新型肺炎で世界各国が中国を「逆鎖国」している今。日本に未発症のウィルス保有者が殺到するかも⁉ そして日本も「逆鎖国」されるかも⁉
そんな最悪のシナリオも現実味を帯びてきました。
海外書き人クラブ会員、オーストラリア在住ライターの柳沢有紀夫です。
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2020年2月2日現在、アメリカやドイツ、オーストラリアやニュージーランドなど多くの国で、中国との航空便が長期運休にしたり、「2週間以内に中国を出国した人は(市民権保持者や永住者を除いて)入国拒否」にしたりという措置を講じています。
そして同様の措置を国々は増えるでしょう。
ただ2月2日現在、日本政府はそうした措置はとっていません。
するとどういうシナリオが考えられるでしょうか。
Step1 中国出国希望者が日本に殺到する
富裕層などで中国からの脱出したいと思っている人たちは、飛行機の運航再開や各国の入国禁止の解除を気長にまつことなどしないでしょう。とにかく今一番危険と思われる中国から、「まずはどこでもいいから」と脱出を図るはず。
でも今は、そしてこれからますます、入国できる国は減っていきます。
現在でも入国できる日本は、近いこともあるし、宿泊施設も充実していることから、最有力候補の一つと言えるでしょう。
そうして来日する人の中には、「未発症だけどウィルスを保有している人」も少なからずいるはずです(だから米独豪などは入国禁止にしたのです)。
Step2 日本に入国した人たちは少なくとも2週間滞在する
来日してそのまま日本に留まる人もいるでしょう。
一方、親せきがいるアメリカやオーストラリアやニュージーランドなど、他の国への再移動を希望している人もいるでしょう。
ただし、この人たちもすぐには移動できません。それらの国々が「中国出国以降2週間は入国を許さない」などの措置を取っているからです。
つまり来日した人たちは最低2週間は日本ですごすことになります。
観光業は「特需でウハウハ」にも一見感じられますが……それは間違いかもしれません。
Step3 ウィルス保持者が大量に日本で発症、中国レベルで大流行する
「未発症だけどウィルスを保有している人」がいれば、当然発症しますし、感染源にもなります。
日本でも現時点での中国と同じか、それ以上の発症率の「大流行」を招く可能性もあります。日本でも数多くの死者が出るかもしれません。
Step4 中国についで、日本も「逆鎖国」状態にされる
そしてもう一つ怖いのが、各国の対応です。こんな状態になった日本に対して、他国はどういう措置を取るでしょうか。
他国が今、中国に対して取っている措置が参考になます。
つまり……。
アメリカやドイツ、オーストラリアやニュージーランドのように、日本との便を全面的に運休にしたり、日本を出国した人の入国を拒否するといった措置をとるでしょう。
自国の国民を守るためには当然の措置です。
そして日本も「逆鎖国」状態状態になり……。観光業はもちろん、様々な分野で多大な影響を及ぼしそうです。
これは「あってほしくないシナリオ」です。もちろん私もこのシナリオがはずれることを願っています。
でも「あってほしくないシナリオ」イコール「ありえないシナリオ」ではありません。
ありえるシナリオを想定して必要な対策をとる。各国政府がやっていることを日本政府にも望みます。
(柳沢有紀夫個人の意見であって、海外書き人クラブ会員の総意ではありません)
(文・柳沢有紀夫)
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