こんにちは。生きていることだけが取り柄、海外書き人クラブ所属、オーストラリアアウトドア部のユッキーです。今日はブリスベンの隣の市イプスウィッチにあるマウントブレイン(Mount Blaine)に行ってきたので、そのレポートをします。
南半球にあるオーストラリア・ブリスベンは、2月といえば夏まっさり。そして夏といえば山。山といえば夏。
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……と言いたいところなんですが、じつはブリスベンから日帰り圏内にはあまり高い山がありません(最高で標高1500メートル程度)。というわけで山から遠のきがちな季節です。登山口の標識なんかにも平気で、「春と夏は暑いので秋から冬に登ることをお勧めします」なんて書いてあったりしますから。
しかも今年は異常気象で、ここのところ私の家のあたりは連日最高気温34度以上の予想! たまに31度くらいだと「おっ、今日は涼しいねえ」。……人間としての、いや、恒温動物としての感覚、完全に狂わされています。
だけど暑さくらいで、私のアウトドア魂の燃えさかる炎は消えません(さっきの「山から遠のきがち」という発言はなかったことにしてください)。
考えました。確かに連日予想最高気温34度です。だけどそれは「最高気温」です。予想「最低気温」のほうは22度(日本の大都市のような熱帯夜はほとんどないんですね、ここは)。「だったら涼しいうちに登っちゃえばいいだろ」という安直な考えのもと、早朝出発することにしました(午前9時の予想気温は29度だったんですけどさわやかに無視することにしました。あと、安直な考えのもと出発した男は、そのあとも安直な考えで行動してしまうのですが……)。
さて、今回のターゲットは先ほども書いた通りブリスベンの隣の市イプスウィッチにあるマウントブレイン。このマウントブレインを選んだ理由は……。
- 我が家から片道1時間以内で、平均ルートタイム3時間半。よって9時くらいには降りてこられる
- ブリスベン近郊にある山にしては珍しく「行きと帰り別ルートが使える」らしい
という2つの理由からです。「らしい」っていうのはどういうことか……まあ、読んでください。
注意点1 早朝登り始めるべし!
というわけで我が家を出発したのは、朝焼けがまぶしい午前5時。本当はこのくらいの時間から登るほうがいいし、実際4時には目を覚ましていたのですが、今日の登山口までのドライブは最後の20分が未舗装道路。当然街灯もないので、暗いうちの運転は避けたほうがいいかという判断です。というのはいいわけで、「やっぱりやめとこうかな」とウダウダしてたんです。
で、登山口の「フリンダーズ・プラム・ピクニック・エリア」(Flinders Plum Picnic Area)の駐車場に到着したのは6時。一番乗りでした。
駐車場のすぐ脇からMt Blaine Hiking Trackが始まります。Mtはマニュアルトランスミッションではなく、マウンテンの略ですね。
注意点2 夏草がすごいことになっている
ものの1分ほどで、レンジャー以外の自動車が入れないようにする柵があるのですが、その先はこの状態です。
しばらく行っても、これ。
……兵ども、夢見すぎだろ。このときの私の心境。たぶんお分かりになると思いますが……はい、そうです、「やっぱ帰ろうかな」です。
ただ片道1時間かけて来たのにそのまま引き返すのももったいないし、兵どもがバトルを挑んできているのにすごすごと帰るのもヘタレすぎるので、我慢して突き進むと、左手に何やら看板が見えてきました。
近づいてみると……。
「Warning」(警告)、「Extreme Caution」(厳重に注意せよ)。
……心づかいに感謝。だけど何に注意すればいいのか教えてほしい。
そんなことを思いながら坂を登っていくと、あがりきった地点に下り向きににもこんな標識。
たぶん「落石注意」みたいなことなんでしょうね。ただここは中ボス感すらなかったです。このあともっと多くのボスが行く手を阻みます。
気分を萎えさせるような坂が向こうに見えてきました。この時の感想は「スキーのジャンプ台かよっ!」です。手前の兵どもはもう夢遊病状態です。
そしてしばらく進んでいくと……。
分岐点! ……なんかRPG設定を頭の中で繰り広げて歩いていたら、向こうもつきあってくれることにしたみたいです。で、見事に私、引っかかって矢印通り左へ5分ほど進んだところで「こんなはずはない」と引き返しました。
注意点3 ちゃんとした地図がない
正解はさっきの分岐点を右。マウントブレインに向かっている感じの道を素直に進めばよかったのです。言い訳をさせてもらうと、イプスウィッチ市が発行している公式パンフレットにも、この道は載っていないのです。冒頭で、行きと帰りで別のルートがとれる「らしい」と書いたのはこういうことです。
ところが100メートルほど進むと……。
こんな立派な説明書きがありました。なんなんだよ、このダブルスタンダードは! この道は「マウントブレインサミットトレイル」というみたいです。
写真ではよくわかりませんが、鉄条網に行く手を阻まれたら、右手に進みます。
注意点4 ガレ場がハンパない
そして現れるのがガレ場。かなり岩が動くのでヒヤヒヤものです。
土の道になると、ほっこりします。どんなに急でも。
じつはこの「マウントブレインサミットトレイル」に入ってからも、何度も現れる獣道状態のところで夏草に行く手を阻まれ……。撮影する余裕もなく、写真がなくてすみません。とりあえず通り抜けたあとの、兵攻撃……の夢の跡を貼っておきます。夏草の種子がビッシリ。でも乾くと、はらえばすぐに落ちます。
ちょっとほっこりしながら登ります。じつは登山途中もかなり景色はいいのですが、それはラスボスを倒してからお見せしましょう。
なんて言っている間に……。
注意点5 頂上到着。だけど日影がない
頂上は16畳ほど大きさでしょうか。デイバックとくらべていただくとわかると思います。ほぼ平らで、360度の景観。
今までオーストラリアで登った山の中でも、かなり見晴らしがいいほうだと思います。ただ……日影がないっ! まだ朝の7時半くらいなのですが、そそくさと帰ります。
一応、ケルンとのツーショット。
さて降りる道ですが、オレンジのテープが、登ってきた道から見て左手(東側)と正面(南側)に見えたので迷ったのですが、ネットで調べたら「登ってきたほうの反対側」と書いてあったので、正面を下ります(あとで調べたら左でも戻れるみたいです)。
下りのルートは少なくとも10メートルおきくらいにこんなオレンジのテープがあって、わかりやすかったです。
関係ないけどオレンジの果実があったので友情出演してもらいました。なんて余裕をかましていると……。
注意6 巨大ガレ場で道に迷う
ここガレ場、岩がゴロゴロ動いて、ハンパなくヤバいです。頭の中に浮かんだイメージは劇団四季の舞台『ライオンキング』で、シンバがイノシシ軍団に追いかけられるシーン。……なんて言われてもわからないですよね。
そしてここで大問題。幸福のオレンジテープがなくて、中央突破を試みたり左から回り込んでみたりしたのですが、どうやら道らしきものはなく。正解は山を巻き込むようにして右に抜けます。ここで5分ほどロスしました。
注意7 かなり頑丈なツタが多い
道中、こんなツタがかなりありました。かなり丈夫で、私もひっかかって何度も転びそうになりました。先ほどの「ゴロゴロ岩のガレ場」なんかと比べると障害物キャラとして見た目はかなり小物感があるのですが、引っかかって転倒するとかなりヤバいですから気をつけてください。「こんなもの中ボスにもならない」と見くびっているとまさに足をすくわれます。……ちょっとうまいこと言った気分。
そんな感じで下っていくと、さきほどの「マウントブレインサミットトレイル」の説明書きのところに戻ってきました。正面に見えるのがそれですね。
標準コースタイムどおり2時間半のペースで、あとは駐車場まで戻るだけ……なんですけど、ここで冒頭書いた「安直な考え」が頭に浮かんでしまい……。
続きはたぶん明日。
【文:海外書き人クラブ ユッキー】
(「海外在住ライターを使ってみたい」と思われている方。「海外在住ライターになりたいと思われている方。耳寄りな情報があります。ぜひこのページの下のほうまでご覧ください)
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