「イギリス料理はマズい」。そんな話を聞いたことがある方も多いと思います。でもじつはおいしいものもたくさんあるのです。
こんにちは。海外書き人クラブ新会員、2017年11月からスコットランド・グラスゴーに住む石橋貴子(いしばしたかこ)です。
移住前、日本の友人から「グラスゴーってどこ?」と何度も尋ねられました。いや、その前に「スコットランドってどこだっけ?」
はい、スコットランドはUnited Kingdom、いわゆる英国の北部に位置し、グラスゴーはスコットランドの最大都市です。英国においても人口第4位です。そんな想像以上に大きな街、グラスゴーから英国料理はマズイとの評判をくつがえすおいしい料理達をご紹介いたします。
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1 ヘルシーでパワフルなブレックファースト
トラディッショナルなスコットランドの朝食も捨てがたいのですが、今回その選択をせず、あえてご紹介するのはグラスゴーで大人気のカフェで供される、ヘルシーなビーガンブレックファーストです。ビーガンとは完全菜食主義、厳格なベジタリアンと申せばいいのでしょうか? 卵や乳製品などの動物性食品を一切口にしない人のための朝食です。その内容は、スイートポテト、マッシュルーム、トマト、ほうれん草のグリル、アボカドのサラダ、そしてグルテンフリーのブレッド。菜食主義でも我慢しないで、おいしいものをお腹いっぱい食べることができる朝食がスコットランドにはあります。
2 捨てるはずのものがおいしく蘇ったハギス
かたやスコットランドの伝統食として代表されるのがハギスです。羊の内臓にオート麦、玉ねぎ、ハーブを混ぜて、羊の胃袋に詰めて茹でたいわば保存食です。
少しクセがあるため、スコットランドでも若い人はあまり食べないと聞きますが、ここはシェフの腕の見せ所! 腕の立つシェフがいるレストランで供されるハギスは、やはりおいしいのです。旅に出たら、やはり伝統食を食べたいというあなた、厳選されたレストランでぜひ召し上がってください。
私のおすすめはUbiquitous Chip。このレストランには他にもたくさんおいしいスコットランド料理が揃っているため、訪れる価値は大です!
3 前菜など要らないほどおいしいステーキ
日本でおいしいお肉といえば、松坂牛に代表される霜降り肉でしょうか。しかしスコットランドで人気なのは赤身肉のステーキです。牛肉の脂の甘みを味わう日本流とは異なり、熟成した赤身肉の旨みを各レストランが工夫したソースで味わいます。
そしてサイドで出されるチップス(いわゆるフライドポテト)もおいしいのが英国流。イギリスで出されるチップスはどこのお店もおいしいので、ダイエット中の方は要注意! でも、おいしいので食べちゃうんですけどね。
スコットランドのレストランでは、一般的にディナーというと前菜とメインの組み合わせでオーダーするのですが、ステーキ屋さんに限っては、前菜を頼まない人が多いと聞きます。それは、きっとお肉そしてチップスを心ゆくまで堪能したいという証。実は私、日本であまりお肉を食べる方ではなかったのですが、スコットランドで赤身肉のおいしさにすっかり目覚めました。
4 お寿司にして食べたい!スコティッシュサーモン
日本で外国産サーモンといえば、ノルウエーサーモンが有名ですが、スコットランドの人にとってはかなり不服のようです。確かに! スコットランドに住んで、魚屋さんに行くと新鮮なサーモンに一年中出逢うことができます。しかも脂の質が良く、新鮮なのでお刺身で食べることができるため、私はよく「Sashimi quality(刺身にできる品質のもの)を」と注文し、週末の食卓の賑わいにします。
日本でもスコティッシュサーモンをお寿司の材料にすれば、すごく人気が出るのではないのかなと思うほど良質のサーモンです。
5 英国料理といえば、フィッシュ&チップス
スコットランドに来て、私がトライしたかったのがフィッシュ&チップスでした。口コミサイト(スコットランド版)でインターネット検索後、評判のお店へ行き、注文しようと思ったところ、なんと魚が数種類から選べるではありませんか!
一番人気がHaddock(タラ)。しかも衣は2種類から選ぶことができます。ポピュラーな衣は片栗粉とビールを溶いたもの。もう一つはパン粉タイプで少し値段が高いです。私は魚も衣もポピュラーなものを選びました。
フィシュ&チップス専門店では注文後に揚げ始めるので熱々で食すことができます。揚げ上がると「Salt or Vinegar?」と聞かれますので、思い切って「Yes, please!」と答えてください。びっくりするほどドバーッと二つの調味料をかけてくれます。でも、安心してください、おいしいですから。郷に入っては、郷に従えの気持ちでフィッシュ&チップス、トライしてくださいね。
<おまけ>世界一マズくない! マーマイトのスナック
世界一マズいと言われる調味料「マーマイト」をご存知でしょうか?
マーマイトとは、ビールの酒粕を主原料とし、主にイギリスまたはニュージーランドで生産されているビタミンBを多く含む食品です。日本でもたまに見かけますよね。
トーストしたパンに塗って食べるのですが、これが塩っ辛くって、たっぷり塗ることができません。見た目もまるで重油。はっきり言ってイケてません。
しかしこのマズイ調味料を、マーマイトの会社はスナックとして売り出しています。強気! アンヘルシーなフライドポテトを食べるよりも、健康的なマーマイトのスナックを召し上がれ。ということでしょうか?
で、食べてみました。う?! これがイケるのです! 醤油と味噌の中間のような風味。発酵食品に慣れた日本人の舌にピッタリです。ウ〜ン、これははっきり言って予想外。英国土産として購入して、ぜひ友人をびっくりさせてくださいね。
いかがでしたでしょうか? スコットランドの食事。
スコットランドといえば、ウイスキーが有名かもしれません。でもその前においしい食事をぜひ堪能してほしいと思います。そして、食事を楽しんだ後に、バーでゆっくりスコッチウィスキー。それが本場の楽しみ方です。
ぜひロンドンから飛行機で1時間強のグラスゴーへ。「来てよかった」と思えるおいしい食事とホスピタリティが待っていますよ!
【文・石橋貴子】
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