海外書き人クラブがお届けする『死語辞典』。「1990年代」に流行った死語とは? そのうち「ア~サ行」から始まるものの意味と用例・用法をまとめました。
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【ア行】
あけおめ/ことよろ
それぞれ「あけましておめでとうございます」と「今年もよろしく」の略。「あけおめ。ことよろ」はだいたいセットで用いられた。
最近でもまだ使う人がいなくもない。と思っていたら、2018年1月中旬からパタリと聞かなくなった。しかし私は予言しよう。2019年1月上旬には少し復活することを。
【関連語】 メリクリ
アヘアヘ
非常に気持ちのいい様子。用例は「もう、アヘアヘでさあ」とか。どういう状態の話かは、とりあえず明言を避ける。
ただし「ウハウハ」同様、「非常に儲かった」といったニュアンスでも使われた。
【関連語】 エロエロ ウハウハ
アマアマ/あまあま/甘々
「考え方が甘すぎる」こと。つまり、全然ダメなこと。
または恋愛小説などのストーリーが「甘ったるすぎる」こと。
言葉の由来は、「甘い」を重ねたのかもしれないが、「アマチュア」の「アマ」を連続させた可能性もある。
用例は、「その企画、大枠はいいけど、細部がまだアマアマな感じだよね~」。または、「あの恋愛小説甘々過ぎて、私にはちょっと無理だった」。
アリアリ
「それもアリだね」の「アリ」を重複させたもの。
重複させているから「無茶苦茶アリ」という意味に思われるかもしれないが、意味はその逆に近い。「面と向かってはいいにくいけど……ちょっとそれはありえないだろ、やっぱり」くらいのニュアンスで用いられることが多かった。
用例は「うーん、アイディアとしてはアリアリだけど、うーん、予算的にどうかな?」。または「あっ、この間、合コンであった花子ちゃん? うーん、つきあうってうのもアリアリだけど、ちょっと踏ん切りがつかないんだよね……」とか。
ウルトラ~
標準語でいうところの「とても」「すごく」。関西弁の「めっちゃ」。英語でいうところの「ベリー」。現代語の「チョー」。
用法は「今日、ウルトラマンが地球を救ってくれました。ウルトララッキ~」とか、「ウルトラマンさん。いつも地球を救ってくれて、ありがとうございます。ウルトラうれし~です」とか、「ワタクシ、東京タワーと申します。毎回毎回格闘の度に壊されて、ウルトラ困るってるんですけど」とか。ウルトラマンがらみの例ばかり挙げたが、もちろん他の話でも使える。
エロエロ
「エロい」の「エロ」を重複させた言葉。つまり「とてもエロい」という意味。
基本的にはいい意味でつかわれることが多かった。用例は「アイツのカノジョって、ちょっとエロエロでいいよな」とか。「エロかっこいい」とか「エロかしこい」が出る前の褒め言葉。
【関連語】 アヘアヘ
オードソックス
「オーソドックス」のこと。だがちょっとわかりにくいので、今使うと単なる「勘違いしている無知なヤツ」と蔑まれる可能性が高い。極めて危険で劇薬的な死語。
オヤジギャル
故・中尊寺ゆつこさんが、漫画『スイートスポット』で発表した言葉。「オヤジみたいな行動形態を取るギャル」の略だが、ここでいう「ギャル」は今の用法よりも少し年齢が上の20代OLを指す。つまり「オヤジみたいな行動形態を取るOL」の意味。
缶ビールやカップ酒をグラスに移さず口にしたり、最初の一口飲んだ直後、「ぷはーっ。たまんないねえ~」と叫んだり、おでんの屋台に一人で、または女性だけで立ち寄ったり、出勤途中に駅の売店で栄養ドリンクを買って飲み干したり、ホームで菓子パンをむしゃくしゃと食ったり、駅の立ち食いソバに一人で入ったり、赤鉛筆片手に競馬新聞を読みふけったり、歩きタバコをしたり、股をひろげて股間を掻いたり、こった肩や首をひと目もはばからずにボキボキ鳴らしたりといった、「友だちとしてなら最高にたのしいんだけどね……」的な行動をとる。もちろん、「……」の意味は、「カノジョにする気にはならないなあ、オレもモノ好きじゃないから」。
オヤジギャルのみなさんは、みな、「オヤジ道」を極めたと思われているかもしれない。だが私が5年間働いていた大阪ではカップ酒を片手にJR神戸線新快速列車に乗り込み、ジャムパンやクリームパンというシュールなおつまみを口にしながら、「のんびり日帰り一人旅」的な雰囲気で夕方帰宅の途につくサラリーマン・オヤジがうようよいた。その「最強レベル」に達したオヤジギャルに、私は今だかつて出会ったことがない。
まあ、それも無理はない。だってジャムパンやクリームパンつまみにワンカップだよ。「和食のあとにコーヒー」とか「どんな食べ物にも合うアイスティー」みたいなキャンペーンで、いわゆる「消費機会の拡大」を目指すというのが広告屋の常套手段の一つなんだけど、「ポン酒にジャムパン」は思いつかないよね。……あっ、「ポン酒」も死語か。
でもジャムパンは、駅の売店で売られているものの中で「安くていちばんボリュームがある」という選択理由なんだろうな。
オヤジギャルはたのしかったかもしれないが、本物のオヤジたちは大変だったんです!
【カ行】
カツカツ
金銭的におそろしく危機的状態にあること。予算的にギリギリであること。
たぶん語源的には「枯渇」の「渇」を重複させたものだと思う。
用法は、「昼飯、ほか弁のごはんだけにしとくわ。給料前でカツカツなんで」とか。
個人的にはコピーライターをしていたころ、ナレーター事務所の方によくこんなお願いをしていたことを思い出す。「すみません。今回のラジオCM、予算がカツカツなんですよ。ナレーターのギャラ、ちょっと抑えめでお願いできませんかね」とか。
ただし、ラジオCMに限って言えば、予算がカツカツでなかった試しなどない。
ガッツンガッツン(行く)
「積極的にどんどん手がけて行く」くらいの意味。
用例は「オレ、やるときはやるんだよ、ガッツンガッツンと」。そういうヤツに限って、今まで一度も「やるとき」が訪れたことがない。
おそらく「ガッツ」から派生した言葉。2010年代に良く用いられる「ガッツリ」も同様だと思われる。
激~
強調するときに用いられる「爆~」が勝手に領地を広げようとしたものだから、「激~」は激怒しちゃって、あちこちに進行し始めた。「激似」とか「激甘」とか。
また今では当たり前のように用いられている「激辛」もじつは造語で、「神田淡平店」というお煎餅屋さんの鈴木昭さんという店主が考案したものらしい。1986年の新語・流行語大賞の銀賞とのこと。
あと、最近では「激便」という使い方もある。「便秘が解消して、たまりにたまっていたものを一気に放出する」という意味のか、はたまた「おなかを壊して、ほぼ垂れ流し状態になる」ということなのか、良い子のみんなはどっちだと思う? 正解は「激・便利」の略なんだって。……ちょっとフンガイしちゃうよね!
ゲロ~
「とても」「すごく」の意味。
用法は「あの子、ゲロかわいいよね~」とか、「ゲゲッ、ゲロうまいじゃん、このラザニア」とか。もう、ゲロ嫌になってきた。
語源は「吐しゃ物」の「ゲロ」だと思われる。もともと悪い意味だった「ヤバい」がいい意味に用いられるようになったのと似た変化。
ごちそうサマー 他
「おつかれさま」とか「ごくろうさま」の「さま」を、夏の意味の「サマー」に言い換えただけ。
用例としてある夏の夜のビアガーデンでの会話を挙げてみる。
オヤジサラリーマンA(部下)「おつかれサマーです」
オヤジサラリーマンB(上司)「おおっ、ごくろうサマー」
オヤジサラリーマンA(部下)「おかげサマーでうまくいきました」
オヤジサラリーマンB(上司)「こちらこそお世話サマー。じゃあ、カンパイ」
(数時間後)
オヤジサラリーマンA(部下)「今日は本当にごちそうサマーでした」
「……だから何?」っていう読者の皆さんの気持ちもよくわかるが、私を責められても困る。「様」を「サマー」と言い換えるだけでたのしいんだったら、それはそれで見て見ぬふりをしてあげるのが大人ってもんでしょう。
【サ行】
セコセコ
「セコい」の「セコ」を重複させたもの。つまり「非常にセコい」の意味。
用例は「ウチの社長、セコセコだからなあ」とか。
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