【死語辞典】(60年代「タ行」の死語まとめ)

テレビのリモコン

海外書き人クラブがお届けする『死語辞典』。「1960年代」に流行った死語とは? そのうち「」から始まるものの意味と用例・用法をまとめました。

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【死語辞典】は下記の単独サイトに移行しました。新たな死語も続々アップ中。ぜひご覧ください。

https://kaigaikakibito.com/shigo/

タッチョンパ

テレビの「リモコン」のこと。「タッチしたらパッと(テレビ画面などが)変わる」からだと思う。たぶんリモコンが初めて登場した時期に、テレビCMでこのフレーズが使われていたのだと思うが、どのメーカーのどんなCMかは思い出せない。ご存知の方、教えてください。

↑ 調べなおしたところ、どうやらブランドは三菱の「NEWダイヤトロンF」で、このCMコピーを口にしたのはちあきなおみさんらしい。CMのオンエアは1976年からとのことで……全然「60年代の死語」ではないです。「70年代」です。すみません。

薬師丸ひろ子さんは「ちゃんリンシャン」だし。ちなみにこの「ちゃんリンシャン」のほうは、ライオンの「ソフトインワン」というリンスも兼ねたシャンプーのCMコピー。最初に「ちゃんリンシャン」と言った後、「ちゃんとリンスしてくれるシャンプーです」という解説が入る。薬師丸ひろ子さんは、もう30年も前から自分ツッコミをしてたのかと思うと頭が下がる。

話が飛んだので「タッチョンパ」と戻す。いや、こんな用法ないか。

用例としては「かあさん。タッチョンパ、どこかな?」とか。

今、この「タッチョンパ」を実際に使うとしたら、家でテレビのリモコンを探すときもいいけれど、会社でケータイが見当たらないときに、「部長。私のタッチョンパ、知りませんか?」とぶちかましてみるといい。即座にタッチョンパとヒーローまたはヒロインになれるかもしれない。もちろんその逆コースもある。

あと、ラブラブな二人には、「もー、ターくんったら、キスだけでもうタッチョンパ?」とか、「キミと明日デートだって思っただけで、もうオレ、タッチョンパなんだよ~」というフレーズをオススメしたい。

どうでもいいけど、こういう用例ばっかりタッチョンパって思いつく、私って、何なんだろうね。……ああ、エロ大魔神か。

チミ

「あなた」「おまえ」という意味の「キミ」が転じたもの。非常に「だから何なの?」感がぷんぷん漂う言い方。

ブカブカのダブルのスーツを着たチンチクリンの、ちょびひげが鼻の下にある社長が言うと非常に合う言葉。たとえば「チミ、ボクは社長だよ」とか。この場合、「ボクは」の部分は「ボかぁ」くらいの加山雄三さん的発音の仕方をすると雰囲気が出る。

チャランポラン

ロシア国籍の美人テニスプレーヤー。はい、ここで「それはシャラポワだって!」というツッコミをお願いします。このサイトは読者と筆者のコラボレーションでなりたっていますから。……というのが、「チャランポラン」のよい例だ。

「あまりにいい加減すぎる」「無責任すぎる」「どうしようもないほど適当すぎる」という意味。「スーダラ」が「いい加減」や「適当」と比較級だとしたら、「チャランポラン」は最上級とも言える。

少なくとも私は「スーダラ」よりもこちらのほうに、ある種の親近感を覚える。幼稚園のころ母親によく「そんなチャランポランな生き方をしてたら、ロクな大人にならないわよ」と叱られた。あの頃の彼女に今、ひとこと声をかけるとしたら……「母ちゃんって……まさか予言者?

テケテケ

いわゆる「学校の怪談」のほうではなく。エレキギターの奏法の一つエレキそのものの意味でも使われた。

70歳以上の人に「テケテケ」というと、弾けもしないのに条件反射的に「エアギター」をしてくれるはず。

ドタマに来る

頭に来る(=憤りを感じる)」の最上級表現。「根性」の最上級が「ド根性」なのと同様。ではなぜ、「ドアタマ」ではないかというと、「ド」と「ア」がリエゾンを起こすわけですね。こういう場合、“De Atama”じゃなく、“D’Atama”となり、「ドタマ」と発音するのです。フランス料理店の「トゥール・ダルジャン」が“Tour de argent”ではなく、“Tour d’argent”になるように。みなさん、わかりましたか? 大学一年生のときフランス語の単位を見事に落として留年の恐怖におののいた私の説なので、信用しないほうがいいですよ。

……そう、このいい加減な解説を読んだみなさんの精神状態が、「もー、ドタマに来たぞーっ」そのもの。

ちなみにこのフレーズを使用するときは、漫画のように、超高速で手足をバタバタとさせるのがオススメ。

ドロンする

先に退席すること。特に飲み会などで用いられた。用例は「じゃあ、私はお先にドロンさせてもらうよ」。

語源は「忍者が煙幕を張ってドロンと消える様子から」であることは明らかだが、よくよく考えるとなぜ忍者が消えるときの擬態語だか擬音語が「ドロン」なのかまったく不明。仮にも忍者ならもっとさりげなく姿を消すように修行を積むべきだと思う。

しかも「ドロンさせてもらうよ」と公言している時点で、忍者感ゼロなのだが。

より本格派を目指す向きには、立てた左手人差し指を右手で握って、右手の人差し指を立てるというまさに忍者がドロンと消えるときのポーズ(またの名を「一人この指とまれポーズ」)をすることをお勧めする。ただしあまり堂々と背筋を伸ばして胸を張るのではなく、ちょっと猫背気味に恥ずかしそうにするくらいがちょうどいい。なんたって忍びだからね。

「ドロン」で思い出したが、昔、新聞によく「アラン・ドロンと会うパリ○日間の旅」といった広告が出されていて、「あのアラン・ドロンもそこまでがんばって営業しているのか」と感激した記憶がある。小池チルドレンのみんな、辻説法千回くらいで音をあげちゃ、ダメだよ。

【類義語】 ブッチする バックレる スネークアウトする

ドンピシャ/ドンピシャリ

ぴったり合うこと

用法は「予想がドンピシャリと的中する」とか、「いやー。専務の読みはまさにドンピシャでしたな」とか、「バッターの読みがドンピシャリと的中した」とか。

若い子にぜひチャレンジしてほしいのは、「僕と君との相性はドンピシャリなはずさ」というフレーズ。相手との扉がピシャリと閉ざされること請け合いだよ。

語源は、かつてシチリア島の弱小マフィアのボス「ドン・ピシャーリ」がやることなすこと大当たりして頭角を現し、一気に島全体に君臨する大ボスになったことから。……という説はドンピシャでは全然なく、まったく外れていると思う。

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『死語辞典』のチョベリグな使い方

 

1) 1950年代から2000年代にかけての死語の「意味」「時代背景」ドンピシャリと解説。「用例」も極力ワンサカ載せます。

2) 画面上のほうのメニュー欄の「死語辞典」にカーソルを合わせると、年代ごとの死語がモロ見えになります

3) 画面右側の「検索機能(虫眼鏡マーク)」に知りたい死語を打ち込むと、バッチグーな答えが得られます。

4) 世代が違う方とのコミュニケーションギャップも、パーペキに埋められます。飲み会が「どっちらけ~」になることも避けられます。

5) 死語の解説は、管理人の独断により行っています。偏りは重々承知の助。どうぞ許してチョンマゲ! (間違いのご指摘はお待ちしております)

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