ハロウィンは好きですか? ハロウィンの由来はご存知ですか?
こんにちは。海外書き人クラブ所属、オーストラリア在住ライターの柳沢有紀夫です。
……いや、この写真は私じゃないです。以前取材したゴールドコーストの「ドラキュラズ(Dracula’s)」というエンターテイメントレストランの出演者のみなさんに、友情出演してもらいました。
さてさて。日本でもここ数年渋谷とか道頓堀とかで、異様な盛りあがりを見せているハロウィン(またはハロウィーン)。
でも世界のほかの国ではハロウィンっていったいどうなの? 世界的な行事なの?
ということで「世界のことなら。」をキャッチフレーズとする海外書き人クラブで調べてみました。
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参加してくれたのは以下の国と地域の人たちです。
アメリカ合衆国・シアトル/アメリカ合衆国・グアム/グアテマラ(中米)/ブラジル(南米)/アイルランド(ヨーロッパ)/イギリス(ヨーロッパ)/スウェーデン(ヨーロッパ)/ルーマニア(ヨーロッパ)/香港(アジア)/台湾(アジア)/フィリピン(アジア)/オーストラリア(オセアニア)
12ヵ国から情報が集まりました。地域的にもいい具合にばらけていますね。偶然ですけど。
いよいよ世界のハロウィン事情です。最初の疑問は……。
スーパーやホームセンターでハロウィン用衣装やばらまき用お菓子は売られているのか?
これに関しては回答があったすべての国で「イエス」でした。
アイルランドではこんな感じで……。
イギリスではこんな感じ……。
中米のグアテマラ。
ひとことでいうと「ハロウィン前には世界中がドンキホーテになる」といったところでしょうか。
まあ、スーパーマーケットもホームセンターも新たな商機となれば、見逃すはずはないですよね。
あとドーナッツ屋さんが「ハロウィン特別バージョン」を売るという情報も多かったです。
まずはグアテマラのもの。
そして台湾のKrisp Kreamのものです。
ドーナッツの生地の色が、カボチャのオレンジ色と似ているからですかね。
ついでに台湾に進出しているファミリーマートのハロウィン限定フレーバー「黒ソフト」。黒ゴマ味で、コーンも竹炭を練りこんだ手の混みようです。
……マニキュアまで灰色でコーディネートしてますね。
さて、次の疑問です。
ハロウィンは認識されているのか、流行っているのか
小売店が旗を振って仮装コスチュームやらお菓子やらを売っているにしても、消費者のほうはどうなのか。これに関しては結構回答がわかれました。
「認識はされているけど流行っているというほどではない」というのが、ルーマニア、グアテマラ、オーストラリア。だけどオーストラリアでも一昨年より昨年、昨年より今年という感じで少しずつ流行の兆しは見せています。
「この数年盛りあがるようになってきた」というがイギリス、スウェーデン、ブラジル、台湾、香港、フィリピン。日本もこんな感じですね。
この「ここ数年」というのが多いのは……もしかしたらフェイスブックとかインスタグラムといったSNSの影響が強いんじゃないかと私は見ています。投稿された画像を見て、「あっ、なんかこれ、おもしろそうだね」と。
あとは日本だと、浦安市舞浜と大阪市此花区にあるテーマパークの期間限定イベントの影響も強いんでしょうね。
「盛りあがりがすごい」というのは、その東西アメリカ帝国の本拠地であるアメリカです。
とはいえ本場とされるアメリカを超えたハロウィン超大国があります。それはアイルランドで、なんと「学校も二週間休みになります」とのこと。
ただし「トリック・オア・トリート!」と言いながら家々を回るのは、「アメリカからの輸入」とのことです。
アイルランドがアメリカを凌駕するほど盛りあがる理由はあるのですが、それはのちほど。
職場とか子どもの集まりで「仮装パーティー」はするのか
これは結構回答が分かれました。
まず基本的には「子どもだけ」という国は、「子どもたちはフェイスペイントと仮装」(アイルランド)、「子どもの集まりで仮装パーティー」(ルーマニア)。オーストラリアも基本的には仮装は子どもが中心です。
ユニークなのは「サンバに慣れているから仮装に抵抗感はゼロ」というブラジル。……まあ、確かに。
大人もマジで仮装するのは「子どものいる家庭では家族全員がお揃いで仮装をする。知り合い同士、今年は何着る?と話題になる」(アメリカ・シアトル)。
「職場に子どもたちを招いて、仕事をしながら仮装パーティーというのが一般的」(フィリピン)。
この状態なら、いっそのこと仕事はスッパリとあきらめるほうがいいのではないでしょうか?
「大人も本気モードの人は仮装がすごいです。ナイトクラブなどでは仮装パーティーイベント」(台湾)というのは日本に近いですね。
あと外ではなく「仮装してホームパーティーをする家庭も」(スウェーデン)という回答もありました。
それからどこまで決めこむかは別にして、「スーパーやスタンドではスタッフがみんなハロウィン衣装」(イギリス)という国が多いみたいです。
「若者が繁華街で仮装」というのは、世界に冠たるコスプレ大国ニッポンの独擅場だと思っていたのですが、強敵が現れました。「ランカイフォンという繁華街は仮装した大人たちでにぎわいます」(香港)。意外なのは子どもよりも「若者たちの仮装パーティーが盛ん」なグアテマラです。
さて最後に、じつはあまり知られていない「ハロウィンにまつわる真実」をお知らせしておきましょう!
ハロウィンはキリスト教の行事ではない!
ええ____っ!
と、思わずのけぞったのではないでしょうか。
もともとはアイルランドの土着信仰の行事です。だから通常キリスト教会では特別な行事はしません。
えっ? ウチの子が通っている教会付属の幼稚園ではハロウィーンパーティーを開催する?
まあ、それは「お楽しみ会」みたいなもので、本来はハロウィンとキリスト教は無関係です。
さらに今までご覧いただいたことからもわかるとおり、
ハロウィンは欧米全般の「伝統行事」ではない!
のです。
アメリカに渡ったアイルランド移民たちが祖国の祭事を楽しんでいるのを見て、他の国々からの移民も「それって楽しそうじゃん」とのっかったものです。
ついでに書くと、七面鳥で有名な「感謝祭」も、緑人間になって練り歩く「セントパトリックスデイ」も、欧米全般の行事でないです。
さてこのあと例の「Trick or Treat!」(トリック・オア・トリート)について書くつもりだったのですが、ちょっと長すぎるので別の回に分けることにしました。
ぜひ【海外12ヵ国の「トリック・オア・トリート事情」に驚き】をご覧ください。
【まとめ】
- ハロウィンはキリスト教の行事ではない。
- ハロウィンはアイルランド発祥だけど、今の形態になったのはアメリカで。
- ただしハロウィンでの仮装パーティーなどの習慣は、ここ数年で世界中に広がってきた。
※ちなみにここに記してきたことは個人たちが実際に体験したことです。同じ国や都市でも地域によって当然様子が違う可能性があることはご理解ください。
今回の「世界なんでも調査団」に協力してくれた海外書き人クラブの仲間たちは、下記のとおりです(敬称略)。
- アメリカ合衆国・シアトル Misako
- アメリカ合衆国・グアム 陣内真佐子
- グアテマラ 草野あずき
- ブラジル マンゲイラ靖子
- アイルランド 織田村恭子
- イギリス ボッティング大田 朋子
- スウェーデン 中妻美奈子
- ルーマニア 石川トモヒサ
- 香港(アジア) りんみゆき
- 台湾 Ishii Mikiko
- フィリピン Okada M.A.
- オーストラリア 柳沢有紀夫
【文:海外書き人クラブ 柳沢有紀夫】
(「海外在住ライターを使ってみたい」と思われている方。「海外在住ライターになりたいと思われている方。耳寄りな情報があります。ぜひこのページの下のほうまでご覧ください)
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