この場合の「イタ」は「痛車」とか「イタい女」の「イタ」、つまり「なんだか見ていて痛々しい」という意味ではない。では何かというと「イタリア」の略。そして「飯」は「料理」のこと。
というわけで「イタ飯」とは「イタリア料理」のこと。ではなんでこういう言い方が生まれたかというと、省略してちょっとぞんざいな言い方をすることで「オレはそんなもの食べなれてるんだよ」みたいなニュアンスを醸し出したかったんだと思う。まさにバブルの時代を如実に表す言葉ですね。
当時は本当にイタ飯が流行った。フレンチほど気取らなくてよく、中華料理ほどメジャーすぎないあたりが、若造たちの「背伸びデート」にピッタリだったのだ。
その後、タイ料理とかベトナム料理とか、アジア系の「無国籍料理」が人気になる。
この「イタ飯」の用例はたとえば……。
ねえねえ。今度のデート、イタ飯がいいな
ああ、イタ飯なら、オレすごくおいしいとこ知ってるから
うわっ、頼もしい。じゃあお任せするね
おっしゃっ、まかせとき!
ところがデート当日。
…………。ねえ、私、イタ飯がいいって言ったよね? 怒
えっ? だから中華にしたんだけど……
…………。それは「イタ飯」じゃなく「炒め飯」だね、きっと。
コメント