(海外書き人クラブがお届けする『死語辞典』が、1980年代に流行った死語「オタッキー」の意味をズバリ解説。用例もアリ。これであなたも死語博士!)
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「オタク」のこと。またはその形容詞形。
「オタク」は暗いイメージがあり、外見的にもある種の近寄りがたさ、端的に言えば「完全に別世界の人」感を備えていた。一方、「オタッキー」にはもう少し現実社会との融和が見られたというか、外見的には普通なのに、意外とオタクな部分があるような場合に用いられたように感じられる。あくまでも「感じ」で、そこまで厳密に使いわけていた人ばかりではないかもしれないが……。
ただ真の「オタク」道を追及している人たちから見ると、境界域の「オタッキー」は「世間にすり寄った、オタクの風上にも置けない軟弱者」というイメージだったのかもしれない。よってオタク自身たちに支持されることなく、オタッキーという言葉は使われなくなったのだと思われる。
たとえば「初恋の相手」について話しているときに、「オレの初恋の相手はナウシカだな」と平然とうそぶき、その後、ナウシカのかわいさについて力説するような相手に対して、「おっ、おまえ、オタッキーだったのかよ」とか。
当然「初恋の相手はサリーちゃん」「初恋の相手はすみれちゃん」の場合も、「おっ、おまえ、オタッキーだったのかよ」と言われるが、「初恋の相手はよし子ちゃん」の場合は、爆笑を巻き起こすか何ごともなかったように無視されるか、とにかく別の反応が帰ってきた。