【台湾在住ライター直伝】台湾の家探しでチェック必須の10のポイント

台湾への駐在、移住、留学が決まったら、まず何よりも進めなければならないのは台湾での家探し。台湾在住18年、台湾国内で8回の引っ越しを経験し、その都度、物件を数十軒と見てきた海外書き人クラブ新会員、台湾在住の河浦美絵子が、快適な台湾ライフを送れるよう家探しのチェックポイントについてご紹介します。

1 住居の安全性と環境

台湾のマンション

台湾は治安が良い国ではありますが、それでも泥棒に入られたといった話は良く聞きます。まず快適な生活を確保するためには、安心して暮らせる物件を選びましょう。

入り口に管理人が常駐していたり、鍵を持っていないと集合住宅内に入れない等、関係者以外が簡単に建物内に入ることができないようセキュリティ面がしっかりしていることが大切です。

台湾の路上に連なるバイク

また、台湾はバイク社会。その騒音と排気ガスに悩まされることもあります。寝室や過ごす時間の長い部屋が交通量の多い大通りに面していないか、間取りと周囲の環境の確認が必要です。

 

2 交通機関までの距離

台湾の駅

物件情報に、日本のように「地下鉄◯◯駅まで徒歩◯分」いう表記が載っていることが少ないです。それは出勤や通学に車やバイクを利用する人が多いからです。車やバイクを利用する予定がない場合、公共の交通機関の駅に近い物件に住めれば便利ですが、立地が良ければそれだけ賃料も高くなります。

駅まで徒歩20分ぐらいなら大丈夫と思っていても、実は台湾は気温も湿度も高い夏が長く、その時期はまるでサウナに入っているかのような状態になります。家を出て5分もすれば汗が吹き出します。

駅に着いた時には全身汗びっしょりなんていうこと間違いなしです。住みたい候補の物件が出てきたら、家から職場や学校までのルートをシュミレーションすることをおすすめします。

 

3 家賃と管理費

台湾のお金

ほとんどの物件で、毎月の家賃以外に管理費が必要です。マンション内にジムやプールやカラオケルームといった公共設備が多かったり、それが豪華であればあるほど、管理費も比例して高くなります。

家賃が手頃でも管理費がびっくりするぐらい高い物件もあるので、管理費がいくらで、それを大家さん、借り手のどちらが支払うのかの確認が必要です。

 

4 騒音と近隣住人

ピアノの鍵盤

建物の新旧関係なく、防音効果があまり施されていない物件が多いのが実情です。

日本に比べて騒音に関しての観念もゆるいので、深夜でも大きな話し声(怒鳴り声?!)や生活音がしてくることも普通です。夜11時頃から楽器の練習を始める隣人がいたこともありました。実際、近隣の住民同士のトラブルはニュースでも度々報道されています。

壁の厚さなどはなかなか確認が難しいですが、建物の構造や壁の素材は仲介業者や大家さんに事前に確認ができます。それらをふまえて内覧に行った時には周囲の音がどれぐらい聞こえるかのチェックをしましょう。

台湾のマンションの玄関ドアの前に置かれた靴

また、台湾では日本のように玄関スペースがなく、ドアを開けるとすぐ家の中という造りの物件がほとんどなので、玄関の外に靴を置いている家庭が多いです。公共のスペースに靴が散乱していて驚くこともありますが、そういうところも近隣住人チェックのひとつのポイントとなります。

 

5 家具や家電

ホームシアターのある台湾の家

賃貸物件の多くが家具付き、家電付きです。その内容は大家さんによって違いますが、物件は新しいのに、置いてある家具がボロボロだったり、家電が壊れていて使えないこともあります。入居前にリクエストすれば修理をしたり交換が可能な場合もあるので交渉してみましょう。

大家さんの私物が置かれた台湾の家

また、賃貸物件であるのに大家さんの私物が置いたままということも。ひどいケースの場合、一室、大家さんの物置になっていたりします。

勝手に移動や処分などをすると退去時のトラブルになりかねないので、入居前に撤去してもらうなどの交渉をお勧めします。

もしもそういった交渉に応じてくれないような大家さんの場合は、さっさと別の物件を探しましょう。

 

6 日当たり

台湾のマンションの外観

日本では日当たりの良さが物件を選ぶ条件の上位に挙がると思いますが、台湾は夏が長く気温、湿度がかなり高くなるので、日当たりの良さはあまり重要視されていません

窓が小さく、光がほとんど入らず、部屋が全体的に暗い物件も少なくありません。

また、マンション建設ラッシュの地域では建物が密集していることも多く、お隣のマンションとの距離がかなり近いため、日当たりの悪い物件が必然と多くなっています。

新築で外観が豪華でも、リビングの窓から見えるのはお隣のマンションの壁なんていうこともあるので、必ず日中の明るい時に内覧をして、日当たりや、窓から見える景色を確認しましょう。

 

7 キッチン設備

台湾のキッチン

台湾では外食文化が定着していて、家で料理をしない人も多いです。

そのため、キッチンの設備が貧弱で、お湯を沸かす電気コンロがひとつ置いてあるだけだったり、冷蔵庫がなかったり、そもそもキッチンのない物件もあります。

台湾の生活で自炊をする予定があれば、キッチンの設備はどうか、ガスコンロがいくつあるか、流し台は使いやすいかなど、今後の生活のスタイルにあったキッチンのある物件を選びましょう。

 

8 浴室とトイレ

台湾のユニットバス

浴室とトイレが別々になっている物件は少なく、ほぼ一体型です。

 

台湾では湯船に浸かる習慣はあまりないのでシャワーのみが多く、湯船があっても熱いお湯をためられなかったり、まして追い焚き機能が付いている湯船がある物件はほぼありません

また、最近、だいぶ普及をしてきたものの、温水洗浄便座機能が付いているトイレがある物件もまだ少ないです。

そして浴室とトイレで大事なのは水圧がきちんとあるかどうかです。建物の構造や築年数などで水圧が弱く、シャワーの出が悪かったり、トイレの流れが悪いこともあります。

トイレットペーパー

さらに、台湾では以前、トイレットペーパーはトイレに直接は流さずにゴミ箱に捨てる習慣がありました。今でも古い物件であると排水管が細く、トイレットペーパーを流すと詰まってしまうため、直接、トイレットペーパーを流すことを禁止している物件があるので注意が必要です。

 

9 ゴミ捨て

台湾のゴミ収集車

ゴミ捨ての方法は集合住宅、また地域によって違ってきます。集合住宅の場合は地下などに住民が捨てられるゴミ収集スペースがあり、清掃担当者が整理してくれます。

そういったシステムがない場合は、決まった時間にゴミ収集車まで直接、自分でゴミを捨てに行かなければなりません。台湾もゴミの分別は厳しく、きちんと分別していないと、ゴミ収集車で引き取ってもらえないこともあります。

ゴミは毎日出るものです。ゴミ捨てでストレスをためることがないよう、物件のゴミ捨ての方法を確認しましょう。

 

10 大家さん

台湾の不動産店

台湾での家探しは、不動産屋に頼む、直接大家さんと交渉するなど様々なパターンがありますが、住み始めて何か問題が生じた際に、どういう対応をしてくれるかは大事なところです。

直接大家さんに連絡をするのか、仲介業者が全てを委託されているのかを確認しましょう。

投資目的でマンションを買い、賃貸に出している海外在住の大家さんも多く、そういう場合、「クーラーが壊れた」「雨漏りで水浸しになった」など急を要して修理が必要な場合に、なかなかすぐに対応してくれないこともあります。

不動産屋さんを介していると大家さんと直接、接することはないかもしれないですが、大家さんがどんな人であるかは聞くと教えてもらえることが多いので、ここもチェックを怠らずに。

 

台湾はエネルギッシュで、人も温かく、困ってるとどこからか救いの手が差し延べられてくる、そんな優しい国です。

台湾での新生活がスムーズに進みますように、家探しのお手伝いが少しでもできたら嬉しいです。

(文・写真 河浦美絵子)

海外書き人クラブにお任せください!

「海外書き人クラブ」は2000年に設立された海外在住日本人ライター・カメラマン・コーディネーター・翻訳者の集団です。2020年現在100ヵ国300名以上の会員が在籍中。日本国内のライターやカメラマンの手配も可能です。

【新聞社・出版社】では、朝日新聞社様・時事通信社・KADOKAWA様・小学館様・集英社様など

【広告会社・マーケティング会社】では、博報堂様・電通パブリックリレーションズ様・ぐるなび様など

業界の最大手や有名企業の皆様とも直接取引。経験と実績があります。

また新規会員も随時募集しています(入会金・年会費無料)。

海外情報をお求めの方、ぜひこちらをご覧ください。

海外書き人クラブの詳細はこちら!

SNSでもご購読できます。

コメントを残す

*