こんにちは。海外書き人クラブ所属、オーストラリアアウトドア部のユッキーです。
じつは4月から5月にかけてオーストラリア内陸部のオレンジ(シドニーか飛行機で1時間)というファンキーな名前の市に滞在してきました。はい、マジでOrangeという都市名です。で、ここを拠点にあれこれアウトドアってきたので、今回を皮切りにそのいくつかを紹介したいと思います。
まず今回はOphir(オウファ)というところにある長さ120mの真っ暗金鉱跡のトンネルを探検した話です。
このOphirの金鉱跡、オレンジの街から28キロほどのところにあります。公共交通手段はないのでレンタカーで。Cubs Ophir Camp Locationというキャンプ場が、車を停められる場所です。
地図だとここです。↑
ただし途中から未舗装の道路になって、しかもものすごい悪路。ギアをLにして時速20キロくらいで走っていても四駆以外だと「車、ぶっこわれないかなあ」と心配になるくらいです。特にOphir Roadというのを経由するとひどいので、Banjo Paterson wayからLower Lewis Pond Roadから行くことを強くおすすめします! とはいえLower Lewis Pond Roadもかなりの悪路ですが……。
グーグルマップだと所用時間31分と表示されますが、四駆でもたぶん無理。少なくとも50分ほど見ておいたほうがいいと思います。
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さて、キャンプ場に車を停めたら、二つあるウォーキングトラックのうちNo.1 (A Stroll Around Ophir)を進みます。オレンジ市のツーリストインフォメーション(観光案内所)でもらった案内チラシ(というかA3の両面コピー)によると、所要時間は「1~2時間」。……はい、適当にもほどがあるってもんです。
まあ、とにかく出発です。
タイトルにもあるとおり、ここの見どころというか体験しどころは「長さ120メートルの金鉱跡のトンネル歩行」です。だけど、それがどこかわからない(あとでA3の両面コピーを読んだらちゃんと書いてありました。案内はちゃんと読みましょう。笑)。
とにかく進みます。ちなみにOphirの金鉱は1851年から掘り始められたオーストラリア最初のものらしいですが、あまり成果があがらなくてしばらくして閉山になったみたいです。
道をぐんぐん進みますが……それらしきものはなかなか出てきません。
そしてようやく発見したのが、これ!
この自然にできた感じではなく、いかにも「掘りました」という壁面は明らかに金鉱の跡!
いや、しかし……。垂直下降するようなところを観光案内所でおすすめするか? A3の両面コピーといえども、チラシも用意しているし。ロッククライミングじゃない限り、登山の鎖場でもこんな垂直見ないぞ。
それに柵に囲まれてるだろうがっ、ここはっ!
という自分たちへの叱責(「ののしり合い」ともいう)を相棒氏とかわしながら、次に進みます。
そしてついに…‥おおっ!
と思いきや、近づいてみると奥行きはほとんどない。
そんな感じが数回続きます。
脈ありだと思ったのに単なる勘違いだったという経験の連続である自分の青春時代を思い出しました。
ところがこの先、右側を見ると……。
おおっ、トンネルだっ! (感激しすぎてワナワナと手ぶれしてますね、すみません)
けど……高さは50センチほど。四つん這いでも無理で、ほふく前進しないといけない場所を観光案内書がおすすめするか?
何度自分に問いかけてみても「いや、しないだろう」という反語以外は頭の中で浮かびません。しかもどう見ても長さ120メートルはないし。
それでも「ほふく前進してみたら?」と相棒氏をそそのかそうとしたのですが、途中でヘビとかに遭遇したら逃げ場ないしなあと考え直して、やっぱりやめさせました。
行けると思ったのに袋小路に嵌まり込んでばかりだった自分青春時代を思い出しました。
そのあと発見したのがこれっ!
だけど、やっぱり奥行き3メートルくらいしかない。
じつはこのウォーキングトラック、途中で何度も道なき道みたいな感じになって、そのたびに「もしかしたら迷ってる?」という不安に駆られていました。でもこんな案内板が出てくるたびに一安心。
……とはいえ判読困難なくらいの汚れ具合(なんか『ハリーポッター』とかに出てきそう)。見るからにあまり整備をされていない模様です。実際、平日だったせいもありますが誰かを追い越すこともなければ、すれ違うこともなかったです。
マジで無事に帰れるのかなあ。
そんな風に不安になってきたころ見えてきたのが……。
スタート地点のキャンプ場。目の前には清流があるのに、頭の中には嫌な予感の濁流が押し寄せてきます。
……ってことは、メインアトラクションの「120メートルトンネル」を見事にスルーしたのか? トンネルの中をスルーするつもりが、そばをスルーしてしまったってことか?
これじゃあ、「世界のコトなら」の記事にもできないなあ。けどまあいいか。遭難もせずに無事に戻ってこられたのだから、と自分たちを納得させていたら……。
なんとの前に現れたのがこれっ! キャンプ場のそばで、逆回りのルートだったらすぐに発見できたみたいです(笑)。まあ、いきなりメインイベントが来るよりいいかな、と。ラスボスも最後に登場しないと。
上にも穴は空いていたのですが、入るのが困難そうなので相棒氏の立っている入り口に向かいます。
しばらくまっすぐに進みます。10~20メートルくらいですね。はい、「A3の両面コピーチラシ」にならってこのへんは適当です。そこで右に直角に曲がると、すぐに本当にまっくらな世界っ!
フラッシュをつけて撮るとこんな感じですが……。
懐中電灯だけだとこう。
懐中電灯かヘッドランプがないと絶対に先に進めません。……というか、進めたとしても全然おもしろくないですよね、真っ暗なんだから。
「トンネル」ということだったので、通り抜けできるのかと思ったのですが、最後は行き止まり。そのまま戻ります。
自然の洞窟なんかと違ってコウモリが巣をつくっていたり、ヘビなんかが隠れているということはなくて、足元も場違いなほど平らになっているのですが……暗闇ということでなんだか妙に怖かったです。懐中電灯を一つしか持ってこなかったので、それが壊れたらどうしようとか。……相棒氏に「スマホつければいいじゃん」と笑われましたが。そうか、スマホって現在時刻を確認したりアラームをかけたりする以外にも、そんな機能があるのか! もっ、もしかして電話なんかもかけられたりして……。ギャグがトンネルに入り込みました。
とにかく。ちょっとやそっとではできない本当の真っ暗洞窟体験。みなさんも、ぜひ!
【文・ユッキー】
(この記事を書いている海外書き人クラブの紹介が、ページの一番下にあります。ご発注やご入会をお考えの方、ぜひご覧ください)
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