ニューヨークの「見せかけだけヘルシー」な食品7選

健康の最先端をいくニューヨーク。そのスーパーでは健康意識の高いニューヨーカーたちに向けたヘルシーな商品が、所狭しと並んでいます。でも「これって本当に体に良いの?」と疑問に思う商品がいっぱい。

ニューヨーク在住ヘルスコーチ兼海外書き人クラブ会員のデイビスみなこが、思わずツッコミたくなるヘルシー食品7点をピックアップしました。

1 グリーンスムージー。中身は砂糖の塊

スムージーの棚

ニューヨーカーのイメージとして、グリーンスムージー片手にヨガマットを背負い、セントラルパークをさっそうと歩く女性の姿を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。

そのイメージ通り、スムージーは健康意識の高いニューヨーカーに大人気。スムージー専門店も多く、たくさんのカフェやレストランでも提供されています。

でもスーパーに売っているボトル入りのスムージーは砂糖いっぱいで、むしろ体の負担になるということを知っている人は少数派。

スムージーのボトル

こちらのスムージーは、ボトル一本に砂糖がなんと48g(ティースプーン約10杯分)も含まれています。

WHO(世界保健機関)のガイドラインによると、成人1日あたりの糖類摂取量は約25g(ティースプーン約6杯分)。つまりこのスムージー1本で、目安量の2倍以上の糖類が摂取されてしまうことになります。

こんなのを毎日ぐびぐび飲んでいては、あっというまに肥満になってしまいますね。

 

2 コンブチャ。飲み過ぎて酔っ払い注意

コンブチャの棚

「KOMBUCHA(コンブチャ)=昆布茶」と連想するところですが、実はアメリカのKOMBUCHAは、日本で「紅茶キノコ」と呼ばれているもので、昆布茶とは全くの別物。茶葉に糖類と酵母菌を加え、発酵させて作られた発酵飲料です。

酵素や整腸作用のあるプロバイオティクスが取れて、エイジングケアに良いという理由から人気が高まったコンブチャ。健康意識の高いニューヨーカーに好まれ、ほとんどのスーパーで取り扱いがあるほど需要があります。

しかし知っておくべきなのは、コンブチャには微量のアルコールが含まれているということ。市販のコンブチャはアルコール度数が0.5%以下とごく僅かに制限されてはいるものの、飲み過ぎには注意が必要です。

妊娠中の女性は摂取を控えるよう推奨されていますが、知らずに飲んでしまう方もきっと多いのではないでしょうか。

 

3 加糖ヨーグルト。プレーンを探すのがむしろ大変

ヨーグルトの棚

ヨーグルトは世界中で愛される健康フード。でもスムージー同様に、加糖された甘いヨーグルトは、驚くほどたくさんの糖類が含まれているのです。

1カップ100gのヨーグルトに約10〜13g(ティースプーン3 〜4杯) の砂糖が含まれていることが多く、その場合1 日の摂取目安量25gの半分ほどになります。

ニューヨークのスーパーでは、ベリー系、バニラなどフレーバーが多く、ローファットからソイヨーグルトまで種類も豊富ですが、肝心な無糖のプレーンヨーグルトがなかなか見つかりません。あったとしても1つか2つの品揃えで、いかにプレーンヨーグルトの人気が無いかわかります。

 

4 ピーナッツバター。トランス脂肪酸が隠されている?

ピーナッツバターの棚

アメリカの家庭では必ずといっていいほど常備されているピーナッツバター。植物由来のタンパク源であり、パンにも合う。栄養士や医師からも推奨されるほどの定番健康食です。

しかし、すべてのピーナッツバターが良いわけではありません。無添加で良質な商品もあれば、体に悪いトランス脂肪酸が隠されているものもあるのです。

アメリカでは食品ラベルにトランス脂肪酸の含有量を表示することが義務付けられているのですが、ここに隠されたトリックが。なんと一食あたりに含まれるトランス脂肪酸が0.5g以下の場合は 「トランス脂肪酸0g」と表示できてしまうのです。

そのため “No Trans Fat”とパッケージに書かれていたとしても、原材料の中にVegetable shortenings(植物性ショートニング)“, “Margarine(マーガリン)”、” Hydrogenated oil(水素化油)” などと記載されている場合は、トランス脂肪酸が含まれているので、避けた方が良いでしょう。

ちなみにこの食品表示の抜け穴は、ピーナッツバターに限ることではなく、クッキーやケーキなど様々なお菓子にも当てはまることです。

 

5 全粒粉パン。カビが生えない恐怖

パンの棚

日本に比べてアメリカは全粒粉パンが手軽に購入できるのが良いところ。全粒粉パンは、白い食パンに比べて、食物繊維やビタミン、ミネラルなど栄養素が豊富に含まれています。

でもスーパーで売っている袋詰めのパンは要注意。これらのパンの多くは、数週間経ってもカビが全く生えないのです。

パッケージをみると納得。保存料がごっそり入っています。いくら全粒粉が体に良かったとしても、これだけ保存料が入った食品を口にするのは疑問を抱くところですよね。

できれば、その場でパンを製造しているベーカリーで買うのが安心でしょう。

 

6 ナッツは肥満やニキビの原因?

ナッツの棚

ナッツといえば、栄養価が高く、体に良いおやつの代表格。しかしスーパーで目に入るのは、チョコレート入りや、塩分がたくさん入った高カロリーナッツばかり。油でローストしているものも多くあります。

もともとナッツは天然の油脂が豊富でカロリーが高いのに、さらに油や塩、砂糖で加工されたナッツをバクバク食べていては、ニキビができたり、太ってしまうことも納得ですよね。

買うなら、”No added Salt(無塩)”と書いてあり、ローストしていないものを選ぶことがおすすめです。

 

7 激甘シリアルバー

シリアルバーの棚

シリアルバーと聞くと、栄養補助スナックだから体に良いという認識を持たれている方が多いと思います。

ニューヨーカーもそれは同じで、ちょっと小腹が減ったときに、クッキーなどのお菓子を食べるよりは体に良さそうという理由から、シリアルバーが人気。その証拠に、小さなスーパーや路面売店でも、シリアルバーは一番目に入りやすい場所に陳列されていることが多いです。

「でも砂糖や脂質が多くて、体に悪い」という流れになるんでしょ? というのは、ここまで読んでくださったあなたなら簡単に察しがつくと思います。全くその通りで、それについてはもう言うことはありません。

しかし、さらにここで注目したいのは、健康そうなシリアルバーの中にしれっと紛れているチョコレートバーや、ドーナツ、チーズケーキ風味のバー

ここまでくるともうヘルシーなふりをするのは無理かと思うのですが、それでもやれプロテインだ、食物繊維だ、砂糖が○g以下など、必死のアピールが止まりません。

このように、よくみたらあまり体に良さそうではないのに、うたい文句に騙され、隠れた糖質や塩分を積極的に摂取してしまう方が多いところを見ると、どこか根本的なところからニューヨーカーの健康意識の改善をしなければいけない気がしてなりません。

 

以上、「NYのスーパーで見つけた、ヘルシーと見せかけて実はそうでもない食品 7選」でした。

今回はニューヨークのお話ですが、実はここに書いたことは日本でも当てはまること。パッケージのうまい表現に騙されずに、原材料や成分表示をしっかりチェックすることを習慣づけ、賢い消費者になりたいですね。

(文・写真(トップの画像を除く) デイビスみなこ)

 

参考文献

厚労省、20年に日本初の糖類摂取量基準策定へ~消費者庁の対応次第では非表示の懸念も

https://biz-journal.jp/2014/04/post_4584.html

紅茶キノコ
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B4%85%E8%8C%B6%E3%82%AD%E3%83%8E%E3%82%B3

 

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