お茶する(1980年代)

「ええっと……正座して、でっけえ茶碗を3回まわしてから、苦いお茶一気に飲み干して、『結構なお手並みでした』とか言わなきゃいけないんだっけ?」などとドギマギする必要はまったくない。

「お茶する」とは茶道とはまったく関係なく、「喫茶店に行く」または「喫茶店やカフェに行ってコーヒーや紅茶を飲みながらおしゃべりする」という意味。

友だち同士で

授業終わったらお茶しない?

と誘いあったりする。

また

ねえねえ、カノジョ、お茶しない?

は、当時のナンパの決まり文句だった。

ちなみに関西の一部地域では「茶~しばく(チャーシバク)」と言ったとか。「しばく」というのは「しばくぞ、われっ!」の「しばく」で、つまりは「叩く」とか「暴力に訴える」というのが原義だと思うのだが……。その後「牛しばく(→吉野家に行く)」「鳥しばく(→ケンタッキーフライドチキンに行く)」「ネズミしばく(→千葉県にあるのに東京と名がつく某テーマパークに行く)」のような使い方をされたが、標準語で「牛する」「鳥する」「ネズミする」といった言い方はされなかったと思う。

それから「お茶しない?」と言うのに、飲むのは紅茶でなくてコーヒーであることがほとんどなのはなぜだろうと、当時すごく気になっていた。そんな変人、モテるわけないよね。

【関連語】 だべる

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