【グアテマラ在住ライター直伝】独立記念日の「自由すぎる聖火リレー」の見どころ4つ

グアラマラの中央公園にある国家文化宮殿

こんにちは。海外書き人クラブ会員の常春の国グアテマラ在住兼業ライターの草野あずきです。

今回はグアテマラのちょっと変わった独立記念日の祝い方、「自由すぎる聖火リレー」の話題をお届けします。

ここグアテマラでは毎年9月15日を独立記念日として祝います。1821年、当時の宗主国スペインからの独立を宣言したグアテマラ総督領には現在のメキシコの一部、グアテマラ、ベリーズ、ホンジュラス、エルサルバドル、ニカラグア、コスタリカが含まれ、セントロアメリカ(中央アメリカ)として独立を果たしました。この内グアテマラ、ホンジュラス、エルサルバドル、ニカラグア、コスタリカの5カ国がこの日196回目の独立記念日を迎えています。

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独立記念日には学校単位のマーチングバンドや軍楽バンドが国内あちこちでパレードを行い、これもまた華やかで楽しいのですが、今日は前日14日を中心に行われる聖火リレーをレポートしてみたいと思います。

 

見どころ1 誰でも勝手に聖火リレー

独立の火を掲げて走る聖火リレー、と書くと一つの聖火をリレーして国中通る……と想像しませんか?

ここグアテマラでは、事情がちょっと異なります。まず、参加は自由。学校や職場や友人や親戚家族やご近所さん単位でグループを作り、グループごとに聖火を掲げて思い思いの方向へと走って行くのがグアテマラ流グアテマラシティだけで今年は推計2万の聖火が市内を走り回ったとされています。

 

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photo by xiroro on Flickr

独立の英雄の碑のあるオベリスコ広場がグアテマラシティの点灯ポイント、すなわちスタート地点です。

14日の朝には、ここで教育省による公式行事が行われます。向こうに見えてるオベリスクが独立の英雄の碑。学校単位の聖火リレーは午前中に行われることが多いようです。

 

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photo by xiroro on Flickr

自分たちのトーチに独立の火をつけてもらって、いざ出発!

2万の聖火が車の間を縫って走り回るのだから、当然道路はカオスとなります。特に聖火が増える日没(18時頃)以降は普段でも渋滞の激しいグアテマラシティ、いつもにも増して車が進まないのですね、とほほ。

見どころ2 準備無用。走りたい時に走るだけ
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foto by xiroro on Flickr

トーチを用意してこなかったけれど、オベリスコに来たら走りたくなった!という人も心配無用。

トーチ用のグッズ一式、鉢巻、トランペット、呼子笛、すべてここで入手可能。走り(歩き)たいという意志さえあれば、誰でも参加可能です。

 

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photo by xiroro on Flickr

国旗だって路上で買えるというお手軽さ。自宅に飾るのではなく、こういうイベントの際に手に持って走ったり、車に飾りつけるのがグアテマラ流

 

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photo by xiroro on Flickr

ほら、この通り。前の車はヘッドライトが国旗で隠れているような気がしますが……。独立記念日なんだからいいのか。

後ろのバスはグアテマラ名物チキンバス(都市間を結ぶ路線バス、人間ではなく鶏を運ぶかのような激しい運転だからこう呼ばれるようになったとか諸説ありますが)ですが、この日は聖火リレー参加者を運んできたようです。

 

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photo by xiroro on Flickr
オベリスコ広場に集まった人たち。向こうの方には屋台が並んでおり、一走りする前に軽く腹ごしらえなんかもできますね。広場の真ん中に簡易トイレが並んでいるのが不思議ですが……。

 

見どころ3 走ったり歩いたり時には車だったり。大切なのは楽しむこと

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photo by xiroro on Flickr

若者グループ。事前にグアテマラ市からは「道路の右側を走るように」というお達しがあったのですが、走り出したらそんなことどうでもよくなるようです。そういうアバウトなところがグアテマラっぽさでもあり。

ちなみにそこに止めている車は明らかに違反なのですが、この日だけは交通警察もうるさいことは言いません。写真を撮ってる私のすぐ側に交通警察官がいたんですけれど。

 

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photo by xiroro on Flickr

走るのはしんどいからか、とりあえず車で参加する人たちも。これなら私にもできるかな?

 

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数百人が歩いて行った銀行のグループ。職場のグループはおそろいのユニフォームを着用してるところが多いです。仕事が終わった後での参加ですね。

 

見どころ4 ひたすら走り続けるという愛国心

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photo by xiroro on Flickr

場所は変わって、これはオベリスコ広場から約12km、高低差300m以上を上った地点。はい、グアテマラシティの隣町、我が家の近くです。

かなりきつい上り道なのですが、途中、ガソリンスタンドのコンビニなどで休憩&エネルギー補給をしながら、走って(歩いて?)やって来ます。このグループは隣県まで行くようですが、多分もう少し行ったところでピックアップトラックに乗って帰るのでしょう。ここまででも十分にお疲れさまです。

今年は幸い好天でしたが、雨の多い9月は土砂降りになることも少なくありません。ずぶ濡れになっても喜んで走り回るのがグアテマラ人。パトリオティズムが自然と高揚するようで、日本人の私から見ると羨ましくもある光景です。

文・写真 草野あずき 写真はいずれも<a href=”https://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/2.0/deed.ja”>クリエティブ・コモンズCC BY-NC-ND 2.0ライセンス</a>により掲載)

(草野あずきさんがグアテマラ事情の本を出しました。このページのいちばん下に告知があるので、ぜひご覧になってください)

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『グアテマラ 遠くて遠い国』草野あずき著

グアテマラと言えば誰もが思い浮かべるコーヒーと、マヤの時代から愛飲されていたチョコレートについて触れた「コーヒーとチョコレートの国」、高邁な理想に現実がついていかない「バイリンガル教育の不思議」、愛してやまないが故に失望も大きい「サッカー、永遠の夢」、現役大統領を辞任に追い込んだ出来事を描く「民主主義の春、ふたたび」など、住んでいるからこそ見えるグアテマラを描く全十三編。遠くてそう簡単には行けない国だからこそ、まずは書籍で読んでみて! 在住二十数年となる著者が紹介する、一味違ったガイドブック。

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