あなたはチョコレートをおつまみにピールが飲めますか?
こんにちは。海外書き人クラブお世話係の柳沢有紀夫です。自慢ではないですが、甘党かつ辛党。……全然自慢になっていないですね。
とにかく! 【世界の国民食】の第3回は「国民的スウィーツ・お菓子」です。
さて今回もヨーロッパから見ていきましょう。
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1 オーストリア
オーストリアを代表するスイーツといえばなんといっても「ザッハートルテ」! それぞれのカフェにはそれぞれのレシピがあり、違った味が楽しめますが、それぞれの家庭にもレシピがあり受け継がれている正に国民的スイーツ。アンズジャムが挟んであるもの、ないものがあったり、コーティングしてあるチョコレートの固さが違ったりとザッハートルテも様々なものがあり、ウィーンを代表するカフェで言うとCafe Sacherのものは杏ジャムが挟まっていてスポンジもしっとり目、Demelはジャムなし、チョコレートはザッハーのものより硬い、という違いがあります。甘くない生クリームを付けて食べるのが王道です。
もう1つの国民的スイーツは「アップルシュトゥルーデル」(アップルパイ)。これもザッハートルテ同様それぞれの家庭、カフェでレシピがあり受け継がれています。生クリームやアイスクリームを添えたり、バニラクリームの中に浸かっていたり(笑)これもザッハートルテ同様本当に様々なレシピがあるので色々なカフェで食べ比べなどしてみるのもいいかも知れません。
他には「皇帝のお菓子」と名前のついた「カイザーシュマーレン」。オーストリアのパンケーキですが、細かく切られていてプラムのジャムを付けて食べるのが一般的です。
他には中に杏ジャムや生クリームの入った揚げドーナッツ「クラップフェン」。これも近年では色々なコーティングや中身が違うものも出てきていますが、王道のオーストリアのスイーツです。
そしてザルツブルクにはザルツブルガーノッケルというメレンゲをたっぷり使った焼菓子や、リンツ発祥のリンツァートルテというジャムを挟んだクッキー、そして世界遺産のヴァッハウ渓谷では名物の杏を使ってデザートを作ったりとそれぞれの地方の名産品もあります。
近年はカップケーキやドーナッツ、マカロンなどといった様々なデザートがたくさん見られるようになりました。また春先のイチゴ、夏の杏、冬のマロンなど季節の食材を使った季節限定のスイーツも作られます。カフェ文化が無形文化遺産に指定されているウィーンだけあって、それにともなうスイーツもたくさんあるのです。
(バレンタ愛)
どれもおいしそうで……。「チクショー。なんでオレはオースト『ラ』リアに住んでるんだ? 『ラ』、要らねえ~」という気分になってきました。取っただけでどうにかなるもんでもないんですけど。
次はオーストリアの隣国スイスです。
2 スイス
スイスを代表するスイーツ・お菓子といえば、スイスチョコレート。
スイス各地には、リンツ(LINDT & SPRUNGLI)やレダラッハ(LADERACH)、フレイ(FREY)、カイエ(CAILLER)など星の数ほど多くの老舗チョコレートの店があり、人々のそれぞれがチョコレートのお気に入りを持っています。中には「スイスのチョコレート以外はチョコレートと認めない!」と言い切るスイス人もいるほどで、この国の人々のチョコレートの強いこだわりが感じられます。
美味しいチョコレートを楽しむだけではなく、チョコレート工場や博物館を持つチョコレートメーカーもあり、そこでじっくりとスイスのチョコレートの歴史を学ぶことも(試食をすることも)できるので、さらにスイスチョコレートに愛着がわきそうです。
また、スイスではメレンゲもよくデザートとして食されています。スイス西部のフランス語圏に位置するグリュイエール地方では、こってり濃厚なダブルクリームをふわふわのメレンゲにかけて食べるのが定番。
それだけではなく、フリブールの隣のドイツ語圏ベルン州の山間部にあるマイリンゲンもメレンゲで有名な村です。というのも、“メレンゲ”の名がこのマイリンゲンの村から来ていると言われているから。元々は17世紀頃にこの村で、イタリアからの菓子職人ガスパリーニがこのお菓子を初めて作ったから――ということらしいのですが、証拠文献は過去二回の世界大戦などでいつのまにか焼失してしまってないのだそうです。
マイリンゲンの村を訪れると、小さな通りにはいくつかメレンゲの専門店を目にします。白いメレンゲだけではなく、シナモンやチョコレート風味のメレンゲなど違うフレーバーも楽しめ、しかもどれも美味しいのでおススメのお菓子の一つです。
(小島瑞生)
うーん、やっぱりスイスはチョコレートの本場ですね。
さて、次はアジアに飛んでフィリピンです。
3 フィリピン
現在も常夏のフィリピンで人気の氷菓子で日本のコンビニなどでも近年売られていた「ハロハロ」。この「ハロハロ」のタガログ語の意味は、「ハロ」が「まぜる」、そして「ハロハロ」は「混ぜこぜ」。その名のとおりかき氷の上に、アイスクリーム、プリン、ナタデココ、モンゴ(小倉あずき)、ゼリーやタピオカなどスイーツならなんでものせてあるので、つまり「ハロハロ」。これをちょっとづつスイーツごとにかき氷といっしょにいただくのではなくて、一気にガーッとかき混ぜていただくのがフィリピン流。当然、カラフルで可愛い色合いのスイーツ同士を混ぜてしまうと、図工の時間にパレットを洗う時に、なんでキレイな色を混ぜるとこんな凄い色になるんだろう、という疑問そのままの色に!!
さてその「ハロハロ」の歴史は、かつてのダバオの日本人街や、マニラの日本人コミューンで売られていた「小倉カキ氷」(モンゴ・アイス)を発祥とするとフィリピンでは伝えられています(参照)。近年はフィリピンからの出稼ぎが多くなっていますが、かつては日本発の出稼ぎの方が多かった時代の今に伝えられる記念品、といえるかも知れなませんね。
(参照) Inquirer net.: Japanese origins of the Philippine ‘ halo -halo ‘ | Inquirer Opinion; http://opinion.inquirer.net/35790/japanese-origins-of-the-philippine-halo-halo
(Okada M.A.)
4 オーストラリア
オーストラリアからはいくつか紹介したいものがあって、どれから行こうか迷ったのですが、フィリピンのハロハロに対抗することにしました。これは自家製の「スライスケーキ」。チョコレートケーキの上にアイシングを乗せたものですが、その色が……。日本人の感覚からすると料理にしてはかなりドギツイと感じられるキョーレツな色が平気で使われます。
キョーレツつながりで、次は「マッドケーキ」です。見た目は普通のチョコレートケーキなのですが、甘いのなんのって。脳天が衝撃を受けて、冷や汗が出るレベルです。個人的には円周部分の2センチほどの薄いスライスで充分ですね。
ちなみにこの場合「マッド」は「マッドサイエンティスト」ではなく、「泥」のほうです。……すごいネーミングセンスですね。
あまり妙なモノばかり紹介してもなんなので、オススメ品を。次の写真は「アンザックビスケット」です。卵の代わりにサトウキビを煮詰めた「ゴールデンシロップ」をつなぎにしてあって、しっとりとした歯ごたえが特徴。ココナッツやオーツの香ばしさも絶妙です。
次に紹介する「ショートブレッド」はもともとスコットランドのお菓子ですが、かの地からの移民も多いオーストラリアでも大人気。いわゆるバタークッキーですが、あっさりめの甘さで、その分バターと小麦の香りが引き立っています。
「アンザックビスケット」と「ショートブレッド」では下記の記事でも紹介したので、ぜひご覧になってください。
以上、【海外4ヵ国の国民的スウィーツ・お菓子】でした。書き終えたのがちょうど午後3時。おやつ、ドカ食いしちゃいそう……。
【構成:海外書き人クラブ 柳沢有紀夫】
(「海外在住ライターを使ってみたい」と思われている方。「海外在住ライターになりたいと思われている方。耳寄りな情報があります。ぜひこのページの下のほうまでご覧ください)
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