【イタリア在住ライター直伝】「万能トマトソースの作り方」押さえておきたい5つのポイント&レシピ例

トマトソースはイタリア料理にかかせない素材です。しかも日本料理の醤油や味噌と違って、家庭で簡単に作ることができます。しかも新鮮なトマトを使って半年分・1年分などと大量に作るのが普通です。

今回は本場イタリアのトマトソースの作り方(およそ5リットル分)を、海外書き人クラブ新会員・イタリア在住のなかそね則が「5つのポイント」とともに紹介します。

①トマトの芯を除き皮を剥いてととのえる

先ずトマトのヘタ周りに包丁を入れて芯をえぐり取ります。芯はのぞいた方がソースがやわらかくスムースに仕上がります
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トマトの頭(ヘタの反対側)に十字の切れ目を入れます。それは十字でもXでも何でもかまいません。そうしておくとトマトを茹でたとき切り込みを入れたところから皮がするりとむけます

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トマトを沸騰した湯に浸して熱し、2、3分で取り出します。取り出した先から放り入れる、という感じでどんどん冷水に浸して冷やします。冷やしたら皮をむきます。冷水に浸したとたんに皮がするりとむけるものも多くあります。 皮は全てむきます。固くてソースにはならないからです。
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②果肉を切り分けて絞る

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適当な大きさの角切り(小さければ小さいほど良い)にして、圧搾器で絞り出します。圧搾器は電動のものもあります。圧搾器で押し出された部分がソース材。

*トマトの果肉をつぶすことができれば圧搾器はもちろん何でも構いません。写真の圧搾器は手打ちパスタ用の器具。イタリアの道具らしく頑丈で無骨で面白く、かつ便利です。

圧搾器の中にはトマトの芯や皮や傷んだ固い部分などが残るので、圧搾2、3回ごとに取り出して捨てます。搾り出し作業が終わる頃には、キッチンは戦場のような惨澹たる状態になっています。

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③2度煮詰める

絞り出したトマト中身(肉+汁)を 沸騰させ煮詰めて水分を飛ばします。どろりとした感じに煮詰まったら火を止め、鍋の中でそのまま冷まします(一晩なり)。
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冷めた果肉汁を保存用の容器(瓶など)に移し入れ、ソースを覆うようにオリーブ油を少し加えてきっちりと蓋をします。オリーブ油を加えることで空気の侵入を防ぐ効果があります。

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全ての瓶が出来上がったら、瓶の全体が水に浸かる深さの鍋に入れ、冷水から沸騰させます(2度目の煮沸)。沸騰したら5分程で火を消し、湯の中に入れたまま再び完全に冷まします(一晩なり)。

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湯が完全に冷めたら一本一本取り出します。出来上がり。
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④試行錯誤ならぬ嗜好覚悟で

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トマトソースはニンニクやバジルなどの香りの高い素材、甘みのある玉ネギ、さらに胡椒や唐辛子や塩、またオリーブオイルなどを加えて作る方法もあります。が、真に万能のうまいソースは「何も加えない」のが基本です。

胡椒や唐辛子、またニンニクやバジルや玉ネギ等々の素材は、トマトソースを使って料理をするときに好きなだけ加えればいいのです。

先にそれらを加えてしまうと、素材の旨みは出ますが、その代わりにいわば無地のトマトソースの「万能」性が無くなります。トマトソースは、それ自体は自己主張をしないで自らをどんな素材にも合わせるから「万能」なのです。

⑤注意点&ノウハウ

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※ソースはきっちりと手順を踏んで作れば常温でも1年は保ちます。冷蔵保存すればもっと長持ちします。筆者の場合は冷蔵保存で3年、という記録がありますが科学的、専門的に見たときにどうなのかは分かりませんのでおすすめはできません。そのときのソースは3年目で食べつくしましたが、もしかするとそれ以上長持ちするケースもあるかも、というふうにも思います。

※冷蔵保存するとオリーブ油が固まって白濁しますが、調理すると(熱を加えると)溶けるので全く問題はありません。

※瓶を開けて使った残りは冷蔵庫へ。できれば数日で使い切るようにします。

(文・写真 なかそね則)

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