげる前は割とデレデレでスリスリしてくるくせに餌を食べて満足すると触らせてもくれません。そそくさと立ち去ろうとして触ろうものなら猫パンチが飛んできます。ツンデレというよりは超絶デレツンです。デレからツンになる衝撃的な速さは自分も驚かされました。
2. ふっくら食いしん坊のぽこみちゃん
続いて登場してもらうのは食い意地を張らせたら右に出る猫はいない(?)ふっくらぽこぽこのぽこみちゃんです。
ぽこみちゃんも当時住んでいたアパートの近所にいた猫でくろみちゃん同様、警戒心がなく初対面の時からぽっこりしたお腹を見せ足元で仰向けになりだらしない姿を披露してくれました。おそらく半分飼い猫で半分野良猫といった感じで散歩の通り道にあるマンションの茂みの中から餌の袋をカサカサ鳴らすとものすごい勢いで突進してきて餌をせがみます。
餌を少しあげて立ち去ろうとすると追いかけてきて餌をせがむので食べている間に走って立ち去らないといけません。ブラックホール並みの胃袋の持ち主でキリがない……。TVチャンピオン、猫の大食い王決定戦があったらいい戦いを見せてくれるでしょう……。
3. レディなのに鼻息荒め猫のすぬみちゃん
こちらも当時住んでいたアパートの近所にいたすぬみちゃん。完全飼い猫のためなかなか会う事はなかったけれど、飼い主と喋る機会がありそこから仲良くなって(飼い主とではなく猫と……)僕を見かけるとニャーニャー鳴きながら走って近寄ってきて餌をあげるとフガフガと荒めの鼻息をしながら餌を食べるのが印象的でした。レディで綺麗な毛並みとは裏腹にフガフガしながら餌を食べる姿は上品なフランスマダムもびっくりでしょう。
4. やんちゃ坊主のこたつ君
現在住んでいるポーのAirbnbで5日間程滞在したオタクで飼われていた生後4ヶ月のやんちゃ坊主、こたつ君にも登場してもらいたいと思います。
なんといってもこたつ君と僕の肌の相性は最悪! まさか自分が猫アレルギー持ちだったとは、、、触ればすぐに手が痒くなり(それでも触らずにはいられない……汗)、寝ている時も口の周りにスリスリしてきて痒さで目が覚めることも。
やんちゃで怖いもの知らずのこたつ君はある日、飼い主と僕が目を離した隙に部屋がある3階から約2〜3m下の向かいの家の屋根に向かってジャンプ! 左足を怪我してしまい(幸いにも大した事はなかった……ホッ)長靴ならぬサポーターをはいた猫になってしまったのでした。猫用のサポーターなるものが世の中にはあるのですね。
後日、飼い主に会ったら怪我もすっかり治って走り回っているという話を聞いて安心しました。怪我をして足を引きずりながらそれでも走り回って遊ぶ根性は自分も見習わなけば……(?)と思ったのでした。
5. 超絶甘えん坊猫のミケ&超絶おっとり猫のぶりちゃん
ポーでアパート探しをしていて約2ヶ月間程、部屋を間借りしたアルジェリア人夫婦の家で飼われていた超絶甘えん坊の黒猫のミケと超絶おっとり猫のぶりちゃんの出番です。
黒猫のミケは超絶甘えん坊だったのですが超絶人見知り(臆病?)でもあり、マブダチ(?)になるまで少し時間が掛かりました。
ぶりちゃんの方は初めましての挨拶をしたとき夢の中にいて全く相手にされませんでした。アンタ私のなんなのさ(?)的な……。それでも上手いこと餌で釣って徐々に部屋に入って来るようになり2週間もすると二匹と一緒に寝る関係に……(エッ!?)。
それ以降はほぼ毎日両足脇に一匹づつ寝て寝返りもろくに打てない日々を送ったのでした。僕が部屋にいる時はほぼ一緒にいて飼い主の嫉妬に怯える日々を過ごしたのでした……。
6. 自由で気ままなライフを送るめろん君
最後に紹介するのは現在住んでいるアパートにいつの間にか遊びに来るようになっためろん君。部屋の前に来ては入れてくれと鳴き、部屋に入ると飯をくれと鳴き、食べ終わると水をくれと鳴く。オイラは一体……。
そして気付いたらベッドの上で寝てる! でも利口なのはトイレに行きたいときはドアの前で鳴いてきちんと外に行って用を足すのです。実は一度パジャマの上でう○ちをされてちょい怒ぷんぷんしたらちゃんと外に行くようになって、なかなかどうして話の分かる猫ではありませんか! ほぼ毎日家に来てはこんな感じで過ごし自由で気ままな生活を送っているのでした。
と、ここまで6匹の猫たちに登場してもらったわけですが今回はこの辺でおしまいです。他にも紹介したい個性的な猫たちがいますが写真がなかったりするのでまた次の機会があれば……。
フランスに来て人と触れ合うより猫と触れ合う時間の方が多いような気もしなくもないのですが人間と同じように動物にはそれぞれ個性があり、特にフランスで出会った猫たちは自由気ままにそして強かに生きていて羨ましくもあったり……。以上、勝手に猫に変な名前をつけ猫と遊んでいるのか猫に遊ばれているのか分からない生活を送っている僕の猫レポートでした。
(文・写真 黒川貴則)