ダサイタマ(1970年代)

「ダサい」+「埼玉」の造語。「ダサい埼玉」といった意味。

当時は車の「ナンバープレート格付け」のようなものがあった。東京では「品川」ナンバーはオシャレで、「練馬」はイマイチで、「足立」は絶望的。その「足立ナンバー」の人たちの唯一の心の支えは、「でもオレたち、埼玉ナンバーじゃないから」。

2019年、漫画『翔んで埼玉』の実写版映画が公開されて、「ダサイタマ」という言葉も少々脚光を浴びるようになった。

話は少し飛ぶが、「♪僕の名前は目蒲線~(中略) あってもなくてもどうでいい目蒲線~」(『目蒲線物語』作詞/作曲/歌 おおくぼ良太。83年)というコミックソングで歌われた目蒲線も、今じゃあ立派な目黒線。東京メトロ南北線と都営地下鉄三田線にひっぱりだこの目黒線。一方、いまだに同じ地位にいる東急池上線だ。

ちなみに『目蒲線物語』は6分間以上にわたり、壮大なスケールで描かれる、波乱万丈の超大作。YouTubeか何かで聞くとジーンとくるので、ぜひ。個人的には「コミックソング界のボヘミアン・ラブソティー」と呼んでいる。

話はどんどん違う方向に行ったけど、現在、「ダサイタマ」を使うとしたら、

キミ、何県出身?

ん、埼玉だよ~

ああ、知ってる、知ってる。昔、『ダサイタマ』って呼ばれてた埼玉県だね?

と、蒸し返すとかね。または、

あっ、埼玉出身? じゃあ、ちょっと教えてほしいんだけど、「ダサイタマ」の「ダ」って、いつ取れて「サイタマ」になったんだっけ?

と何食わぬ顔で聞いてみるとか。

でも、良かったね~。もうダサイタマじゃなくなって

という励ましも効果的。

あっ、私のオヤジの生まれ故郷は埼玉で、私のもともとの本籍も埼玉県だった。さらによく考えたら、私、小学校三、四年生の二年間だけだけど、かつて埼玉県民だったことがあるんだよね。裏切ってゴメン、埼玉。

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