ドンマイ、ドンマイ!(1970年代)

英語の「Don’t mind!」から。意味は同じく「気にするな」「だいじょうぶ、だいじょうぶ」

私が中学時代を過ごした70年代は、まだ「野球部」専門用語だったと思う(他のスポーツでもあまり使われなかったように記憶する)。味方の野手がエラーしたときや、ピッチャーが押し出しの四球を出してしまったときなど、「だいじょうぶ、だいじょうぶ。気にせず、がんばっていこう」という意味で、よく用いられた。ただし、サヨナラ逆転ホームランを打たれて夏の大会敗退が決まった瞬間には、あまり用いられなかったと思う。

その後、一般社会でも使われるようになった。私が80年代後半を過ごした広告業界は、不動産業界ほどではないが、体育会出身者が多く締めており、この表現を用いる人たちにときどき遭遇。だが

ドンマイ、ドンマイ!

を連発する人間は、「体育会出身」→「筋肉バカ」的な見方をされることに遅まきながら気づいた彼らは「ドンマイ」の使用を極力避けるようになり、それが理由で徐々に廃れていったのかもしれない。

あと成人指定の表現になるが、

あっ、ゴメン。出ちゃった!

と謝る年下の男の子に、年上のおねえさんが

ドンマイ、ドンマイ! もう一回、がんばってね❤

……そんな用例もある。

ちなみに、「ドンマイ、ドンマイ!」と二度続けるのが基本。「ドンマイ!」と一回だけだと、「じつは結構気にしてるよ、オレ(ワタシ)!」と根に持つ感じ。「ドンマイ、ドンマイ、ドンマイ!」と三回だと、「あっ、ぜ~んぜん気にしてないから。ハナっから諦めてるから、オレ(ワタシ)!」という投げやりなニュアンスになる。……奥が深いぞ、「ドンマイ!」。

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