2020年3月4日現在、世界に広がりつつある新型コロナウイルス。他のウイルスに比べて潜伏期間も長いため「見えない敵との闘い」と感じる人も多いでしょう。
でも可視化できることもあります。香港では実際に専用サイトを開設して一目瞭然に可視化、市民が情報を共有しています。海外書き人クラブ会員香港在住のりんみゆきがリポートします。
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2020年3月2日から日本の学校も春休み明けまで休校になり、多くのご家庭で影響が出ていることだと思います。
香港ではまさに旧正月明けがそうでした。1月24日から旧正月休みに突入し2月3日から学校が始まるはずが、一旦3月16日まで延長、さらには4月20日までになりました。約3カ月間の休校です。
そのような戦々恐々の状況の中、香港教育局からの情報を含め、新型コロナウィルスに関するお知らせが一目瞭然でわかる便利な香港政府のウェブサイトがあります。
このウェブサイト(https://www.coronavirus.gov.hk/eng/index.html)の全ての情報は、香港の公用語である中国語(繁体字と簡体字)と英語で表示されます。そのほか一部の情報は香港在住のマイノリティー向けにヒンディー語、バハサインドネシア語、ネパール語、ウルドゥー語、タイ語、タガログ語、シンハラ語、ベンガル語、ベトナム語の9か国語でも表記されています。
COVID-19(新型コロナウイルス)とは何か、香港への入国について、香港の交通機関について、正しい手洗いの仕方などのほかに、そこで生活している市民が気になるのは感染者情報ではないでしょうか。感染の疑いがある人や感染者については、以下の項目でわかるようになっています。
1 Coronavirus Desease (Covid-19) in HKのマップ
最新の香港内の感染者などがどの場所で出ているか、マップでわかります。2020年3月2日現在の情報によると、香港では98人の感染者がいます。その感染者全員の情報がマップ上に表示され、赤い丸をクリックするとケース番号で整理されています。
感染者のケース番号、感染が確認された日付、性別、年齢、入院先の病院名、入院/退院/死亡、 香港居住者/非居住者がわかるようになっています。感染者の名前などはもちろんわからないようになっています。
またマップ内の「AE」とは病院の場所、「☑」は現在使われている国境(空港など)、「✖」は閉鎖されている国境(中国本土と陸続きのチェックポイントなど)を表しています。
マップの左側には香港全体の感染者数、感染の疑い数、死亡数、退院者数、入院数、報告された数、感染の可能性がない数がリストアップされており、ひんぱんにアップデートされます。
2 Buildings with confirmed cases of COVID-19 in the past 14days
過去14日間に感染者が滞在していた地域と建物名がリストされています。プライバシーを守るため、部屋番号や階はわからないようになっています。
3 Quarantine Centres
香港内には現在5か所検疫所があり、その住所と連絡先のリストです。
4 Buildings of the confines under mandatory quarantine according to cap.599c of Hong Kong Laws
香港基本法に基づき強制的に検疫が必要とされる人たちが滞在している建物名と検疫最終日のリストです。
5 Flights/trains/ships taken by confirmed cases of COVID-19 during symptomatic phase in the past 14days
過去14日間内に感染者が乗っていたフライト、電車、船のリストです。ダイアモンドプリンセスの乗客や、タクシーに乗った感染者のケース番号とタクシーに乗って行った先など詳しい行程がわかります。
6 Countries/areas with reported cases of COVID-19
COVID-19感染者が出ている世界各地の感染者数と死亡数の統計がリストアップされています。感染者の多い中国本土、韓国、イランは地域ごとのデータが出ています。
スーパーでトイレットペーパーがなくなるなど、メディアの大袈裟な報道やフェイクニュースなどでパニックしたり混乱したりする人が大勢います。市民/国民が必要とする情報を提供して安心させるのが、いま各国の政府にとって最も必要なことなのではないでしょうか。
(文・写真 りんみゆき)
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