ロングステイ財団が調査で「日本人の移住したい国ナンバーワン」に10年以上連続で君臨し続けているマレーシア!! ここでは外食文化が発展していて、朝ごはんを外ですませることが多いです。マレー系、中華系、インド系……多民族国家ゆえのバラエティーに富んだ朝ごはんの魅力に、海外書き人クラブ会員近藤菜穂子が迫ります!!
1.中華系朝ごはんの定番「飲茶」
日本人の口によく合う点心はDim sumと呼ばれ、中華系の朝ごはんの定番です。一皿約5~10マレーシアリンギット(150~300円)とお手頃な価格ながら、味わいは本格的です! プリップリッのえび餃子、アッツアツのスープが溢れる小籠包、デザートのゴマ団子やエッグタルトまで、中国茶とともにお好きなだけ召し上がれ!
2.インド系の朝ごはんの定番「ロティチャナイ」
バター風味のナンに似た平たいパンで、プレーンやバナナ、チーズ、ミロ味などバラエティー豊か! 注文すると目の前の鉄板で焼いてくれます。できたてホッカホカを、スパイシーなカレーを共に「いっただきまーす♪」。
地元の人にも現地在住日本人にも大人気の市場「TTDIマーケット」などで楽しめます。
こうした市場では新鮮な野菜やお肉を求め、朝早くから多くの人が集います。日本ではみられない、ワイルドなお肉の売り方(苦手な人もいるかも)に、見たことのない果物や魚など、歩くだけで面白い!
インド料理だけでなく、カットフルーツの食べ歩きや、窯出し豆腐にほのかに甘いシロップをかけた「豆腐花(トウフファ)」も楽しめます。
3..ピラミッド型がかわいいマレー系の朝ごはんの定番「ナシレマ」
マレーシアの国民食ともいわれる「ナシレマ」は、マレー語で「リッチなライス」という意味。ココナッツミルクで炊いたごはんをバナナの葉で三角に包んだ可愛い見た目で、屋台、フードコート、コンビニなど街の至るところで買うことができます。約5マレーシアリンギット(150円)とお値段もかわいいです。
キュウリ、ゆで卵、ピーナッツ、揚げた小魚、サンバルと呼ばれるスパイシーなソースがごはんに添えられ、ポリポリやコリコリ、カリカリやモチモチなど様々な食感と、塩味の小魚やスパイシーなサンバルソースがアクセントになります。屋台やフードコートでは、お好みでフライドチキンなどを追加でトッピングできます。
マレーシアの国民の6割はムスリム(イスラム教徒)で、豚肉を食べないため、マレーシアは鶏肉料理が好まれます。そのためか肉そのものも、鶏肉料理のレベルも高く、フライドチキンもどこで食べてもジューシーで美味です。マレーシア人は辛い物が大好き! なのでサンバルソースは控えめに言ってもかなーり辛いですが、辛い中にもコクがあり、お店ごとに味の違いも楽しめます。
4.朝からがっつり肉を食べるなら「肉骨茶」
肉骨茶(バクテー)は豚肉を薬草煮込んだマレーシア、シンガポールのソウルフードです。起源には諸説がありますが、クアラルンプールの西に位置するクランという港町が発祥の地とされています。
アッツアツの土鍋にゴロゴロと肉の塊が入った薬膳とスパイスの効いた醤油味のスープが運ばれてきます。ごはんにかけても良し!!中国式の揚げパン「油條(ヨウティアオ)」をヒタヒタして食べるも良し!
かつては、港の肉体労働者が朝ごはんに食べたとも言われるガテン系ご飯で朝からパワーチャージ。漢方の効果もあり、身体もポカポカになります。市街地にも美味しい肉骨茶屋さんがたくさんあります。お店ごとのスープの違いを食べ比べるのも楽しいかも!!
5.「カヤトースト」とコーヒーを片手に朝のひととき
マレーシア人はお茶をするのが大好き。朝から「Kopitiam(コピティアム)」と呼ばれる地元カフェでは、日本の喫茶店のモーニングセットのような朝食を楽しみます。
中でもカリッカリのトーストに「カヤジャム」と言われるココナッツミルクと卵の煮詰めたジャムを塗った「カヤトースト」が人気! 甘いものが大好きなマレーシア人の好みに合わせ、ドリンクは基本的に砂糖入りや練乳入り、または「両方入り」が基本です! 中でも練乳入りの紅茶「テタレ」は大人気。もし砂糖なしが良いときは、注文のときに予め伝えましょう。
カフェのモーニングセットでは他に、クッキー生地をまとったほんのり甘い「ポロパン(パイナップルパン)」も人気です。
6.やさしい味の「スープワンタンミー」で始まる一日
比較的濃い目の味つけが多いマレーシア料理が続くと、身体が優しい味を欲します。そんなときには「スープワンタンミー」! 透き通るようなきれいなスープはあっさりしていて、玉子麺(製麺の際のつなぎにかん水ではなく卵を使ったもの)によく合います。自家製チャーシューとワンタン、野菜が添えられ登場します。口にするとホッとする優しい味です。
7.地元民愛用の「ホーカー」でお好きなメニューを
「そんなにたくさんあるんじゃ、何を食べたいか決められないよー」……という方におススメなのはホーカー! 街中の至るところにある屋台が集まったフードコートのような場所で、食のデパートとも言えるでしょう。
出勤前にご飯を食べる人で賑わいます。今まで紹介したメニューも大体見つかります。お好きな屋台を選んで、できたてを運んでもらいましょう。
国民食とも言えるチキンライスの屋台では、ローストされた香ばしいチキン、ふっくらスチームされたやわらかなチキンが丸ごと吊られています。チキンのスープで炊いたご飯とよく合い、甘辛いソースがさらに食欲をそそります。実は、チキンだけでなく、チャーシューやカリカリの皮が美味しいローストポークもジューシーでおススメですよ!!
以上、マレーシアのおすすめ朝ごはんになります。食のパラダイスと呼ばれるマレーシアには、まだまだ紹介しきれないメニューもたくさんあります。ぜひ皆様も地元民気分で朝食を楽しみ、一日の始まりにパワーチャージしましょう。
(文・写真 近藤菜穂子)