【オーストラリア在住ライター直伝】注意! オーストラリア税関で持ちこめないもの3例

寿司桶

ちまたでは「世界一厳しい」と言われるオーストラリアの税関持込み審査「何がOKで何がNGなのかイマイチわからない」という声もよく聞かれます。そこで在住17年、税関通って数十回の私が解説します。

こんにちは。海外書き人クラブ所属・オーストラリア在住ライターの柳沢有紀夫です。

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頻繁に変わる審査基準

オーストラリアの税関持込み審査が「何がOKで何がNGなのかイマイチわからない」と言われる理由の一つが、「基準がときどき変わること」です。たとえば「のりたま」などの「ふりかけ」。以前は「卵製品が入っているからダメ」で、私は「えっ、だってこれ、乾燥された卵だよ? 乾燥されててもダメなの?」と不毛なバトルをしたことがあります。……勝ち目ないですよね。

ところが私の不毛なバトルが功を奏して……というわけではないのでしょうが、今は基準が変わって、「加工された卵製品(例: マヨネーズ、卵・卵かんすいを使用している麺(中華麺、パスタなど)、卵が具として含まれる加工食品(インスタントヌードル、のり玉ふりかけ、親子丼の素、炒飯の素、卵粥など)は、(中略)持込可」となっています。

タバコもずっと200本までOKだったのですが、今確認したら50本になっていました。

そしてまた「今」はそうなのですが、いつまた基準が変わるかもわからない。というわけでこの記事に「今」の基準を一覧表みたいにして書いても極端な話、明日には違ってきている可能性があります! というわけで、オーストラリアの政府関係のサイトのリンクを貼っておきます。これがいちばん信頼できます。

 

食品や動植物をつかった製品など(日本語)

在日オーストラリア大使館内の「検疫」のサイト

酒・たばこなど(英語)

Department of immigration and border protection(オーストラリア移民局)内の

「Duty free concessions(免税範囲)」のサイト

※可能な限りリンクをアップデートするつもりですが、もしも切れていたら

” Department of immigration and border protection”” Duty free concessions”あたりで検索してみてください。

 

というわけで、今回は私が実際に持ち込もうとして取られた「栄光の品々」の実例をここに披露します。みなさんもやさしさからご友人などに「おみやげ」として持っていこうとして、悲しい気持ちにならないように。

 

1 まい泉のカツサンド

いや、別にまい泉限定ではなく、井泉でもコンビニでもあらゆるカツサンドがNGなのですが……。流れとして、「品川駅で成田エクスプレスに乗る前にブラブラ」→「エキュート品川でなんとなくおみやげ物色」→「おおっ、まい泉のカツサンドがあるじゃないかっ!」というパターンが多いかと思って。……でもよく考えたら成田エクスプレスに東京駅や渋谷駅、新宿駅や池袋駅、その他で乗る人もいますし、京成スカイライナーとかリムジンバスの利用者、さらには関空から出国される方もいますね。すみません。

ただ、今エキュート品川で思い出したのですが、「寿司」もNGです。たぶんこれは今だけでなく、半永久的だと思います。

そういえば昔、まい泉のカツサンドを見たゴールドコースト空港の税関職員の女性から「これはオーストラリア国内には持って入れないのよ」と満面の笑みで告げられて、「そこ、ニンマリ笑うところじゃないだろうがっ」とカチンと来た私は、「ってことは税関を通り過ぎなければ『オーストラリア国内』ってことじゃないから、ここでなら食べていいんでだよね」とむしゃむしゃ食べ始めるという不毛なバトルをした経験があります。早朝の機内食も平らげてしまっていたので、24切れ持ち込もうとしたうちの8切れでギブアップしましたけど。……どんだけ不毛なバトルが好きなんだ、私?

ちなみに「さきいか」とか「明太子」はOKなので、「税関のその場で明太子一本食い」みたいな不毛なバトルは不要です。

 

2 東京ばな奈

ビスケットやクッキーがだいじょうぶなのでOKと思いきや……中のペースト部分がバナナカスタードクリーム、つまり「フルーツ」が使われているのでNGでした。このときの不毛なバトル(←もはやデフォルトですね)は、12個入り中5個までだったんで、やっぱり敗北感が強かったです。……たぶん完食しても完敗なんでしょうけど。そもそも子どもたちへのおみやげだったのだから。

 

3 免税範囲を超えたアルコール

アルコールは今のところというか17年前に移住したときから、「2.25リットルまで可」でした。アルコール度数は関係なく、ビールだろうが日本酒だろうが焼酎だろうがウイスキーだろうが同じです。

で、ひとつ非常に気をつけなければいけないのが、この2.25リットルをオーバーした場合、「オーバーした分だけではなく免税範囲内のものも含めて、全量に対して関税がかかる」ということです。

これがかなりの額になります。データが見つからなかったのですが、以前義父母が私へのおみやげで一升瓶3本(5.4リットル)持ってきてくれたとき、確か100ドル前後支払わされた気がします。

タバコも同様に、オーバーした分だけでなく全量にかかります。

日本だと関税がかかるのは「免税範囲を超えた分」だけで、たとえばワインなら1リットルにつき200円。つまり普通のボトル1本につき130円程度。まあ支払ってでも持ち込みたいと思える範囲ですよね。そのつもりでいると、痛い目に遭います

また、虚偽申告はさらなる罰金が科せらせます。そしてオーストラリアの税関では観光客相手でもかなり高い確率でスーツケースや段ボールなどの中身を確認します「ただの観光客だからだいじょうぶだろう」などとは絶対に考えずに、ちょっとでも疑問に思うものがあったら申告書の「はい」の欄にチェックを入れておくことを強くお勧めします!

というのは、たとえあなたが持ち込もうとしたものがすべて許可されている食物であったとしたも、税関申告書の「すべての食物」の「はい」の欄にチェックを入れていなければ、「虚偽申請」したことになり、罰金を支払う可能性が出てくるからです。

とにかく。賢明なあなたが、不毛なバトルを避けられるよう、心よりお祈りしております。

 

【まとめ】 「持ち込めないもの」「制限されているもの」は頻繁に変わるので、下記のサイトで【最新情報】をチェック!

【文:海外書き人クラブ 柳沢有紀夫】

(「海外在住ライターを使ってみたい」と思われている方。「海外在住ライターになりたいと思われている方。耳寄りな情報があります。ぜひこのページの下のほうまでご覧ください)



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