海外書き人クラブがお届けする『死語辞典』。「1980年代」に流行った死語とは? そのうち「タ~ハ行」から始まるものの意味と用例・用法をまとめました。
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【タ行から始まる死語】
だいじょび、だいじょび
1984年デビューのアメリカのロックバンド……それはボンジョヴィ。
「だいじょび」は「だいじょうぶ」の意味。語尾を変えた意図は不明。これまた語尾を変え、二回重ねることで「安請け合い度」を強烈に増した言葉。
同期社員A 「本当に明日の朝まで、できるのか? なんなら手伝おっか?」
同期社員B 「だいじょび、だいじょび。まかせてチョンマゲ」
翌朝、同期社員Bは失踪していましたとさ。おしまい。
大どんでん返し
完全に使われなくなったわけではないが、80年代当時流行った言葉として紹介したい。
とんねるずさん司会のお見合い系テレビ番組「ねるとん紅鯨団」から流行した言葉。ずっと二人で話していて、きっとカップル成立になると思われていた男女が最後の最後で結局ダメだった場合などに使われた。日常でも良く用いられた。
たとえば「オレ、絶対、裕子ちゃんと相思相愛だと思っていたのに……大どんでん返しだったよ」。本人以外は、大どんでん返しでみもなんでもなく、「当然の結末だろ」と思っていることがほとんど。
タカビー/タカビー女
「高飛車」の略。ちなみに「高飛車」とはそもそも将棋の戦法の一つだが、この場合は「相手に対して偉そう態度をとること」という意味のほう。
まず「タカビー女」という言い方が用いられるようになり、そのうち「女」を省略して「タカビー」だけでも「高飛車な女」の意味になった。
用法は「なんで、キミはそうタカビーなわけ?」とか……なんてタカビーな女性に面と向かって言えるはずもなく、陰で「あいつ、タカビーだからな」と同類となぐさめあったり、ひとりごちしたりするのが関の山。
女性が強くなった時代ともいえるが、女性の「権利」が強くなったわけではない。若くて美人の女性たちを男どもが妙にチヤホヤして、女性のほうもそんとなくいい気になって踊らされていた。……そんな外面だけおよび薄っぺらな「女性の地位向上」だった気がする。
だべる/ダベリング
「だべる」は動詞で、「おしゃべりする」こと。無駄話をするという意味の「駄弁」+「する」かららしい。「パニック」+「する」の「パニクる」や、「タクシー」+「する」の「タクる」と同様の形。
「だべる」そのものは、かなり古くからあった表現らしい。
「タベリング」は「だべる」に現在進行形の「ing」をつけて、名詞化したもの。つまり「おしゃべり」の意味。
用法は「あの子との進展? なーんにもなし。昨日だって、みんなと一緒にただダベリング」。
【関連語】 お茶する
ちょっち
「ちょっと」からの変化で、意味も同じ。「ちょっと」よりもさらに少ない風に表現したものだが、「ふざけてる感」はずっと高い。
用法は「ねえねえ、今、あの女の子のこと、じっと見てたでしょ?」「みっ、見てないよ~」「ホント~? ホントにホント~? 怒らないから白状しなさい」「……ちょっち」。……そして当然のように、ものすごい剣幕で怒られた。
片岡鶴太郎さんが具志堅用高さんのものまねをするときに、よく「ちょっちねー」とやっていた。
~チョンマゲ
「~してちょうだい」(=してください)の意味。最も頻繁に使われた「許してチョンマゲ」以外にも、「聞いてチョンマゲ」とか「見てチョンマゲ」とか。これを読んでいる若い人、くれぐれも「1980年代にはまだチョンマゲが結われていたのか」なんて思わないでチョンマゲ。
【関連語】 許してチョンマゲ
DCブランド
「デザイナーズ&キャラクターズブランド」の略。いわゆる大手服飾メーカーのブランドでなく、デザイナーの個性を前面に押し出した服。1983~87年がブームだったというから、ちょうど筆者が大学生のころだった。
「カフェバー」という形態のお店にできてきて、人気が集まったのもこの頃。
なんだかそういう「これってオシャレなんですよ」情報に踊らされていた私たちだった。
【関連語】 カラス族
~てか?
「~というか?」からの派生だが、その前の発言を押しつけがましくないようにしたり、冗談半分のニュアンスを出すために、ひんぱんに用いられた。
たとえば「じゃあ、意気投合したことだし、今からホテルに行こうか、ってか?」。こういうと断られても、自分があまり傷つかない、ってか?
もちろんそんな不真面目な誘い方で成功するはずもない。
テント(を)張る
男性の体の一部分が充血して大きくなってしまうこと。それにより、ズボンや海水パンツの布地がまるで、テントを張ったように盛り上がることから。
というわけですでに裸になっている場合には用いない表現。たいていの場合、水着の女性などを見て、自分の意志とは裏腹に、かつその現象が起きてほしくないときに起きてしまった際に用いる。
用例は「やべっ。クラスメートの○○の水着姿で、オレ、テント張っちゃったよ」。……共学の中学校の「あるある」かもしれない。かわいい子ならまだしも、そうではない場合はかなりの屈辱感に苛まれる……たぶん。
チョメチョメする
(基本的には)男と女が気持ちよくなる行為をすること。
もともとは故・山城新伍さんがテレビ番組内で、放送禁止用語の代わりにこのように表現した。「チョメ」とはおそらく「×」(バツ、ペケ)のこと。「××」とその部分を「伏せ字」にしたものを、口に出して言ったもの。ただ「バツバツする」「ペケペケする」よりも「チョメチョメする」のほうが、あの行為のワクワク感とねっちょり感が表現できていると感じる。だからこそ広く普及したのだろう。
用例は「ねえ、彼女。チョメチョメしない?」。
【類義語】 よろしくする ニャンニャンする パッコンパッコンする ズッコンズッコンする ご休憩する
どえーす
「超弩級のサディスト」のことではない(それは「ドS」ね)。「どえーす」とは「です」の変形で、意味も同じ。これまた少し「てれ隠し」のニュアンスが入っている。
用例は「ただいま恋人募集中、どえーす!」とか。「どえーす」の前に少し間を開けるのがポイント、どえーす!
ドッカーン/ドッカーンする
いわゆる「地雷を踏む」(言ってはいけないことを言う)こと。爆破音になぞらえて。
用法は、「キミさあ、美人だけど……足が短いよね」「あっ、今のそれ、ドッカーン!」。または、「最近、カノジョとどう?」「……」「えっ、オレ、もしかしたらドッカーンした?」「うん、ピンポイントで。昨日フラれたんだよ」。
どぼじで?
「どうして?」のこと。男が使うことはほとんどなかったが、これを使う子は総じて「女の子版三枚目キャラ」が多かった。
用例は「なんで私ってモテないのかな? どぼじで?」。……ハッキリ言うと、「どぼじで?」なんて言葉を使っているからだと思う。
【ナ行から始まる死語】
なるへそ
「なるほど」の言い換えで、意味は同じ。
どちらかと言えば、心底納得してはいないときや、指摘されて少々ウザったく感じているときに使う。たとえば「こうやれば簡単じゃん」「ふーん、なるへそ」。
「なるへそ、なるへそ」と重複するとむしろ相手を軽んじている雰囲気が醸し出されてしまうのは、「なるほど、なるほど」と同じ。
ニャンニャンする
なんだか「かわいらしいこと」をする感じにしてごまかしちゃおうという魂胆が見え見えだが、つまりは(基本的には)男と女が気持ちよくなる行為をすること。
用法は、「今日、大好きなユウトくん❤と、初めてニャンニャンしちゃいました。しあわせ~❤」とか。ラブホテルやカップル御用達のペンションに置かれている「落書き帳」には頻出した表現だと思う。利用したことがないのでわからない。
1985年にはこの言葉を使い、女子高生をフューチャーした「夕焼けニャンニャン」というバラエティー番組が始まり、「おニャン子クラブ」が人気を博した。仕掛けは秋元康さん。
【類義語】 よろしくする ズッコンズッコンする パッコンパッコンする チョメチョメする ご休憩する
ネクラ/ネアカ
「ネクラ」は本来「(表面上は明るくふるまっているが)根は暗い人」の略語だったが、徐々に「根っから暗いヤツ」という意味に変わっていった。「みんなと楽しく過ごすよりは、一人で本を読んだり、ゲームをしたりするほうを好むヤツ」という意味。今でいう「オタク」に近いかもしれない。
用法は「今度の合コン、人数一人足りないんだけど、田中でも誘う?」「やめとけよ。アイツ、ネクラなんだから」とか。
「ネアカ」は「ネクラ」の反対語で、「根っから明るいヤツ」(=能天気なヤツ、楽天的なヤツ)というよりも、「みんなと明るく楽しく過ごせる人」という意味。大学生で言えば、女子大との合同のテニスサークルに入って、春から秋はテニス、冬はスキー、そして年中コンパなんかをしているタイプ。今で言うと、ケータイに何百人もの友だち(なのか「ただの知り合い」なのか知らんけど)の番号が登録されているっていうタイプね。または大学生なのにSNSの友だちが5,000人いるとか。
「マル金/マルビ」同様の秀逸な二元論だが、圧倒的に後者が多かった「マル金/マルビ」と違い、こちらのほうは「ネアカ9割:ネクラ1割」程度の比率だったと思う。つまり、「ネアカであらずんば人にあらず」的なところがあって、みんな強迫観念に駆られていた感じだ。バブル期の大学生もそれはそれで大変だったのだよ、他人に合わせなきゃいけないという意味で。
でも、どちらかと言えばネクラな感じがする主人公が登場する村上春樹さんの小説なんかが当時も人気(『世界の終りとハードボイルドワンダーランド』が1985年、『ノルウェイの森』が1987年)だったから、「ネアカ」のフリをすることに、みんな疲れていたのかもしれない。
【関連語】 マル金/マルビ
【ハ行から始まる死語】
ハイソ
「ハイソサエティー」の略で、「上流社会的な」といった意味で使われていた。
今は「セレブ」にとって代わられてしまった言葉。用法は「ハイソな雰囲気のお店」とか「ハイソなティータイム」とか「ハイソカー」とか。
この言葉を聞くと、本当の質の良さではなく、「うわべだけをとりつくろった高級感」がプンプン匂ってくる。
【関連語】 ハイソカー
ハイソカー
「ハイソサエティー・カー」の略。つまり「上流階級的な車」のこと。ただし本当に上流階級が乗っていた(かどうかは知らないが)ロールスロイスとかリンカーンとかキャデラックのことではない。
クラウンの名作キャッチフレーズに「いつかはクラウン」とあるように、トヨタは「カローラ」(平社員)→「コロナ」(係長)→「マークⅡ」(課長)→「クラウン」(部長)という「出世魚戦略」を取っていたらしい。販売会社の営業マンなんかも、「えっ、昇進されたんですか? おめでとうございます! じゃあ、そろそろマークⅡですね」みたいなことを言っていたとか、いないとか。
ただここに強引に割りこんできたのが、トヨタ・ソアラだった。「出世魚車」がすべて4ドアセダンなのに対して、2ドアクーペ。高性能でスポーティー。かと言って、トヨタ・セリカ、日産スカイライン、日産フェアレディZ、マツダRX-7のように、バリバリのスポーツ路線でもない。このあたりの微妙なバランスが、ウケたのだね。特に女子大生や若い女性をひっかけるためには、特大の効果アリ……だったらしい。
ただ、このハイソカー・ブームにより、今までの「出世魚車」をぜーんぶ「オヤジ車」というか「ファミリーパパ車」的な、ダサい印象にしてしまったとかんがえると、トヨタは戦略的にどうだったのだろうか。このあたりが「ハイソカーだぞ」と自慢されても、「はい、そーですか」と素直に称賛できない理由だ。……すみません、オヤジで。
この2ドアクーペの路線では、ホンダ・プレリュード、日産・レパード、日産・シルビアあたりも、ハイソカーに分類される。
重厚なイメージのあるスバルでさえも便乗して、アルシオーネという2ドアクーペを出した。当時、ある自動車雑誌の読者投稿イラストで、「究極のナンパ車。ズバリ・アレ、シヨーネ」というネタが載っていて、私は「この投稿者は天才だ!」と興奮した覚えがある。
三菱スタリオンといすゞピアッツァも、この系列。
トヨタ・カリーナEDという車もあって、自動車評論家の故・徳大寺有恒さんに酷評されていた。「ED(勃起不全)の人がハイソカーで女の子を引っかけようとは、何ごとだ!」……なんてことをおっしゃるわけはなく、「無理に車高を低くして、居住空間を損なっている」みたいな話だったと思う。無理に車高を低くしているという話は、まさにその通り。身長180センチ強の私は天井に頭がつかえそうだったもの。身長が高い(いや、「座高が」か)私は見向きもしなかったし、車のほうも私に見向きもしなかった。ついで言うと、ハイソカー好きの「いい女」どもも私に見向きもしなかった。……余計なお世話である。
さて、「2ドアクーペ」とは別に、「4ドアハードトップ」のハイソカーもあった。代表車種は、トヨタ・マークⅡ(のセダンではなく4ドアハードトップ)、クレスタ、チェイサー、日産セドリック、グロリアあたり。こちらは若者というよりも、家庭を持つオジサマが、今でいうところの『日経おとなのOFF』的または「ちょい悪オヤジ」系のことを目論んで購入する場合が多かったのかもしれない。子どもがいるのに2ドアクーペを買いたいと言っても、奥さんをなかなか説得できないけど、4ドアならOKだろ、みたいな。
ただし日産のセドリックとグロリアは後年、暴走族御用達みたいになってしまった。
当時のハイソカーで人気の色は「スーパーホワイト」! クリーム色っぽさがまったく含まれない、正真正銘の白! 目にもまばゆい白! 洗剤のCMみたいだけど。唯一の例外はホンダ・プレリュードで、赤がイメージカラーだったと思う。
デザインは、個人的には日産シルビアは秀逸だと思ったが、他は直線的すぎたり、オモチャみたいだったりして、好きなものはなかったなあ。ハイソカーのほうも、私のことを好きにはなってくれなかったけど。ハイソカー好きの「いい女」も(←しつこい)。
(ハウス)マヌカン
英語のhouseとフランス語のmannequinを強引に合わせた、和製英語というか和製外国語。ブティックやデザイナーショップの女性店員。
オシャレな仕事の一つに数えられていた。外見のイメージとしてはワンレン・ボディコン。履き古したジーンズを履いているような大学生は相手にしない。
ややさんの歌に「夜霧のハウスマヌカン」とコミックソングがあり、「玉の輿を狙っているが、夕飯は鮭弁当しか食べられない」という悲惨な状況がユーモラスに歌いあげられている。……まあ、オシャレに見える仕事でも裏側は大変だったのだろうね。
用例は「なんか彼女、気取ってるな」「マヌカンだからなぁ」。
【関連語】 DCブランド
バックれる
もともとは「しらばっくれる」から。「シラをきる」「とぼける」「知らないフリをする」という意味。たとえば、「お前、知ってんだろ? バックれんじゃねえよ!」。
その後、「逃げる」「その場から消える」「約束を無視して行かない」という意味にもなった。「おい、ヤバいよ。早いとこ、バックれようぜ」とか、「くだらない会議なんて、バックれて、飯に行こう」とか。
【関連語】 エスケープする スネークアウトする フェイドアウトする トンズラする フケる
パッコンパッコンする/バッコンバッコンする
(基本的には)男と女が気持ちよくなる行為をすること。擬音語のように見えるが、トイレのつまりを直すシュポシュポ(正式には「通水カップ」と呼ぶとのこと)じゃないんだから、そんな音がすることはない。擬態語かもしれない。
半濁音の「パッコンパッコンする」はよりかわいく、濁音の「バッコンバッコン」のほうが野性味あふれた感じ。類義語の「ニャンニャンする」は女性が使ったのに対し、こちらは男性が用いた。
用法は「昨日撮影のあと、デルモとパッコンパッコンしちゃってさあ」。……そんなおいしい経験、私は当然ただの一度たりとてない。
【類義語】 よろしくする ニャンニャンする ズッコンズッコンする チョメチョメする ご休憩する
「はらたいらさんに1000点」
76年から92年までTBS系列で放送されたクイズ番組「クイズダービー」から。解答者の一人であるはらたいらさんにかけても倍率(配当率)は低いが、正解率が高いことから、一問目は「はらたいらさんに1000点」をかけて、手持ちの得点(3000点)を確実に増やしておくことが鉄則とされていた。
そこから転じて、「確実」「堅実」なことのたとえとして、この言葉が用いられた。たとえば、「お前の成績なら、あの大学、『はらたいらさんに1000点』みたいなもんだろ」とか、「えっ、アイツ、もう所帯持ったの? なんか『はらたいらさんに1000点』みたいな生き方だな」とか。
【関連語】 「篠沢教授に全部」
ヒマする/ヒマしてる
「ヒマ」とは「暇」。つまり「ヒマする」とは「時間を持て余す」の意味。これも「状態をあらわす名詞」+「する」のパターン。
「ヒマしてる?」と疑問形になると、「今、時間ある?」の意味になる。
用法は、「あっ、今晩、ヒマしてる? 合コンの人数、一人足りないんで、どうかなと思って」とか。
ビンビン
もともとは「音が大きく響く」とか「心に強く伝わる」様子をあらわした副詞。「ベースの音がビンビン響く」とか、「彼女の思いがビンビン伝わってきた」とか。だが1980年代には、男のある部分がいつもにも増して硬くなっている様子を示すようになって、その他の意味では使いにくくなった。
そういう意味では田原俊彦さんと野村宏伸さんが主演したテレビドラマ『ラジオびんびん物語』(1987年)はいいにしても、『教師びんびん物語』(1988年)は衝撃だった。教師がびんびんはマズいだろう、と。
ピンポーン!
「チョレイ」とか雄たけびをあげる球技……とは関係ない。
テレビのクイズ番組で、正解が出たときの効果音「♪ピンポンピンポンピンポン~」から。「正解!」くらいの意味。「ビンゴ!」みたいな感じかな。ちょっと照れ隠しのニュアンスもある。
用例は「アンタ、この間の合コンのあと、秋山君と消えたでしょ?」「ピンポーン!」とか。
ブイブイ言わす
もともと「派手に遊びまわる」といった意味の関西弁だが、「勢いがあって、その場をとり仕切っている」「ある業界や界隈で、飛ぶ鳥を落とす勢いで有名になる」といった状態も指すようになった。
「アイツ、新しい会社でもうブイブイ言わせてるらしいよ」とか、「最近、六本木でブイブイ言わせているんだって」とか。
フェイドアウトする
「スネークアウトする」と同様、パーティーなどから「こっそり抜ける」「誰にも知られずに逃げる」こと。または「(人が)いつのまにか消えてしまう」こと。
前者の用例は「オヤジの話につきあうのも大変だから、忘年会、フェイドアウトしよっか」。後者は「あのミュージシャン、結構期待してたのに、気づいたらフェイドアウトしてたね」。
原義は音楽や映像が徐々に消えていくこと。昔の歌謡曲などの終わり方はサビの部分をリフレインさせながら徐々に音量をしぼるフェイドアウトが多かったが、カラオケが人気になってからは間が持たないというか間抜けな感じがするので、カットアウトが主流になった。それでフェイドアウトという言葉もあまり使われなくなった気がする。
【関連語】 バックれる エスケープする スネイクアウトする トンズラする フケる
ブッチする
「ぶっちぎる」からの転だと思われる。「約束を無視して行かない」という意味。
用例は「先公に呼び出されてんだけど、タリィからプッチしよ」。
ただ完全に死語になったわけではなく、「学校推薦をブッチする」という用例もあった。単に「約束を破る」「約束を反故にする」ということね。
2000年代に入ってからさらに短くした「ブチる」という表現が出てきたから、完全に死語化するのも時間の問題かもしれない。
ヘロヘロ
「疲れ切った状態」のこと。
たとえば、「昨日徹夜でもうヘロヘロだよ」「この3日間、デスクで仮眠しか取ってないオレのほうがヘロヘロだ」とか。
このころはみんな「披露自慢」をしていたね。頼むよ、診療所に集まる年寄りの「持病自慢」じゃないんだから。
また「手に負えない」というニュアンスを含めて使われることもあった。用法は「今度の新入社員の女の子。社会の常識が全然通じなくて、オレもうヘロヘロだよ」。
ベロンベロン
飲みすぎで、泥酔している状態のこと。「ベロベロ」をさらに強調した言葉(「べろべろ」自体もかなり死語に近いと感じていたが、最近では「せんべろ」(千円でベロベロに酔えるくらいお手頃価格の飲み屋)という言葉で、復活を遂げた)。
用法は「あいつ昨日、ベロンベロンに酔っ払っちゃって、大変だったんだよ」とか。
【類義語】 グデングデン/グテングテン
~ぽい
今でも使うが、1980年代ほど頻繁に用いられなくなったということで紹介したい。
あの当時は本当に「~ぽい」が連発された。「カワイイっぽいんだけど、セクシーっぽくて」とか、「聖子ちゃんっぽくしないほうが、私っぽい」とか。なんだよ、その「っぽい」の連発は! 正直言って、「ポイ付け禁止!」を叫びたくなった。
あと、「ボーイッシュっぽい」とか。「ボーイッシュ」がそもそも「男の子っぽい」という意味なのに、それに「~っぽい」をつけちゃうんだから、牽引車両を二、三台つけてオーストラリアの荒野のハイウェイを爆走するロードトレインくらいの力強さがある。……わからないよね、このたとえ。
いずれにせよ、最近の「~的」同様、「イライラする~っ、いい加減にしろ!」的な、生理的には許容範囲外的な表現だと思うんですよ、私的には。
ボディコン
「Body Conscious」の略。体にフィットした、ボディラインを強調した女性の服。ワンピースが主流。
レースクイーンや「バドワイザー・ギャル」などのキャンギャルのスタイルもこの流れ。当時は「ワンレン・ボディコン」が「トレンディーな女」の条件だった。
「イケイケギャル」なんていう言葉ができたのも、このころだと思う。
【関連語】 ワンレン
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