「ビーフステーキ」の略。意味もそのまま。
21世紀の若い人は想像もできないだろうが、1980年代くらいまでは「松坂牛」や「神戸牛」といった高級和牛どころか普通の牛肉だって憧れの的・高嶺の花だった。
ましてやビーフステーキなんて、年に何度食べられたか。つまりビフテキと言えばごちそうの代名詞。オヤジが昇進したとか、逆に破産して翌日から一家離散とか、そんな「特別な日」にしかお目にかかれなかったね、彼らとは。
用法を突然ドラマ風に書くとしたら、こんな感じだ。
(母親)ごめんね。今晩のおかずなんだけど……
(子どもたち)(なにか問題だろうか。ソワソワ)
ビフテキでーす!
(子どもたち)わ~い、♪ビ~フテキ~、♪ビ~フテキ~
そう言えば私が大学生のときだから80年代中頃。「近所にサイコロステーキランチ980円で食べさせてくれるレストランができたのよ」と、おかあちゃんが興奮気味に教えてくれたなあ。大喜びでいっしょに食べに行った私も私だが。
じつは牛肉の輸入が自由化されたのって1991年で、それ以降、庶民でもようやく気軽に食べられる食材になった。
私より上の世代では今でも「ビフテキ=ごちそう」が刷り込まれている。現在はイタリアンとか和食に力を入れているところもあるが、ファミレス創世期はステーキが中心だったのには、こんな隠された秘密があるのかもしれない。
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