スペイン風オムレツこと「トルティージャ」は、スペインを代表する料理のひとつです。今回はそのおいしい作り方を22枚の写真と共にご紹介します。
こんにちは、海外書き人クラブ新会員、スペイン在住の早川きえです。
トルティージャは日本の卵焼きと同じで各家庭によって味が違います。厚めでしっかり焼き上がっているものから、中が半熟でとろとろなものまで。
スペイン人の義父が作るトルティージャは、薄めで中がとろとろ。バルやレストランなどで食べるよりも美味しいと評判です。
なぜこんなに美味しくできるの?と聞いてみると、「5つのコツがある」のだと言います。今回は、スペイン人の義父にスペイン風オムレツのコツを伝授してもらいました。15分ほどの簡単レシピです。
コツ①エクストラバージンのオリーブオイルを使う
トルティージャを美味しく作るコツの1つ目は、エクストラバージンのオリーブオイルを使うこと。エクストラバージンのオリーブオイルは、オリーブの味が強く濃厚なため、コクのある仕上がりになります。
準備するものは、以下です。(4人前)
- オリーブオイル(エクストラバージン) ジャガイモが漬かるくらい
- 卵 5個
- ジャガイモ 中4個(写真では、中サイズの代わりに小サイズを2個使っています)
- タマネギ 半分か1個(写真は、赤タマネギを使っていますが、白タマネギでも美味しく出来ます)
- 塩 少々
- 28㎝のフライパン
まず、ジャガイモをむきます。
玉ねぎは、みじん切りに。
今回は、タマネギを半分しか使っていません。甘めの味がお好みな方は、1個使うのがおすすめ。ほんのり甘めに仕上がります。
コツ②オリーブオイルは、多めに入れる
オリーブオイルは、「え?こんなに入れるの?」と思うほど入れるのが正解です。ジャガイモを揚げ焼きするため、漬かるくらいの量がよし。
オリーブオイルを強火にかけます。
熱している間に、ジャガイモを薄切りに。
タマネギは、個人や家庭によって「入れる派」と「入れない派」に別れます。義父は「入れる派」。タマネギを入れたほうが味が引き締まり、しっとり仕上がるからです。
塩をまぶし揉み込みます。ジャガイモの下準備はこれでオッケー。
コツ③卵は人数分よりやや多めに入れる
次は、卵の準備に移ります。
1人前につき、ジャガイモ1個、卵1個が目安です。しかし義父のレシピでは、4人前の場合、卵を5個使います。卵を多めに入れることで、中がとろっと仕上がりやすいためです。
卵は1分間ほどよくかきまぜます。
ここで、タマネギの登場です。十分に熱くなったオリーブオイルの中に投入。
続いて、ジャガイモもしっかり漬かるように入れます。
2分ほど待ち、ジャガイモの色が少し変わってきたら、木べらでつぶし細かくします。
全体に火が通り柔らかくなったら、火を止め1分放置。すると、下の写真のようにオレンジがかった色になります。
スペインではオリーブオイルを大量に使うため、使い捨てをせず他の揚げ物などに再利用します。下の写真のようなオイル容器で保存。(容器がない場合は、空き瓶などでも保存できます)
コツ④卵とジャガイモを馴染ませる
揚げたジャガイモを卵の中に入れます。ヘラなどで、鉄板に押しつけ少し焦がしてから投入するのがおすすめ。カリッと揚がったジャガイモのお焦げが、良い食感を出してくれます。
ここが一番大切なポイントです。ジャガイモに卵が染みこむイメージで、1分間なじませます。
コツ⑤焼き時間は短め
ジャガイモと卵の調和を待つ間に、少量の油を引いて中火でフライパンを温めておきます。
なじませたジャガイモと卵をフライパンにいれます。
淵にふいた卵をヘラできれいに整えます。2、3分してフライパンを揺らし、底にくっ付いていないようであれば、サイズのあったお皿をのせます。
お皿のサイズは、フライパンとピッタリのものまたは、ひとまわり大きいものを使うと楽にひっくり返せます。
そのまま、しっかり抑えて、勢いをつけひっくり返します。
トルティージャを滑らせフライパンに戻し、反対側を焼きます。
10秒ほどおき、フライパンを揺らして底にくっつかなければ出来上がりです。
熱を当てすぎないように気をつけることで、中が半熟とろとろに仕上がります。
お好みで、オムレツの上にツナマヨやハムとチーズをのせて食べるのもおすすめです。 縦横に切り、おしゃれな爪楊枝を挿してパーティーのおつまみにも。また、冷めてもおいしいので、お弁当のおかずとしても活躍してくれます。
(文・写真 早川きえ)