いやいやいや。こんな絶景が広がっているとは……と驚かされたのが、奥多摩にある「高水三山」。しかもここ、電車だけでバスも使わず東京中心部から日帰りできるんです!
こんにちは。海外書き人クラブ所属・オーストラリアアウトドア部のユッキーです。今回は2018年3月下旬に訪れた「高水三山」の魅力をたっぷりお伝えしちゃいます。
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自家用車を持たない山好きにとってうれしいのは、電車やバスなどの公共交通機関だけでサクッと行ける山。とはいえ山っていうのは基本的に人が少ないところにあるのでバスの便も少なく、しかも夕方早い時間に終バスになるなんてこともしばしばなので、意外とサクッでもないんですね。
でもあるんです、東京の中心部から「電車だけ」で日帰りできる山が!
「青山」とか「愛宕山」というボケはかましません(いや、かましているか)。ちゃんと紹介します。
そうしたアクセス最高で、しかも景色も最高の山の一つが……(ジャカジャカジャカジャカジャカジャカジャカジャカジャン!)……今回紹介する高水三山です! ……読み方は「たかみずさんさん」らしい。なんで「さんざん」ってにごらないんだろ?
1 高水三山の登山ルートの説明
- 青梅線・軍畑駅 → 高水山登山口 → 高水山 → 岩茸石山 → 惣岳山 → 青梅線・御嶽駅
駅から一般道を歩いて登山口に入り、三つの山を巡って、別の駅の間近に降りてくるルートです。出発駅と到着駅が違うのですが、ほぼ「周回ルート」と言ってもいいのではないかと思います。
出発点の軍畑駅が標高249メートルで、このルートの最高地点の岩茸石山793メートルですから、高度差は544メートル。ただ3つの山頂の間にもアップダウンがあるので、それなりにタフな相手です。
ほぼ周遊ルートなのでどちらから回ってもいいのですが、軍畑駅は標高249メートルで、御嶽駅は236メートルなので、前者からスタートしたほうが13メートル分だけラクができます。それと駅から登山口まで一般道を歩く距離は、軍畑駅-高水山登山口のほうがずっと長い。下山してから一般道を歩く距離が短いほうが気持ちがいいですから、やはり軍畑駅発がオススメです。
2 軍畑駅 → 高水山
09:22 軍畑駅発
当日新宿駅に着くと、「人身事故の影響で中央線快速の運航を中止している」とのアナウンス。一瞬、京王線で行ける高尾山や陣馬山方面に予定変更しようが迷ったのですが、やはり初物の魅力は抗いがたく、とりあえず三鷹まで各駅停車で行って見ることにしました。
三鷹に着くと、運よく中央線の快速が動き出したので、特別快速に乗車。と思ったら途中で「特別快速ではなく快速で運行します」とのアナウンス。快速という名称ですが、中野から先は各駅停車ですからね。いったいいつ着くのかと思っていたのですが、立川駅で出発直前の青梅線に飛び乗って、当初の予定通りの時刻で軍畑駅に到着しました。最初の計画ではどんだけ待ち時間があったんだ?
ちなみに軍畑は「いくさばた」と読みます。
で、これが軍畑駅。はい、単線の無人駅です。思わず缶ビールでも飲んで、ぼーっとしたい気分に駆られたのですが……今日ここに来た目的を思い出し、トイレと準備運動を済ませて出発です。
線路沿いを立川方面に少し戻ると踏切が出てくるので渡ります。
安心してください。某芸能人のように線路内に進入したんじゃなくて、踏切から撮りました。
前をスタスタと軽快に歩くのは相棒くん。そりゃあ軽快だよな、荷物ないんだもの。
「山に行く」って伝えたのに、スーパーのレジ袋だけ提げて集合場所にやってきたファンキーな青年です。そのレジ袋も、もちろん私のリュックの中に収まっています。
しばらくするとセンターラインがある広い道に出るので、左に進みます。ここをしばらく行くと……。
道の左側に「高水山・岩茸石山」という表示が出てくるので、そちらに向かいます。ちなみに反省した相棒くん、私のリュックを背負っています。
3月下旬だというのにポカポカ陽気で、このあたりではもう半袖か長袖一枚で充分。前を行くダウンのオジサンは結構汗だくの「我慢比べ」状態だと思います。
さらに細い分岐を右斜め前に向かいます。あまり大きくはないですが、ここにも標識がついています。
ちょっと嫌な標識です。
じつは野生のイノシシとは六甲山で遭遇したことがありますが、クマとは未経験です。
すぐに高源寺というお寺が現れます。その道の脇には男女兼用で個室が一つだけの公衆トイレがあります。
このあたりから先は桜が見事です。もちろん季節によりますが……。
これは椿かな? これもきれいだったなあ。
09:52 高水山登山道
高源寺を通過して5分、軍畑駅からは30分くらいでようやく登山口へ到着です。どうでもいいですが、リュックは再び私の背中に。どうでもいいですが。
登山道に入っていきなりの長い階段。ちょっと気分が萎えますが、まあその分高度が稼げると気を取り直して……。
沢を横切る橋。この手の橋は好きです。
そんなこんなで登山道から30分。こんな標識がありますが、正面を行っても常福院の上のほうにたどりつきます。しかしこんところの神社だかお寺、大変だろうなあ。
優雅に鐘をつく相棒くん。もちろんその背中にはリュックなし。
10:42 高水山着 10:47発
常福院を越えて5分、登山口から50分で、高水山に到着。「たかみずさん」と読みます。
示し合わせたわけではないですが、相棒くんとはしょっちゅう服の色がかぶるなあ。
山頂からの景色は冬枯れだというのに木々が邪魔してイマイチ。一応記念撮影をしたらスルーしてもいいと思います。
3 高水山 → 岩茸石山
高水山山頂からすぐに「いい加減にしろ!」と激怒したくなるような長い下り。
そのあと気持ちいい道が出てきたので許す。スキップしたい気分。
相棒くんも軽快な足取り。……リュックないからね。
冬枯れなので眺望も少しあります。道は平坦だし、気分は最高!
さっきの長い下りに対して、ふたたび「いい加減にしろ!」と激怒したくなるような長い登り。私の感情の起伏が激しいのは、三つの山頂をアップダウンする起伏が激しいコースだからだと思います。
……ちょっとうまい表現を思いついて、気分が落ちつくチョロい私。
そして……。
11:12 岩茸石山着 11:47発
岩茸石山の山頂。「いわたけいしやま」と読みます。
思わず「今までの起伏は許す」とつぶやいた絶景。
登ってきたほうから見て左側よりも……。
この右側のほうがいい景色です。写真だとわかりにくいかもしれませんが、山頂からズドンと谷になっていて、その向こう側に山々が連なっています。
山頂もそれなりに広いので、ここでランチにします。
いつまでも見ていたい景色だったんですけど、快晴とはいえまだ3月。風が吹く山頂でじっとしていると寒くなってきたので、35分ほどで下山開始です。
3 岩茸石山 → 惣岳山
岩茸石山の山頂から歩き始めて3秒後、「おおっ、気持ちのいい尾根筋か」と一瞬興奮しましたが、すぐに左側に折れて、絶景とはおさらば。
しばらくいくとまた気持ちのいい尾根筋に出ますが、景色はそれほどでもないです。いや、冬枯れの木々の間から景色は見られるのですが、なんと言っても岩茸石山の山頂が凄すぎた。
分岐点。山男や山ガールなら「惣岳山」方面の一択!
けどこの登りがマジモンでキツくて、ちょっと後悔。
12:20 惣岳山着 12:25発
惣岳山の山頂。「そうがくさん」と読みます。山を表す「岳」と「山」が重複して使われているのでどんな急峻かと思いきや、この通り。それなりに広いですが、展望はゼロ。
ただ朽ち果てた神社があるのみ。
でもお祈りしている方がいました。無事に山歩きが楽しめることへの感謝は忘れちゃいけませんね。
惣岳山からはガンガンくだっていきます。ところがまわりは杉だらけ。オーストラリアから到着したばかりで花粉症持ちの私はスギ花粉に完全に包囲され、鼻水ダダ洩れ、垂れ流し状態に……。
写真が残っているんだから鉄塔があったはずなのに、何も覚えていない……。
登山道の入り口は線路のすぐ脇。踏切を渡り、右側の線路脇にある階段を降りるとすぐに御嶽駅が見えてきます。
13:20 御嶽駅
この御嶽駅の前で屋台を出しているおばちゃんにわさび漬けの試食を勧められ、ついつい買っていたら電車を逃して30分待ちに……。田舎のバスほどひどくはないですが、日中の青梅線は30分に1本。買い物は発車時刻を確認してからにしましょう。
【今回のルートと所要時間】
- 09:22青梅線・軍畑駅 → 09:52高水山登山口 → 10:42高水山10:47 → 11:12岩茸石山11:47 → 12:20惣岳山12:25 → 13:20青梅線・御嶽駅
今回のルートのメインイベントはもちろん展望最高の岩茸石山です! そういう意味では「高水三山」ではなく「岩茸石三山」と呼ぶべきだと思ったけど……呼びにくいんでしょうね。
休憩時間を入れても4時間程度の手軽な山なので、早起きせず、のんびり出かけられるのも魅力のひとつ。バスの時刻に合わせる必要すらないですしね。
1000メートル以下の低山なので真夏は暑くて大変でしょうけど、秋から初夏にかけてはすごく楽しめるルートだと思います! オススメです!
そして電車の駅からバス不要で登れる山といえば……そう高尾山!
こちらの記事もぜひご覧ください!
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【文と写真 海外書き人クラブ・ユッキー】
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