こんにちは。海外書き人クラブお世話係の柳沢有紀夫です。
80ヵ国、270名以上に在住する日本人ライター、カメラマン、コーディネーターなどの組織を運営して16年。「未経験者だけど、海外で暮らしているのでライターの仕事をしてみたいのですが」という相談をよく受けます。
今回はそんなご質問への回答です。
ちなみに今回お伝えしていくのは「記事」や「コラム」の仕事を得る方法。同じライターの業務でも「エッセイ」に関しては、【海外ライターとして仕事を得る方法 大公開(エッセイ編)】に記したので、そちらをご参考に(この記事の最後のほうにリンクを貼っておきます)。
その【海外ライターとして仕事を得る方法 大公開(エッセイ編)】をご覧いただいた方はお分かりだと思うのですが、未経験者が「エッセイ」の仕事を得るのは大変です。一方、「記事」とか「コラム」の仕事はというとそうむずかしくもありません。というか正直言って、エッセイに比べて無茶苦茶カンタンです。ラクです。10数年前に「海外ライターになるぞ~」と志して、這いずり回った私の苦労はなんだったのかと愕然とするほどです。
ではその方法を見ていきましょう。
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1 ライター募集しているサイトに応募する
「海外在住ライター 募集」などのキーワードで検索すると、実際に募集しているサイトがあれこれと出てきます(それより「まとめサイト」のほうが上位に来ていたりしますが、まあ、そこから飛んでいけばいい話ですね)。
そのとこかに応募して、採用されればあなたも今日から海外在住ライターです!
ただ……やっぱり書くからには、名前が知られた媒体でという方も多いのではないでしょうか。ところがそういう媒体はコンテンツマーケティングとかサーチエンジン最適化的なことを意識していないのか、あまり上位に出てこないですよね。逆にまだあまり知られてない媒体は、そのあたりがしっかりしているので、検索すると上位に出てきます。
そこであなたのために、「海外在住ライターを募集している有名サイト」をいくつか挙げてみましょう。
a 地球の歩き方 トラベルライター制度
海外在住者などがライターとして登録。同社のサイトや書籍に有償・無償で執筆するというものです。
媒体としては
地球の歩き方「特派員ブログ」 http://tokuhain.arukikata.co.jp/
のほうは結構広く門戸を開放していて、
「旅いさら」 http://tabiisara.com/
は少数精鋭です。
いずれにせよ、申込窓口は下記です。
http://www.arukikata.co.jp/company/travelwriter.html
b 旅行比較サイト「トラベルコちゃん」特派員ブログ
執筆するサイトは http://www.tour.ne.jp/blog/area/
そもそも「旅行会社各社の情報を比較できるサイト」というのが売りなためか、ライターとして登録されているのは現地のツアー会社などに勤められている旅行業界の方が多いですが、そうでない人でも申し込みになれます。
申込窓口は下記です。
http://www.tour.ne.jp/blog/entry/
c 「All About(オールアバウト)」ガイド募集
海外在住ライターだけではないですが、All About(オールアバウト)でも「ガイド」と称する執筆者を募集しています。
このサイトは「各分野の第一線で活躍する人に、向こうから執筆の依頼が来る」というスタイルだとばかり思っていたのですが(じつは私もずいぶん前に声をかけていただいたのですが、条件が合わなくてお断りしました)、必ずしもそうではないようで、自分から応募できます。
申込窓口は下記です。
http://allabout.co.jp/guideapply/
d 89 BLOGチャンネル(阪急交通社)
じつは「なんで89なんだろう」と思っていたのですが、今、真剣にサイトを見て、ようやく謎がとけました。「89」で「ハンキュー」ってことみたいです。なんだか109みたいですね。西の阪急、東の東急ってことなんでしょうか。
そんなことはどうでもよくて……昔はライターを募集していたような気がするのですが、今は見当たらないですね。
でも海外在住ライターのためにもできれば募集再開していただきたいという気持ちを込めて、紹介しておきます。
http://blog.hankyu-travel.com/kaigai/
上記のサイト以外でも公募しているところは「登録料は無料」というところがほとんどです。まあ、「エスコートボーイ」とか「エスコートホスト」とは違うので、鼻の下を伸ばした人に登録料を払わせるというビジネスは成立しないのでしょうが。
ただしいずれの場合も、お住まいの街にすでに登録ライターがいる場合は断れることがほとんどだと思います。
2 そこで経験を積む
ただしそういうサイトで見事にライターとして採用されて「稼げるか」といったら、話は別です。
というのは上記のサイトに限らず、ギャランティーはおおむねあまり高いとは言えないからです。というか「無償」というところもあります。多くても数千円程度である場合がほとんどです。ただ……すみません。業務上知って、公にはできないこともあるので、「数千円」というあいまいな書き方でお許しください。
私がAll About(オールアバウト)さんから誘っていただいたのを断ったのも、そういう理由からです。
じゃあ、そういうところで仕事をしたって意味がないじゃないか。柳沢め、だましやがって。……と憤られるのは、ちょっと早合点です。というのは、そういうサイトで書き始めることが、将来のステップアップにつながるからです。
一本数万円とか10万円を超える仕事もあります。商業出版の書籍を1冊出せば、無名のライターでも初版印税だけで数十万円。増刷がかかれば百万円単位の収入になります。
ただしそういう仕事はいきなりはやってきません。やってこないからといって、こちらから行っても……やっぱり門前払いを食らうだけです、あなたに実績がなければ。
つまり一本2~3000円の仕事だとしても続けることで、それがあなたの実績になり、一桁、二桁違う仕事へとつながっていくのです。
「All About(オールアバウト)」さんなどは「ウチのガイドとしていい記事を執筆すれば他のメディアから声がかかります。そこで儲けてください」というスタンスのようです。確かに「All About(オールアバウト)」で書いていると、第一人者という雰囲気が醸し出されるので、そういうビジネスモデルもありでしょうね。私も「あのときガイドになっておけばよかった」と思わないこともありません。
3 海外書き人クラブに登録する
すみません。最後に宣伝みたいになってしまうのですが、それでもあなたにとって得する可能性のある情報ですからお許しください。
あなたが「日本人があまりいない国に住んでいる」か、国を問わず「何か特に詳しい分野がある」といった場合は、ぜひ海外書き人クラブにご連絡ください。仮にあなたにまったくと言っていいほどライター経験がなかったとしても、こちらが指導しながらやっていただける仕事があると思います。
日本人があまりいない国とは、たとえば外務省の海外在留邦人数調査統計の「国(地域)別在留邦人数上位50位推移」で一桁台に入っていないところです。つまり米国、中国、オーストラリア、英国、タイ、カナダ、ブラジル、ドイツ、フランス以外ですね。
とはいえ米国でも「アラスカ」「ハワイ」「グアム」「サイパン」、英国でも「スコットランド」「ウェールズ」「北アイルランド」あたりは会員があまり、またはまったくいないので大歓迎です。あと、中国とブラジルも全体的に少ないので……。まあ、やる気があって社会人としてきちんとしている人なら、どこに住まわれていても歓迎します。
「何か特に詳しい分野がある」というのは、たとえば「グルメ動向」とか「IT事情」とか「ファッション事情」とかそういう話です。
とにかく海外在住ライターまたはカメラマンとしてやっていきたいという方は右上のプロフィール欄にあるアドレスからご連絡ください。
ただし他の海外ライター募集サイト同様に、テストとしてこのブログ用(https://www.kaigaikakibito.com/blog/)の記事を一本書いて、ご提出いただくことになります(「海外生活」とか「海外旅行」といったテーマ。採用の場合はこのブログにその記事が掲載されます)。合否を問わずギャランティー(報酬)は出ないこと、あらかじめご了承ください。
【まとめ】
海外在住ライターになるには……。
- たとえギャランティーが低くても、公募しているサイトで経験を積む
- 海外書き人クラブに入会する
いずれにせよ、儲かるか儲からないかは別にして、ライターというのは楽しい仕事です。お互いがんばりましょう!
【海外ライターとして仕事を得る方法 大公開(エッセイ編)】もあわせてご覧ください。
【文:海外書き人クラブ 柳沢有紀夫】
(海外20ヵ国のライターが力を合わせてできた本の告知が一番下にあります。ぜひご覧ください)
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