オーストラリアでドライブしようと思っているあなた。やはりドライブの楽しみは街中よりもハイウェイですよね。
ただアクシデントがあったり警察に捕まっては、せっかくの快適なドライブも嫌な思い出に一瞬で早変わり。そこでオーストラリアのハイウェイにおけるドライブの注意点をお知らせします。
こんにちは。海外書き人クラブ所属、オーストラリア在住ライターの柳沢有紀夫です。
オーストラリアは本当に運転しやすい国です。そしてなんといっても日本と同じ左側通行ですから!
ただしやはり外国ですから、日本と事情が違うところもあります。
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1 対面通行のハイウェイが多い
都市部のハイウェイだと、日本の高速道路と同様、真ん中に中央分離帯、端は高さ1メートルくらいのコンクリートの壁があります。こういう場所の運転は、日本の東名自動車道や中央自動車道や東北自動車道、そして首都高速道路や阪神高速道路とほとんど変わりません。
ただ50~100キロほど内陸に入ると、対面通行のハイウェイがほとんどになります。
中央分離帯がなくセンターラインだけ。それでも制限速度100キロです。たぶん日本ではあまりないので、それだけで少し緊張するかもしれません。まあ、慣れの問題ではあるのですが。
それから道路脇のコンクリートの壁がないところがほとんどです。その分、少しは景色がよいです。
ところでオーストラリアには「ハイウェイ」の他に「モーターウェイ」というのがあるのですが、違いはわかりますか?
「モーターウェイ」というのはその名のとおり、「自動車専用道路」です。歩行者や自転車の通行は禁止されています。
一方「ハイウェイ」は自動車専用ではない。つまり歩行者や自転車の通行も可です。まあ、荒野のハイウェイを歩いている人はあまりいませんが、自転車はたまに見ます。
この「ハイウェイ」よく「高速道路」と訳されますが、これは間違いです。HighwayのHighは速度ではなく、本来的には「重要度が高い」という意味。つまりハイウェイは「幹線道路」という意味です。
その証拠に、郊外では一般道でも基本的には(何の速度標識もなければ)、制限速度は100キロです。もちろん舗装されていて、センターラインもあって、きちんと整備されていて100キロで走ってもまったく問題ないところもあれば、その逆に自主的に速度を落としたほうがいい場所もありますが。
2 トラックやロードトレインの追い越しが大変
郊外のハイウェイでは対面通行で片道1車線。よって前の遅い車を追い越すには、対向車線に入らないといけません。これも日本の都会ではあまり経験しないことなので、慣れるまで大変です。
しかも郊外に行くと追い越したくなる車、つまり制限速度よりも少し遅く走っている車の割合が増えるんですね。
たとえばキャンピングトレーラーを牽引した自動車。1トンとかそんな重さのものを引っ張るので遅くなるのも当然ですし、速度超過するとトレーラーが「スネーキング」という蛇行状態になることがあるからです。
ただキャンピングトレーラーの場合、牽引している自動車と合わせても全長15メートル以下のことがほとんどなので、追い越しもすぐに慣れると思います。
大変なのはトラックです。オーストラリアのトラックは日本の大型よりもさらに大きな超大型。当然全長も長いので、追い越し時間が余分にかかります。
さらに大変なのがロードトレイン。road(道)のtrain(列車)という名の通り、運転席部分だけのトラックが、いくつかのトレーラーを牽引しているものです。オーストラリア大陸のど真ん中のほうに行くと「10台牽引」といったモンスター級のものも出てくるようですが、沿岸部から内陸部に2~300キロ程度入ったところで見られるのは、2台かせいぜい3台牽引した程度のものです。それでも全長は数十メートルになるので、追い越しの難易度は上がります。
これらの車の追い越しのポイントは
●見通しのいい直線道路で
●対向車がいないとき
です。
追い越し途中で対向車が現れて、特にハイビームで警告してきたような場合は、素直に諦めて減速。追い越ししようとしていた車の後に入りなおすのも手です。
あまり急いでいないのであれば、たまに出てくる追い越し車線まで待つのもいいでしょう。事前に「overtaking lane ○m ahead」(追い越し車線。○メートル先)という表示が出てきたら、心の準備をしておきましょう。
3 牛運搬車のスプレー攻撃!
そのロードトレインで多いのが、牧場や牛のせり市場からの牛運搬車。これは特に注意が必要です。
というのは、何十頭も乗っている牛たちのトイレなどついていないからです。もしもあったとしても牛たちは使わないでしょうし。つまりは大きいほうも小さいほうも垂れ流しなんですね。
真後ろにつくと、ひどい目に遭います。車全体に牛たちが発する物質のスプレーを浴びせかけられます。フロントガラスも、ワイパーで拭いても拭いてもなかなかきれいになりません。
ボディーにかかったものは洗い流せばいいのですが……ボンネット前のエアダクトからエンジンルームに入ったものは、そう簡単には洗えないんですよね。というわけでしばらく悪臭に悩まされます。
この牛運搬車のスプレー攻撃を避ける方法は基本的には2つあります。
●一気に抜き去る
ただし牛運搬車の前も牛運搬車だったりロードトレインだったりしたら、かなり困難です。しかも抜き去ろうと真後ろについた瞬間、運悪くスプレーが発せられることもあります。
●諦めて1キロくらい距離を置く
時間的余裕があるのなら、これが堅実な方法です。
ここで、ひとつ教訓を。郊外のハイウェイでは絶対にオープンカーに乗らないこと! 理由はもうわかりますよね。
4 早め早めの給油が必要
荒野になればなるほど、町と町、集落と集落の間隔が長くなります。次の集落までそこで100キロなんてことがザラになります。そしてガソリンスタンドは基本的には集落にしかありません。
だから早め早めの給油を心がけてください。
私も一度だけ、ハイウェイのど真ん中でガス欠になったことがあります。通り過ぎた町からは60キロ、次の集落への40キロという地点でした。給油しないとヤバいかなあとは思っていたのですが、ついつい次の集落でいいと通り過ぎてしまったのです。
ガソリンがなくなると、アクセルを踏んでいるのに減速します! 考えてみれば当たり前ですが、実際経験するとかなりビビります。
で、昔F1グランプリの中継で見た、「車を左右に振るとガソリンタンクに残った最後の一滴のガソリンがエンジンのほうに回って少し走り続けることができる」といった話を覚えていて、見よう見まねでトライしてみたのですが……。最終ラップの残り数百メートルならなんとかなっても、次の町まで数十キロはさすがに無理で、すぐに止まりました。
こうなるともう携帯電話で日本のJAFのようなレスキュー会社を呼ぶしかないですが、私がガス欠をしたのはもう15年ほど前なので、ハイウェイでも電波が届いておらず。結局通りすがりの車に手を振って停まってもらい、事情を説明して、次の集落でレスキュー会社に電話してもらうよう頼みました。今でも荒野に行けば電波は届かないかもしれません。
助けが来てくれるまで心細いものです。さらに夏だと当然エアコンも効かないので、ドアをすべて開けても車の中はかなりの温度。水がないと熱中症になりかねません。
ちなみにもう一つガス欠がらみでいうと、ガソリンがすっからかんになった車はハンドルを切っているのにちゃんと動かないといった制御不能状態になって大変危険です(これは街中のガソリンスタンドで経験しました。ガソリンスタンドまでたどり着いたのに、制御不能で所定の位置まで動けず、そのガソリンスタンドでガソリン運搬用の缶を買って、そこにガソリンを入れて、車の給油口に流し込むという何とも情けない目に。日本のガソリンスタンドなら、店員さんが押してくれたりするかもしれませんが、オーストラリアはセルフなので……)。
というわけで、特に荒野のハイウェイでは早め早めの給油を心がけてください。
【まとめ】
- 対面通行のハイウェイが多いので慣れるまで大変
- トラックやロードトレインの追い越しは見晴らしが直線道路で
- 牛運搬車はスプレー攻撃が来るので、真後ろにつかない
- 荒野ではガソリンスタンドが少なくなるので、早めに給油
姉妹編である
もお役立ち情報満載です。ぜひご覧いただき、快適なドライブを楽しんでください。
【文:海外書き人クラブ 柳沢有紀夫】
(「海外在住ライターを使ってみたい」と思われている方。「海外在住ライターになりたいと思われている方。耳寄りな情報があります。ぜひこのページの下のほうまでご覧ください)
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