(海外書き人クラブがお届けする『死語辞典』が、1980年代に流行った死語「イタ飯!」の意味をズバリ解説。用例もアリ。これであなたも死語博士!)
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この場合の「イタ」は「痛車」とか「イタい女」の「イタ」、つまり「なんだか見ていて痛々しい」という意味ではない。では何かというと「イタリア」の略。そして「飯」は「料理」のこと。
というわけで「イタ飯」とか「イタリア料理」のことをさす。ではなんでこういう言い方が生まれたかというと、省略してちょっとぞんざいな言い方をすることで「オレはそんなもの食べなれてんだよ」みたいなニュアンスを醸し出したかったんだと思う。まさにバブルの時代を如実に表す言葉。
当時は本当にイタ飯が流行った。フレンチほど気取らなくてよく、中華料理ほどメジャーすぎないあたりが、若造たちの背伸びデートにピッタリだったのだ。そのあとタイ料理とかベトナム料理とか、アジア系の「無国籍料理」が人気になる。
「イタ飯」の用例はたとえば……。
女「ねえねえ。今度のデート、イタ飯がいいな」
男「ああ、イタ飯なら、オレすごくおいしいとこ知ってるから」
女「うわっ、頼もしい。じゃあお任せするね」
男「おおっ、任せてチョンマゲ」
そしてデート当日事件は起こった。
女「…………。ねえ、私、イタ飯がいいって言ったよね?」
男「うん。だから中華にしたんだけど」
…………。それは「イタ飯」じゃなく「炒め飯」ね、きっと。
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