今回紹介する「ギラウィーン国立公園」(Girraween National Park)の「ザ・ピラミッド」(The Pyramid)。世界遺産にもなっている世界最大の一枚岩「ウルル」(Urulu。日本ではまだ「エアーズロック」という呼び方が主流だと思いますが、オーストラリアではアボリジニ名で呼ぶようになっています)に次ぐレベルの巨大な一枚岩です。
こんにちは。海外書き人クラブ所属、オーストラリアアウトドア部のユッキーです。
※最初にお詫びです。じつはこの記事の半分発表当時、「世界最大のウルルに次ぐ二番目に大きな一枚岩」と記していたのですが、その後「ウルルは世界最大ではない」ことが判明しました(世界最大は西オーストラリア州にあるマウント・オーガスタス)。よって、下記の記事内容も修正しました。
ちなみにウルルは2019年10月26日から登頂禁止になります。
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登山のスタート地点は「ボールドロッククリークデイユースエリア」(Bold Rock Creek day use are)または「ボールドロッククリークインフォメーションセンター」になります。地図でいうとここ(↓)です。地図に出てくる名称はちょっと違っていますが、あまり気にしないでください。
「デイユースエリア」というのは、バーベキューコンロなどがあってピクニックができますが、「日帰り利用限定。キャンプ不可」ということです。ちなみにちょっと離れたところには、ちゃんと宿泊できる「ボールドロッククリークキャンピングエリア」もあります。
目的地の「ザ・ピラミッド」までは「デイユースエリア」のほうが近いですが、登山マップが置かれているのは「インフォメーションセンター」なので、まずそちらに立ち寄ってから「デイユースエリア」に移動するのがいいでしょう。
ブリスベンの中心部からだと254キロで約3時間、ゴールドコーストのサーファーズパラダイスのビーチからだと3時間40分くらいかかります。国道15号「ニューイングランドハイウェイ」からその名も「ピラミッズロード」に入って、9キロで着きます。ここまではずっと舗装されています。
さて、ではいよいよ登山スタート。スタート地点から「ザ・ピラミッド」まで、往復で3.6キロ、約1時間半~2時間の道のりです。
最初はじつは単調な平原です。目指すは森の向こうから顔を出す『風の谷のナウシカ』のオームみたいな山です。
しばらくすると山登りっぽくなります。途中でこんな奇岩が見えたりします。ちなみにこいつは「偽バランシングロック」と呼ばれています。確かに絶妙なバランスで立っていますね。「偽」とつく理由は、あとでわかります。
見どころ1 「転ぶとヤバい」ツルツルの一枚岩登山
そしていよいよ現れるのが、こんなツルツルの岩。「なんだ、チョロそうじゃないか」と思われるかもしれませんが、「頂上だと思って着いてみたらまだ先があった」というが山登りの常ですね。ここもそんな感じです。
途中で振り向くと、怖くて歩けなくなるので、あまり後ろを見ないようにして歩きましょう。
ちなみに「雨天や岩が湿っているときは滑るので登らないように」との注意書きがありました。確かに一度足を滑らすと……。ところで登頂中とか、頂上で休憩中に雨が降ってきたらどうするんだろう?
見どころ2 世にも不思議な「バランシングロック」
頂上近くになると、本物の「バランシングロック」が見えてきます。まさに絶妙なバランスで立っていますね。ただこの写真だと大きさがわからないので、たまたまいっしょになったオッチャンに撮ってもらいました。
そのオッチャンはウルル(エアーズロック)にも登ったそうですが、「怖さではこっちのほうが何倍も上」と言っていました。
それから私はグリップ付きの軍手をしていたんですけど、「ウルルに登ったときも日本人の一団がツアーガイドからその手袋を配られていたけど、いいねえ」とものほしそうに、もとい羨望のまなざしで見つめてきました。そういえば、軍手ってオーストラリアでは見ないなあと思ったら、日本独自のものらしいです、ウィキペディア先生によると。
見どころ3 頂上の絶景
頂上は360度の絶景。広さもそこそこあり、以前紹介した「マウント・ミッチェル」のような断崖絶壁ではないので、登頂中のような「転んだらどうしよう」という恐怖感はないです。そして恐怖感がなくなると……。
こういう写真だけでなく……。
こんな写真を撮ってもらいたくなりますよね(photo by 軍手を欲しそうにしていたオッチャン)。そして……。
はい。服が違います。登頂のたびにこんな写真、撮ってます。人間って成長しないんですね。……いや、人間全体がそうかはわかりませんが。
「トリックアート美術館」とかあると、必ず入ってしまうタイプです。
ちなみに反対側には、下記の写真のようにもう一つのピラミッドがあります。デイユースエリアの駐車場まで入ってくる道の名前が「ピラミッズロード」と複数形になっていたのはそういう理由からなんですね。
ただしこっちのピラミッドは立ち入り禁止です。
そして帰り道ですが……当然登りより怖いです。登りのときは極力目を逸らしてきた「奈落の底」を、ずっと見ながら歩くわけですから。
いや、マジで怖いです。
見どころ4 ちょっとスリリングな「グラニットアーチ」
一枚岩を折りきってから、分岐点があるので「グラニットアーチ」(Granite Arch)のほうに進みます。そこ途中で見えてくるのが、この「グラニットアーチ」です。こんな風に下を通るようにコースがつくられています。「通っているとき落ちてきたらどうしよう」。……そんな可能性、ほぼゼロなんですけど、必ずそう考えますよね。
ちなみにgraniteとは「花崗岩」のことですね。「花崗岩の凱旋門」くらいの意味でしょうね。
見どころ5 アンダーグラウンドクリーク
駐車場まで戻ってそのまま元の道経由で帰ってもいいのですが、先に延びる未舗装道路の途中に「アンダーグラウンドクリーク」(Underground Creek)というのがあるので行ってみました。
新たに車を停めた駐車場から往復2.8キロ、1時間から1時間半の道のりです。
私が行った時間には、ひさし状の部分が陰になるのですが、なかなかの景色でした。西オーストラリア州の「ウェーブロック」の小型版みたいなかんじですね。……なんか小型版ばっかりとも言えますが。
同じ駐車場から行ける「ドクターロバーツウォーターホール」(Dr. Roberts Waterhole)はこのように普通の池という感じです。
さて、ここから帰り、未舗装道路を延々と20キロほど行く近道があったので、そっちにしたのですが……途中の急カーブでタイヤを取られ、危うく事故を起こすところでした。四駆以外の車を乗っている場合は、いくら制限速度100キロだからって飛ばしてはいけませんね。そして未舗装道路をゆっくり走るのなら、舗装道路にもどったほうが安全ですし、時間的にも短縮できると思います。
以上、「ギラウィーン国立公園」(Girraween National Park)の「ザ・ピラミッド」(The Pyramid)の紹介でした。
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【文:海外書き人クラブ ユッキー】
(「海外在住ライターを使ってみたい」と思われている方。「海外在住ライターになりたいと思われている方。耳寄りな情報があります。ぜひこのページの下のほうまでご覧ください)
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