日本から4時間以内で行け、「安い」「近い」「短い」に「おいしい」が叶う香港。夜景スポット、都会の高層ビル群、お子様連れだと香港ディズニーランドなどが王道ですが、香港の魅力はなんと言っても地元の人達のイキイキとした躍動感!
今回は香港の人達の生活ぶりや土地柄を感じられる体験を、香港在住歴7年の海外書き人クラブ会員野間あみこがお届けします。
1 気軽に絶景と達成感を味わえるハイキングを楽しもう
香港といえば、密集する高層オフィスビルに行き交う人と車、夜になるとネオンやイルミネーションの夜景という大都会のイメージを持つ方が多いと思いますが、実は全体の約半分が自然保護公園、24のカントリーパークで100を超えるハイキングコースがあります。
そのような土地柄から思い立ったら直ぐにハイキングに出掛けて山と海の景観を楽しむ事ができますが、その中でも今回はアクセスが良く絶景と達成感を得られるライオンロックハイキングコースをご紹介したいと思います。
ライオンロックとは香港の九龍サイドにある小高い岩山で山頂の形がライオンが横たわって見える事からライオンロック(獅子山)と呼ばれています。
スタートは MTR黄大仙の獅子山公園登山口となり、歩きやすい道に看板や展望所も多く、休日は地元の家族連れで賑わうので、初めてでも迷うことはありません。
見た感じはハードなハイキングを想像する岩山ですが、意外に気軽にいけるハイキングコースで、頂上からの景色を見れば大満足かつ達成感を感じることができます。
驚くことにかなりご年配の地元の方も朝飯前の様に登っておられます。
観光客はおらず、地元のエネルギー溢れる人達に混じりながら登るハイキング体験と絶景は思い出深いものになりますよ。
2 五感で楽しむ市場とお得な飲茶で香港のおいしいを堪能しよう
とにかく香港にはおいしい食べ物が山ほどあるのですが、食材を見て知って食べると脳にその味が染み込みます。台所が狭く冷蔵庫が小さい香港の住宅事情から人々が住むマンション群には必ず市場が張り巡り、食材を買って直ぐに料理して食べるという習慣です。
市場には野菜や果物、部位ごとに吊るされた肉類、視覚嗅覚共にかなりの刺激があります。
ビニールパックに入って綺麗にスーパーに並べた食材の光景に慣れている私たちには少し衝撃的ですが、食材に感謝する心も芽生えますし、市場で見かけた野菜のお料理をレストランで食べると食材と味が結びついて一際美味しく感じられます。
また、朝や夕方に飲茶を提供している中華料理のお店などは観光客が少なく、地元のお爺ちゃんお婆ちゃん達が新聞片手に中国茶と点心、お粥を食する光景はエネルギーの宝庫です。
香港の町中に市場や飲茶のレストランはあるのですが、例えば、香港島の北角あたりには街市と呼ばれる市場が集合した建物やストリートマーケットも多く臨場感溢れる場所の1つです。
朝や夕方に点心を提供しているレストランは早茶、下午茶と表記されており、定価より20%ぐらい安くなりとてもお得感があります。狙い目は売り切れがなく朝の特別メニューもある朝飲ですので、地元の人に混じって香港の味覚を楽しみたい方は是非足を運んでみて下さい。
3 シュノーケリングで珊瑚が見られる穴場の離島を楽しもう
香港に珊瑚が見られるシュノーケルポイントがあるのか!? と思われるかもしれませんが、 あります。しかも沖合に行かずとも充分楽しめるスポットが。
新界の西貢から古めかしい風情ある乗合ボートに乗って15分程で到着する橋咀洲(シャープアイランド)という島は自然の宝庫です。
浜辺から遠くない場所まで泳ぎ水面下を覗いたときに、ひだになって重なり合った珊瑚を見て本当にびっくりしました。2時間前迄は家でご飯を食べていたという日常がまるで嘘のよう!!
西貢という場所は香港の人達が休日を楽しむ人気の場所で、クルーズやシュノーケルを楽しむ光景はリゾート気分満点です。
そして帰りは是非西貢の町で魚や貝を自分達で選んで調理して貰える海鮮レストランで食事をして帰って下さいね。新鮮なシーフードと雰囲気でビールがいつもの何倍も美味しく感じられますから。
4 香港からたった15分で到着、中国深センで近未来都市を感じてみよう
香港から中国本土迄は香港高速鉄道が開通したお陰で深圳福田迄はなんと15分で到着という距離です。深センは今迄の中国のイメージがガラリと変わる程、近未来都市として急速に発展している場所です。街ゆくバスやタクシーは電気自動車ですし、近代的で斬新なビルのデザイン、高層ビル群、あらゆるものがデジタル決済、自動運転バス、ドローンショールーム等が人々の生活に密接しています。そしてそこで生活する人々の平均年齢の若さも感じられます。
香港からたった15分ですが、同じ広東省でも言語は普通話と呼ばれる中国語です。 食事の種類も中国各地方のお料理を楽しむことができます。 変わりゆく時代の波を肌で感じたい方はぜひに足を運んでみて下さい。
5 香港にまた来たくなる! 2階建てローカルバスで空港への帰路も楽しもう
最後は帰路も楽しめるアクティビティーとして、ローカル2階建バスに乗って空港に行かれることをお勧めしたいと思います。A21というバスはチムサーチョイイーストから九龍側のネイザンロードを通り西九龍地元密着商業エリアを抜けてランタオ島にある空港まで続くのですが、2階建バスの車窓からは交通や人ゴミ、古いビル、新しいビル、人々の日常の生活などを垣間見ることができます。また高速道路に入ってから見る世界を代表する香港のコンテナ港の景色は圧巻です。
A21のAはエアポートのAですので、このバスを利用される方はスーツケースを持つお客さんが多く、バスの1階にスーツケース置き場があるので、そこに荷物を置いて2階に上がる事が可能ですし、バスのシートも高級感があります。
通常空港迄はエアポートエクスプレスという電車が運行しており20分ちょっとで空港まで行く事が出来ますが、時間に余裕がある場合は費用も半額以下ですし、バスの車窓を楽しみながら空港へ向かうのもとても楽しいですよ。
ちなみに香港島サイドから乗るならA11 というバスが空港バスでルートは違いますが 同じくバスの2階から見る香港の景色は旅の終わりに相応しく、また香港に来たいという気持ちにさせてくれます。
以上、 香港のイキイキとした躍動感を楽しむアクティビティー5選をお届けしました。 日本から安い、近い、短い、においしいが叶う香港でたくさんパワーチャージしていただけると嬉しいです。
(文・写真 野間あみこ)