【釜山影島の人気スポット】ヒンヨウル文化村でヒーリング体験!

韓国第2の都市・釜山は日本から最も近い海外といっても過言ではありません。成田空港から2時間15分、関西国際空港からは1時間半。

中でもおすすめなのが「影島」にある観光スポット「ヒンヨウル文化村」。数時間あれば回れるエリアでありながら、釜山ならではの絶景と庶民のグルメまで楽しめてしまいます!

海外書き人クラブ新会員、釜山在住ライターの今井ゆかがヒンヨウル文化村の魅力に迫ります。

影島ってどんなところ?

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物流の拠点ならではの海の様子

まずはヒンヨウル文化村がある影島について簡単に紹介します。朝鮮半島の南東に位置する釜山は山と海が近く、自然豊かなスポットが点在している地方都市です。

中でも影島は韓国の貿易の拠点「釜山港」がある中央洞や、伝統市場と繁華街で有名な南浦洞から南に位置し、歴史と開発による異色の存在感を示しています。

影島は昔から貿易と漁業で栄えましたが、傾斜地が多くアクセスしにくい地域。そのことが韓国の激動の歴史においてある役割を果たします。その歴史とは朝鮮戦争のことです。

1950年、北朝鮮が韓国に侵攻して始まった朝鮮戦争では当初大勢の犠牲者を出し、韓国全土がほぼ占領されるほどの劣勢に。韓国政府は拠点をソウルから釜山に移し人々も南へ避難したため、釜山は巨大な避難地域になりました。

居場所を求めた避難民たちが選んだのはアクセスしにくく平地も少ない、山と丘陵地帯が広がる影島。こうして人々は崖の上に集落をつくりました。その一画が現在の「ヒンヨウル文化村」です。

 

韓国のサントリーニ!小さな文化村の魅力

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ヒンヨウル文化村の案内図

ヒンヨウル文化村には海辺の散策路のほか、上部一帯には小さな建物と狭い小道、そして隠れ家のようなお店が集まっています。ここからは写真と共にヒンヨウル文化村の魅力を感じてみましょう。

 

海が見えるアートスポット

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遠くに南港大橋と松島が見える

ヒンヨウル文化村は一帯の建物が白や青などの明るいトーンでまとまっており、別名「韓国のサントリーニ」。「サントリーニ」とは断崖の上に立ち並ぶ建物の白と、エーゲ海と空の青とのコントラストが絶景とされるギリシャの島です。

この色を統一した街並みは2011年影島区の取り組みの一環によるもの。かつて避難民が暮らした建物の廃墟や空き家をリフォームし、白と青のトーンのお洒落な文化村につくり変えたのでした。

そしてこの地域一帯を「ヒンヨウル文化村」と名付けます。「ヒン」は韓国語で「白い」、「ヨウル」は「早瀬」という意味。影島の名勝、蓬莱山(ボンレサン)から流れ落ちる水流の様子が白い雪のようだということからきています。

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ペイントされた階段と壁

地域一帯の開発にはアーティストたちも参加し、建物の壁や階段に絵を描いて彩りました。こうして全体に統一感をもたらし、写真映えするアートスポットになりました。避難民の小さな集落が「文化村」として生まれ変わった瞬間です。

ところでヒンヨウル文化村周辺の勾配は予想以上です。実際に訪れるとわかるのですが、急傾斜の道が多くハンパではありません。こんなに建てにくい場所に住居をつくった避難民の熱意に脱帽。悲惨な戦争を経験した人々の切実さが伝わってくるような気がします。

訪問した時期は真冬でしたが、階段や坂を上り下りしていたら汗ばんできました。日頃の運動不足もあり、筋肉痛になりそうです。

 

映画の撮影地

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映画「弁護人」の撮影地。現在はカフェ

ヒンヨウル文化村が釜山のアートスポットとして注目されると、メディアや映画の撮影にも使われるようになります。

有名なのがソン・ガンホ主演の映画「弁護人」(2013年)の撮影地。現在はカフェになっています。他に「悪いやつら」(2012年)の撮影も行われた場所もあります。

また映画好きの方には、映画にまつわる展示が楽しめる、ヒンヨウル文化村映画記録館もおすすめです。

 

庶民のグルメ、インスタントラーメン

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海を眺めながらラーメンをすする

さて歩き疲れて小腹がすいたら寄りたい場所が食堂。ヒンヨウル文化村には、小さな食堂、カフェが点在していますが、おすすめなのが「ヒンヨウルジョムバン」です。

実は韓国でラーメンというとインスタントラーメンが一般的で、気軽に食べる国民食として人気。そんなインスタントラーメンがこのお店では1人前ずつ鍋に入ったまま出てきます。

レトロ感漂うアルミ鍋が、単なるラーメンを特別な味わいに変えてくれるに違いありません。窓際の席でラーメンをすするのはなかなかオツなものです。ただし「インスタントラーメンをわざわざ外で食べたくない」という方には、このお店のサンドイッチをおすすめします!

 

大型船をのぞむオーシャンビュー

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大型船と海と改装工事中の散策路

ヒンヨウル文化村の上段の通路を歩いていると広大な海が見えます。ですが影島の海は一味違います。小さな船よりも大型の船舶が停泊しているからです。世界有数のコンテナ船のハブ港湾である「釜山港」が近いことを思い出させてくれます。

なお海辺の散策路の先にある海洋トンネルも写真映えスポットとして有名。しかし訪問時には改装工事で階段が閉鎖されており散策路にたどり着くことができませんでした。

聞いてみたところ2025年5月頃まで工事中とのことです。残念ですが次回に期待することにしました。

 

ヒンヨウルで暮らすたち

ネコ

自分時間を過ごすヒンヨウルの猫たち

「韓国のサントリーニ」の魅力として、欠かせないのが猫たちです。散策しながら2、3匹に出会いましたが、人に慣れているのか近づいても逃げる様子はありませんでした。海を眺めている猫に、無視してゆっくりと歩き去る猫、何かに気を取られている猫がいました。

共通点はどの子も人の目を気にしていないことかもしれません。人間とは違う時間軸で、自由に過ごす様子は自然体そのもの。忙しい日常を忘れて見入ってしまいました。

 

過去・現在・未来へ進化しつづけるヒンヨウルに注目!

釜山

1枚撮っておきたい!撮影スポットのひとつ

もともと避難民の集落として始まったヒンヨウル文化村ですが、お洒落に整備され、釜山を代表する観光地のひとつになりました。しかし国内外から観光客が訪れ、経済的な利益をもたらす一方、地元の住民の方々の生活空間が侵害されているともいわれています。

今回私も小道を散策しながら高齢の住民の方々を見かけました。生活空間がこれほど近ければ、観光客の話し声などによる騒音問題や住居の内部が見えてしまう等の問題は、避けにくいかもしれません。訪れる際にはお邪魔する気持ちを忘れずに楽しみたいものです。

さて、ヒンヨウル文化村へは釜山の繁華街である南浦洞からバス利用にて20分程度でアクセスできます。釜山にお越しの際は日程に入れてみてはいかがでしょうか? 坂や階段の上り下りでたくさん歩くので歩きやすい靴で訪問することをおすすめします。

(文・写真 今井ゆか)

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