「ああ、タイ語が少しでも話せたらなあ…」。
わたしが初めてタイに出かけたのは、もう20年以上も前のこと。親切でフレンドリーな人が多いので、片言でもいいからタイ語ができたらよかったのに、と思うことの連続でした。
それでも、簡単な旅行会話集をもっていたおかげで、個人旅行はずいぶん楽しくなりました。その後もタイに通い続け、長期滞在も含めて二十数回訪問しています。
こんにちは。海外書き人クラブ会員の森純です。今回はタイ語の基本表現をお伝えします。
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#「マー」は「来る」? 「馬」? それとも「犬」?
タイ語には、中国語に似た「声調」という5種類の音の高低があります。
カタカナ書きでは同じ音でも、上がる音なのか、下がる音なのかで違う単語になります。
そう、「マー」は、声調によって「来る」maa(平声:平らに)にも、「馬」máa(高声:高い音からさらに高く)、「犬」măa(上声:低い音から高く)、にもなるわけです。
ほかに màa (低声:低い音で平らに)、mâa(下声:高い音から一気に下降)という声調があります。
声調には複雑なルールがあるので、ここでは発音記号とカタカナで表現してみます。
何かを尋ねるときには、語尾を上げることだけ覚えておいてください。
#まねるなら、同性の方がいい理由
年齢や社会的立場の上下を重んじるタイでは、目上の人には敬語を使います。
「~です」「ます」にあたるタイ語の丁寧表現は、男女で語尾が違います。
例文ではまとめて“K”としましたが、男性のあなたはkhráp(カップ)、女性はkhâ(カー)と読み替えて発音してください。
目下に当たる子どもに対しては、丁寧表現は使いません。
経験豊かな先生は、もちろん区別して教えてくれますが、こういう男ことば、女ことばがあるので、タイ語は同性から習った方がいいかもしれません。
地元のガールフレンドから教えてもらったタイ語で話して、知らないうちに「~なのよ」「~だわ」のような女ことばになっている男性駐在員の話を聞いたことがありますので、ご用心。
1 おはよう/こんにちは/こんばんは Sawàt-dii K (サワッディー カップ/カー)
あいさつとしての「サワディー」の誕生は、そう昔のことではありません。
日常的には「ごはん食べた?」「どこ行くの?」があいさつ代わりですが、1931年にラジオの全国放送が始まるときに、新しいあいさつ言葉として作ったそうです。
ラジオで「全国のみなさん、ごはん食べましたか?」では具合が悪かったのでしょうね。
2 すみません khɔ̌ɔ thôot K (コー トーッ カップ/カー)
自分が何か失敗をして謝る、「ごめんなさい」のときに使います。
「ちょっとすみません」とひとに呼びかけるときにも使えますが、地元の人は「おじさん」「おねえさん」など、対象に合わせた呼びかけ語を使います。
3 ありがとう khɔ̀ɔp khun K(コープ クン カップ/カー)
タイを旅していると、いろいろと親切にされることがあります。
バスや電車でさっと席を譲られたり、地図を片手にうろうろしていたら「どこに行きますか?」と聞かれたり。
覚えておくと、そんなときに役に立つのが「ありがとう」です。
4 気にしないで Mâi pen ray K(マイペンライ カップ/カー)
大らかなタイ人気質を表すマイペンライは、お礼を言われたり、お詫びをされたときに「いいんですよ」「気にしないでください」ほどの意味でよく使います。
が。一筋縄ではいかないところがあり、たとえば自分の側にミスがある場合や、無理な頼みごとをする場合にも、「構わないじゃないの」「気にすることないでしょ」と言い分を通すのに使うケースもあります。
5 <質問に対する答え>どこから来たの? ―例)日本から来ました
Maa càak thîi năi K? (マー ジャーク ティ ナイ カップ/カー)
― Maa càak yîpùn K (マー ジャーク イープン カップ/カー)
外国人旅行者が一番遭遇する質問は、たぶんこれ。
「日本」はイープンですが、タイの人が知っていそうな大都市だったら、たとえば「東京」でも「大阪」でも、地名を入れ替えて使えます。
タイ人の人気の旅行先「北海道」(ホッカイドウ)と答えたら、どんなところなのかきっと質問されると思います。
タイ語は、主語も話し手の性別で変わります。
これでも十分通じますが、答えには、あなたが男性なら phŏm(ポム)、女性なら dichán(ディチャン)を最初につけてください。
6 <質問に対する答え>どこへ行くの? ―例)ちょっと買い物に行きます
Pai nai K? (パイ ナイ カップ/カー)
― Pai sʉ́ʉ khɔ̌ɔŋ K (パイ スー コーン カップ/カー)
バイクタクシーやトゥクトゥクの運転手に聞かれた場合は、行き先を言って料金を交渉に入ります。
一般の人には、あいさつの代わりや、話のきっかけに聞かれることもあります。日本でもありますね。「あら、お出かけですか?」「ええ、ちょっとそこまで」というやりとり。
スーパーマーケットの入口で顔見知りの人に会って、「どこ行くの?」と聞かれたことがあります。これから入店しようとしているのは明らかなので、答えにちょっとまごつきましたが、「買い物に来たの」とでも返せばよかったんでしょうね。
7 ~はどこにありますか
~ yùu thîi năi K?(~ ユー ティーナイ カップ/カー)
~の部分に、「駅」sathăanii (サーターニー)、「ホテル」roonŋ-rɛɛm (ロンレーン)などを入れて使ってください。
上の写真の答えは、「トイレ」hɔ̂ŋ náam(ホーンナーム)。
旅行のときには覚えておくと便利な重要単語です。
8 ~はありますか
Mii ~ mái K? (ミー ~ マイ カップ/カー)
お店で、自分が知らないものを探すとき、またはほしいものが見つからないときに使える表現です。
タイでは水道水が飲めないので、「飲料水」náam dʉ̀ʉm (ナーム ドゥーム)を探すこともあるかもしれませんね。
9 いくらですか
Thâo-rài K? (タオ ライ カップ/カー)
こちらが外国人だとわかると、親切なお店の人なら計算機で数字を見せるか、メモに書いてくれます。
最近は英語で答える若い人も増えたので、やりとりがずいぶん楽になりました。
10 タイ語がわかりません
Phûut phaasăa thai mâi dâi K (プー パサー タイ マイダイ カップ/カー)
これも、あなたが男性なら phŏm(ポム)、女性なら dichán (ディチャン)を最初につけてください。
わたしは初学者ですが、タイ語を少し知っていると、タイの文化やものの考え方にふれることができます。
今回は簡単な表現を紹介しましたが、タイに興味のある方は、ぜひタイ文字や声調、発音にも挑戦してみてください。
タイ語の達人たちに聞くと、タイ語の歌を練習すると、聞き取りや発音に役立つそうですよ。
【文:海外書き人クラブ 森純】
海外書き人クラブ名簿の森純のページもぜひご覧ください。
(「海外在住ライターを使ってみたい」と思われている方。「海外在住ライターになりたいと思われている方。耳寄りな情報があります。ぜひこのページの下のほうまでご覧ください)
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